【ゲームの考え方】和葉@のLoLを見るのがちょっと面白くなる話#5

November 13, 2017 by 和葉@, Patch 7.18

実際の試合での考え方を序・中・終で分けてみる
皆さんこんにちは。和葉@です。
世間では新パッチでルーン等様々なシステムに調整が入りてんやわんやしている所じゃないでしょうか。
かくいう僕もその波に飲まれ記事を書くのが大幅に遅れてしまいました。申し訳ありません。
当初予定していたものも今の変更があっても通用する知識が殆どではありますが、おそらく皆さんが欲しいのは「新パッチで何がつえーんや!どうすりゃええんや!」だと思います。
ここであかさんが丁寧に解説している記事がありますので、ご参考までに。
多くのプロも今毎日沢山のランクを回しながら感覚を掴んでいる所ではありますので、盲信は禁物です。
閑話休題して本題に入ろうと思います。


序盤のゲームの考え方


ACS FinalのGame1を参考にします
(実際に試合が始まるのは動画時間39:50くらいから)

まず、前の記事から思い出して欲しいのは強い時間帯を意識する事です。
TSA側はレク=サイ、ジェイス、ヴァルスと早い時間帯(Lv2~Lv9くらいまで)に強いチャンピオンが散っています。
対してUTはジャーヴァン4世、シンドラ、ケイトリン、ザイラとTopのガリオ以外が序盤からかなり強い構成になっています。
特に考えて欲しいのはボットレーンがどちらも序盤から強力である点です。
ここからUT側はボットレーンをかなり意識している事がわかります。UTの序盤のゲームの考え方として

① ボットレーンの強さを活かして序盤はボットでアクションを起こしたい
② そのため、序盤ジャーヴァン4世にはボット周辺の視界を取ってもらいたい
③ ワードを奥深くに置く事ができればトップのガリオがTPしてダイブも狙える(非常に強力なダイブ構成の強みを活かせる)

ここまで、構成の段階で明確且つわかりやすくなっています。ヴァルス&ルルというペアはレーニングではかなり強力と言われていますが、相手はヴァルスよりも射程の長いケイトリンとルルのシールドの上からダメージを出せるザイラです。
特にアーデントセンサーを持とうとしているルルではレーンでザイラとダメージトレードをするのは得策ではないでしょう。

対してTSAが考える事です。
① 相手がボットレーンを強力にしてきた事で、自分たちはボットレーンに長くレーンをさせてはいけない。
② チョ=ガスの対面がガリオというタンクになった以上お互いガンクを狙うレーンでは無くなった(ジャーヴァン4世がLv6になってからは別)
③ ケイトリン&ザイラでは序盤レーンを押してしまう事は避けられないので、そのタイミングでガンクが強力なレク=サイでガンクをしてボットレーンで先手を打つ
になります。序盤、ゲームの考え方として重要になってくるのは相手がどこからゲームの主導権を握ろうとしていて、そこに対してどうカウンターを取るかです。
今回はUT側が明確に主導権を握りやすい形になっています。TSA側はその点に置いて、非常に強力なCCであるヴァルスの穢れの連鎖-Rスキルとルルのおおきくなぁれ!-Rスキルでカウンターをしてからボットのタワーを取って自分たちが試合の主導権を握るべきです。
アーデントセンサーを持つサポートを選択した以上相手の狙いをいかにかわして自分たちの強い時間帯まで試合を伸ばすのかをTSA側は考えるべきでした。

結果として、TSA側は序盤から強いジェイスのレーンにガンクにいきますが上手くいかずそのカウンターを取られる形で序盤のミッド周辺のアドバンテージを渡してしまいます。
これにより、何もせずにUT側はボットのファーストタワーを獲得して試合の主導権を握る事に成功しました。これは明らかなTSA側のミスだったと言えるでしょう。


ゲーム中盤の考え方


LoLというゲームは試合が始まった時から考えなければいけない事が一つあります。
それは『どうやって試合を終わらせるか』です。
そして、その試合を終わらせる時に重要になってくるのが全てのファーストタワーを獲得してからのローテーションです。
この試合では、UT側はそのローテーションで手痛いミスをしてしまいました。
動画時間で1:02:58頃からのシーンです。UT側は全てのファーストタワーを獲得した有利を活かしてバロン周辺の視界をコントロールしようとします。
この動きで相手と戦闘せずにバロンを獲得する事ができれば、UT側はそのまま大きく有利を握る事になります。
しかし、ここでTSA側は自分たちが作らなければいけないアイテムであるアーデントセンサーが完成しています。
さらにはタンクであるチョ=ガスとレク=サイは徐々にタンクアイテムが完成しキャリーの2人のサモナースペルは全てあがっています。集団戦の準備は万端です。

この中盤で意識しなければいけない事はいかに有利を押し付けられるかです。
試合の主導権の握り方は様々です。特定のチャンピオンがキルを大量に獲得してタワーを折った事によるスノーボルかもしれませんし、常に人数を多くかけて戦闘を起こさずタワーを破壊した事によるグローバルゴールドの優位かもしれません。
今回のUTは後者です。ここでやるべき事は「全てのレーンをプッシュして相手にワードを自由に置かせずに相手のジャングルを狩ってグローバルゴールドの差を広げてタワーを削る事」です。
ジャーヴァン4世&ガリオという非常に強力なコンボはウェーブを処理して一人でいるキャリーを狙えばいいコンボです。
この行動が一番効果的である理由は「TSA側に強引に当たりにいく手段がヴァルスのフラッシュからの穢れの連鎖-Rスキルとチョ=ガスのライチャスグローリー」しかありません。
つまりそれは全てコミュニケーションを取っていれば避けられるものです。
ここで強引にUTは集団戦を仕掛けてしまいます。その結果のカウンターとして5キルを取られてしまいます。
しかし、TSA側としても判断がブレてしまいました。ガリオを追いかけすぎた事でタワーを取れずに寧ろ強引に取ろうとしたジェイスが倒されてしまいました。
しかし、この時点でTSA側は集団戦を行えば勝てるという事がわかります。UT側としてはあげてはいけないアドバンテージでした。
結果として27分でもTSA側が長い長い集団戦を勝利しグローバルゴールドを五分にまで戻しました。序盤、ただただミスを重ねて3000以上もの差をつけられてしまったにも関わらずです。
相手の狙いをカウンターする動きがどれだけ重要なのかわかる中盤になったと思います。


終盤のゲームの考え方


いよいよ終盤です。ここでの一番重要な事はいかにして相手にチャンスを与えないかです。
皆さんも経験した事があると思います。圧倒的優位、バロンも取ってあとは集団戦さえすれば勝つという時に一人一人倒されて気付けば逆転されて負けた試合を。
この試合を投げ出すようなプレイを「スロー(Throw)する」と言いますが、これを大会でしないために必要なのはとにかく無茶をしない事です。
このゲームはSKTやC9ほどのミラクルチームでもない限り大差をひっくり返す事は難しいです。最後に物を言うのは資金差からくる無理をしない立ち回りです。
その助けをするのがコミュニケーションです。ここで重要なのが『5人で1つの行動をする』事です。
これは、集団戦をしろという話ではありません。例えば「今から皆でボットレーンの視界を取りに行く」時にサポートが一人トップレーンでうろうろして視界を取ろうとするのはやろうとしている行動とは違いますね?
これは「ボットレーンの視界を取りたい4人」と「トップレーンの視界を取りたい1人」で2つの行動をしています。これを無くします。

実はこれは非常に難しい事で、「全員がやりたい行動における役割」を理解していなければいけません。
視界を取りたいなら誰がどうやって視界を取り、その間誰がレーンを押すのか。
集団戦をしたいなら誰から入るのか。
ドラゴン、バロンを取りたいならいつまでにどういう立ち位置をしていないといけないのか。
これはチームで話し合わないといけない事なので、今までおざなりにしていたチームの人たちは一度情報の共有をしてみるといいと思います。
まずは全員が試合中にちゃんと声を出して自分のやるべき事を言えているのかからチェックしてみると変わると思います。


さいごに


今回は実際の試合を使いながらでしたが、説明口調だった中でも必要な事には大体強調を使っているのでそこを重点的に読めばわかりやすいと思います。
もうちょっと画像とか使いたかったんですが、僕にコラ画像の天啓が降りてこなかったので諦めました。
次から、ワーディングの話をしようかなとは思います。大会が始まるまでまだまだ時間があるのに観戦する時の話をしてもズレてるかなと思うので。
よりプレシーズン中でも効果のある知識から出していこうと思います。
最後にここまで記事を読んでくださりありがとうございました。次回の記事も読んで頂けると嬉しいです。
それでは。