プロシーンのニッチピック通信簿vol.3 ジンクス on LCK
ケイトリンのカウンターとして評価をあげている超エキサイティングなADC
雪が降ったかと思えばあっという間に桜が満開、寒暖の差が激しすぎて皆さんは体調を崩してませんか?
私はダメです。
好評かどうかはさておき、このシリーズも3回目、なんとなく毎週水曜日に更新してますが、別に決めているわけではなく、なんとなくです。
第1回 ヴェル=コズ編(Link)
第2回 スウェイン編(Link)
今回はサモナーズリフトへ久々に帰ってきた暴走パンクガール、ジンクスの紹介です。
長年メタから離れていた彼女ですが、パッチ8.2以降はマイナーリージョンのプロシーンで少数ピックされはじめ、パッチ8.5になった今では、EULCSやLCKにも姿を見せ始めました。
(LCKでは4試合でピックされ、なんと4勝0敗。それどころか1デッドもしていません)
使われ方としては現在トップメタのADCの一人である、ケイトリンに対するカウンターピックが中心となっています。
ピルトーヴァーの治安と秩序を守る保安官であるケイトリンのカウンターが、破壊と混沌をもたらすジンクスというのはなんともエスプリが利いていていいではないですか。
なぜ彼女がメタに復帰できたのか?ケイトリンのカウンターとして成立する理由は?
いくつかの視点から分析し、今後もピックされ続けるか、評価してみようと思います。
(ジンクスはどのスキンもかわいいですよね。個人的にはマフィアジンクスのWが好きです。シャンパンの栓を飛ばす奴。)
ジンクスはレイトゲームキャリーと言われる一団に属しているチャンピオンです。
レイトゲームキャリーとはダメージのほとんどを通常攻撃で出すタイプのADCのことで、他の代表的なチャンピオンは、コグ=マウやトリスターナなどです。
(ちなみにアッシュやシヴィアのようなチームファイトに役立つスキルを持つタイプをユーティリティADC、ミス・フォーチュンやコーキなどスキルのダメージが高いADCをスキルファイターADCと分類したりします)
レイトゲームキャリーたちは通常攻撃が主なダメージソースなため、アイテム依存度が高く、一般的に3~4つのアイテムを完成させないと高いダメージが期待できないという特徴を持っています。
今シーズン多くピックされたレイトゲームキャリーが上に挙げた2人ですね。
コグ=マウはレイトゲームキャリーながらグインソーレイジブレードが完成した段階でかなり強く、そこからゲームエンドまでずっと強いという、逃げ性能に乏しいものの、いわゆる「ぶっ壊れチャンピオン」でした。
トリスターナはレベルが上がるごとに通常攻撃の射程が伸びていくこと、リセット効果のついた優秀なブリンクであるロケットジャンプ、ピール性能のあるアルティメットバスターショットを持っていることから、ゲーム後半になると手の付けようがないチャンピオンとしてメタに君臨していました。
しかし盛者必衰、メタは回るものでこのレイトゲームキャリー界の2大巨頭にもナーフが入ります。
パッチ8.3でコグ=マウはWの有機性魔力砲の追加ダメージが大きくナーフされて、ソロQでもADC勝率最下位まで転げ落ち、一気にシーンから姿を消しました。
パッチ8.4で再調整を受け多少は持ち直したものの、以前の勢いは完全に失われた格好です。
トリスターナもパッチ8.4でバスターショットのクールダウンがナーフされ、パッチ8.5ではレベル1時の通常攻撃の射程が25も削られてしまいました。
この射程のナーフは大きく、パッチ8.4→8.5間で勝率を12%も下げています。(53%→41%)
こうしてレイトゲームキャリーの枠が少し空いたところにジンクスが滑り込んできたのです。
もっとも他にもレイトゲームキャリーはいます。薄汚いネズミやでんぐり返しハンターなどですね。
その中でなぜジンクスが選ばれたのか。それはパッチ8.2で彼女に入ったバフが大きかったのです。
ジンクスにパッチ8.2で大きなバフが入ったことを皆さんは覚えているでしょうか。
パッチ8.2というのはサイトストーンの削除やヌヌの大型バフがあって、即座にミッドパッチでナーフされた時のやつです。
ちょっとパッチノートから引用してみましょう。
重要なのはの変更です。以前はレベルによってもスケールしていて、最大70%攻撃速度が上昇していましたが、それが撤廃されスキルレベルに統合された形です。
最終的な攻撃速度は低下しましたが、のレベルが5になる、つまりチャンピオンレベル9で攻撃速度が130%上昇するようになり、変更前のレベル9時点が105%だったことを考えると大きなバフといえるでしょう。
ロケットからミニガンへ切り替えたあとの攻撃が0.4秒以内に撃てるようになるというのも実は地味に大きな変更で、この0.4秒以内というのはオートアタックタイマーを無視して撃つことができるので、レーンで武器を切り替えながらCSを取るのがかなり楽になりました。
ざっくりいうと、パワースパイクが早くなり、レーン戦が少し楽になった変更と言えるでしょう。
前回、前々回の記事でもお話しましたが、シーズン8のSpringはパッチ8.4を境にメタが変化しました。
バロンの重要度があがり、バロンバフを利用したシージが猛威を振るうようになったわけです。
そんなメタの中で評価を上げたADCがケイトリンです。
ケイトリンは実はレイトゲームキャリーに属するチャンピオンなのですが、射程の長さを活かしたハラス、ヨードルトラップによるゾーニング能力が強力で、レーンプッシュ、タワーシージの面では序盤から強力なチャンピオンです。
競技シーンでも開始10分少々でボットのファーストタワーを、そのあとトップへスワップして、といった形でどんどんタワーを折っていくシーンをよく見かけます。
タワーを折るということはグローバルゴールド面での有利が得られるのはもちろんですが、相手から視界を奪うことにもなり、チームがバロンを取ったり、バロンを餌に相手を釣り出す、いわゆるバロンベイトを行ったり、といった作戦が取りやすくなります。
また一度バロンを取ってしまえばケイトリンのゾーニング能力とバロンバフのシナジーはとてつもなく強力です。
そんな時代の寵児であるケイトリンにも弱点があります。
序盤こそスキルセットの優秀さや射程の長さでほとんどのADCに対して優位に立てるケイトリンですが、コアアイテムが1つ完成するくらいのタイミングからダメージ面で他のADCとの差が大きくなっていくのです。
4つコアアイテムを完成させるころにはレイトゲームキャリーとして十分なダメージを出すことが出来るケイトリンですが、それまでの時間帯ははっきり言って強くはないのです。
ただケイトリンは先述のとおり、タワーを破壊するのが得意です。
集団戦を避け、ウェーブをプッシュし、相手のタワーを破壊しながら常に相手のADCよりもビルド面で先行することができれば、この弱点を克服できるわけです。
具体的にはボットのファーストタワーを15分までに折ることが出来ればケイトリンをピックした価値があったといえるでしょう。
つまり、ケイトリンを倒すためにはレーン戦で彼女を自由にさせなければいいわけですね。
そこで出てきたのが彼女のストーリー上、そしていまやサモナーズリフトでも天敵となっているジンクスなのです。
ジンクスはQで武器をロケットに切り替えることで射程を伸ばすことができます。
ロケットの射程はのスキルレベルによって変化していきますが、レベル1でも600、レベル3になれば650になってケイトリンの射程と並びます。
またロケット弾には爆風が発生するのでウェーブクリアも行いやすく、ケイトリンにプッシュ・シージされるチャンスを容易には与えません。
レーン戦さえしのげてしまえば、同じレイトゲームキャリーでもジンクスのほうがパワースパイクも早く、最終的なダメージ量でもケイトリンを上回るので逆転されず、そのままスケーリング勝ちが出来るという寸法です。
またジンクスはレイトゲームキャリーの中でも攻撃速度に特化したチャンピオンで、タワーシージが非常に速いことで知られています。
ケイトリンによるタワーシージを遅らせたあと、仮にタワーの折り合いをする展開になったとしても後れを取らないという点も見逃せないですね。
仕組みとしてケイトリンに対してジンクスが機能することは理解していただけたと思います。
しかしレーン戦を支えてくれるロケット砲は撃つたびにマナを消費してしまうというデメリットがあります。
それをルーンによってうまく補うことが出来るので、ルーンの設定についても見てみましょう。
EULCSのPlayoffでRoccatのHeaQ選手が採用したものを紹介します。
ポイントとなるのは冷静沈着です。
ちょっとマイナーなルーンなので効果も一応説明しておきましょう。
このルーンはレベルアップ又はキル・アシストを獲得するとその後7秒間、スキルによって消費したマナを100%還元できるという効果です。
マナがきつめのメイジチャンピオンを中心に採用されているルーンで、最近ではアジ―ルやカシオペアなどが良く持っているのを見かけます。
ADCはあまり頻繁にスキルを回さないこともあって、同じ列にあるオーバーヒールや凱旋といったルーンを選択する場合が多いのですが、ジンクスの場合のロケット砲によって毎回20ずつ消費するマナを7秒間踏み倒せるわけですから、非常に相性がいいわけですね。
レベルアップごとに5,6発タダでロケットをぶっぱなせるので、これだけでもかなりレーニングが楽になるわけです。
もちろんジンクスが得意な集団戦の最中にマナの心配がいらなくなるのも強力です。
追い風もジンクスと相性のいいルーンです。
カイト、チェイス性能があがるのはもちろん、固有能力で大きく移動速度が上がったときに、それを攻撃力に変換することが出来ます。
アイテムビルドはそれほどいままでのジンクスと変わりません。
→→→→oror
まずはある程度の攻撃力を確保するためにB.F.ソードにラッシュして、それからジール派生アイテムへ進むレイトゲームキャリーではよく見るビルドルートです。
ルナーン・ハリケーンはon-hit-effectが強力なジンクスには欠かせないアイテムです。
アシストが得やすくなるのも好ポイント。
スキルを回すチャンピオンではないので、の進化先はインフィニティエッジで良いでしょう。
2つ目のASアイテムはラピッドファイアカノンが採用率高め。
ロケットの爆風やで十分ウェーブクリア能力が確保できるので、射程が伸びるこちらを選ぶプレイヤーが多いようです。
逃げ性能がないチャンピオンなので、ライフスティール系アイテム、特にブラッドサースターは身を守るためにも欲しいアイテムと言えそうです。
スキルオーダーはR>Q>W>E
説明不要でしょう。Qのレベルを5にするのがとにかく最優先です。
今回も評価の時間がやってまいりました。
ケイトリンのカウンターチャンピオンとして、ジンクスは今後もピックされるのでしょうか。
それとも一時的なブームに終わってしまうのでしょうか。
評価は4段階で行いたいと思います。評価は以下の通りです。
4点:エウレカ! これはきっと世界を席巻するNewメタになりますね。
3点:素晴らしいピック! このチャンピオンをピックするフォロアーが各地で出てくるでしょう。
2点:悪くないね! 弱点はあるけど部分的には成立しています。
1点:残念! 意欲的なピックだったけどあまり成功しなさそうです。
さて今回のジンクスの評価は・・・
3点:素晴らしいピック! このチャンピオンをピックするフォロアーが各地で出てくるでしょう。
ケイトリンとジンクスの追いかけっこは世界中のサモナーズリフトで、今後も繰り広げられるでしょう。
ジンクスはケイトリンをスケーリングで上回ると途中で説明しましたが、ケイトリンがジンクスよりも優れている点もあります。
自己ピール能力です。
ジンクスは一切ブリンクを持たないチャンピオンなのに対し、ケイトリンはL-90 ガリバーネットというブリンクスキルを持っています。
それほど強力なブリンクスキルではないのですが、あるとないとでは大違いです。
ブリンクを持たないことで、キャリーに対する圧力の強いチャンピオン、例えばカミールや、次あたりに取り上げようかと考えているトランドルといったチャンピオンが、ジンクスに対するカウンターとして機能します。
この試合なんかはまさにそうですね。
またジンやヴァルスといったCCをもったADCに対してはレーン戦が苦しく、安易に先出しをすることも難しいでしょう。
と、様々な弱点はあるものの、ケイトリンを封じ込めるという1点に関してジンクスは機能するのは間違いなく、カウンターピックとして今後も世界各地で採用されていくことになるだろうと予想しています。
ADCは案外書くことがないんですが、いろいろと今シーズンのメタの流れを振り返りつつ、ストーリー性を持たせてまとめてみたつもりです。
ジンクスって本当に人気があるチャンピオンですよね。
MVが作られたりと運営側からも気に入られている節もありますが。
最近ゲームを始めた人は見たことないかもしれないですね。めっちゃかっこいいので、ぜひこの機会に見てみてください。
このシリーズは好評だったら続くので、超!エキサイティン!って感じだったらシェア等よろしくおねがいします。
私はダメです。
好評かどうかはさておき、このシリーズも3回目、なんとなく毎週水曜日に更新してますが、別に決めているわけではなく、なんとなくです。
第1回 ヴェル=コズ編(Link)
第2回 スウェイン編(Link)
今回はサモナーズリフトへ久々に帰ってきた暴走パンクガール、ジンクスの紹介です。
長年メタから離れていた彼女ですが、パッチ8.2以降はマイナーリージョンのプロシーンで少数ピックされはじめ、パッチ8.5になった今では、EULCSやLCKにも姿を見せ始めました。
(LCKでは4試合でピックされ、なんと4勝0敗。それどころか1デッドもしていません)
使われ方としては現在トップメタのADCの一人である、ケイトリンに対するカウンターピックが中心となっています。
ピルトーヴァーの治安と秩序を守る保安官であるケイトリンのカウンターが、破壊と混沌をもたらすジンクスというのはなんともエスプリが利いていていいではないですか。
なぜ彼女がメタに復帰できたのか?ケイトリンのカウンターとして成立する理由は?
いくつかの視点から分析し、今後もピックされ続けるか、評価してみようと思います。
(ジンクスはどのスキンもかわいいですよね。個人的にはマフィアジンクスのWが好きです。シャンパンの栓を飛ばす奴。)
S8におけるレイトゲームキャリーのシェア変化
ジンクスはレイトゲームキャリーと言われる一団に属しているチャンピオンです。
レイトゲームキャリーとはダメージのほとんどを通常攻撃で出すタイプのADCのことで、他の代表的なチャンピオンは、コグ=マウやトリスターナなどです。
(ちなみにアッシュやシヴィアのようなチームファイトに役立つスキルを持つタイプをユーティリティADC、ミス・フォーチュンやコーキなどスキルのダメージが高いADCをスキルファイターADCと分類したりします)
レイトゲームキャリーたちは通常攻撃が主なダメージソースなため、アイテム依存度が高く、一般的に3~4つのアイテムを完成させないと高いダメージが期待できないという特徴を持っています。
今シーズン多くピックされたレイトゲームキャリーが上に挙げた2人ですね。
コグ=マウはレイトゲームキャリーながらグインソーレイジブレードが完成した段階でかなり強く、そこからゲームエンドまでずっと強いという、逃げ性能に乏しいものの、いわゆる「ぶっ壊れチャンピオン」でした。
トリスターナはレベルが上がるごとに通常攻撃の射程が伸びていくこと、リセット効果のついた優秀なブリンクであるロケットジャンプ、ピール性能のあるアルティメットバスターショットを持っていることから、ゲーム後半になると手の付けようがないチャンピオンとしてメタに君臨していました。
しかし盛者必衰、メタは回るものでこのレイトゲームキャリー界の2大巨頭にもナーフが入ります。
パッチ8.3でコグ=マウはWの有機性魔力砲の追加ダメージが大きくナーフされて、ソロQでもADC勝率最下位まで転げ落ち、一気にシーンから姿を消しました。
パッチ8.4で再調整を受け多少は持ち直したものの、以前の勢いは完全に失われた格好です。
トリスターナもパッチ8.4でバスターショットのクールダウンがナーフされ、パッチ8.5ではレベル1時の通常攻撃の射程が25も削られてしまいました。
この射程のナーフは大きく、パッチ8.4→8.5間で勝率を12%も下げています。(53%→41%)
こうしてレイトゲームキャリーの枠が少し空いたところにジンクスが滑り込んできたのです。
もっとも他にもレイトゲームキャリーはいます。薄汚いネズミやでんぐり返しハンターなどですね。
その中でなぜジンクスが選ばれたのか。それはパッチ8.2で彼女に入ったバフが大きかったのです。
バフを受けてパワースパイクが早くなったジンクス
ジンクスにパッチ8.2で大きなバフが入ったことを皆さんは覚えているでしょうか。
パッチ8.2というのはサイトストーンの削除やヌヌの大型バフがあって、即座にミッドパッチでナーフされた時のやつです。
ちょっとパッチノートから引用してみましょう。
基本ステータス
基本攻撃力 66 ⇒ 61
レベルアップごとの攻撃力増加量 2.41 ⇒ 2.7
固有スキル - 超エキサイティン!
「超エキサイティン!」の攻撃速度がスタックしなくなりました
NEW「超エキサイティン!」の効果中は攻撃速度が上限を超えられるようになりました
Q - スイッチング!
ミニガンの攻撃速度 30/40/50/60/70% ⇒ 30/55/80/105/130%
削除 ジンクスのレベルに応じてミニガンの攻撃速度が増加しなくなりました
NEWミニガン(パウパウガン)に切り替えた後の最初の攻撃が、切り替え後0.4秒以内に撃てるようになりました
重要なのはの変更です。以前はレベルによってもスケールしていて、最大70%攻撃速度が上昇していましたが、それが撤廃されスキルレベルに統合された形です。
最終的な攻撃速度は低下しましたが、のレベルが5になる、つまりチャンピオンレベル9で攻撃速度が130%上昇するようになり、変更前のレベル9時点が105%だったことを考えると大きなバフといえるでしょう。
ロケットからミニガンへ切り替えたあとの攻撃が0.4秒以内に撃てるようになるというのも実は地味に大きな変更で、この0.4秒以内というのはオートアタックタイマーを無視して撃つことができるので、レーンで武器を切り替えながらCSを取るのがかなり楽になりました。
ざっくりいうと、パワースパイクが早くなり、レーン戦が少し楽になった変更と言えるでしょう。
ケイトリンの流行と彼女のライバルとしてのジンクス
前回、前々回の記事でもお話しましたが、シーズン8のSpringはパッチ8.4を境にメタが変化しました。
バロンの重要度があがり、バロンバフを利用したシージが猛威を振るうようになったわけです。
そんなメタの中で評価を上げたADCがケイトリンです。
ケイトリンは実はレイトゲームキャリーに属するチャンピオンなのですが、射程の長さを活かしたハラス、ヨードルトラップによるゾーニング能力が強力で、レーンプッシュ、タワーシージの面では序盤から強力なチャンピオンです。
競技シーンでも開始10分少々でボットのファーストタワーを、そのあとトップへスワップして、といった形でどんどんタワーを折っていくシーンをよく見かけます。
タワーを折るということはグローバルゴールド面での有利が得られるのはもちろんですが、相手から視界を奪うことにもなり、チームがバロンを取ったり、バロンを餌に相手を釣り出す、いわゆるバロンベイトを行ったり、といった作戦が取りやすくなります。
また一度バロンを取ってしまえばケイトリンのゾーニング能力とバロンバフのシナジーはとてつもなく強力です。
そんな時代の寵児であるケイトリンにも弱点があります。
序盤こそスキルセットの優秀さや射程の長さでほとんどのADCに対して優位に立てるケイトリンですが、コアアイテムが1つ完成するくらいのタイミングからダメージ面で他のADCとの差が大きくなっていくのです。
4つコアアイテムを完成させるころにはレイトゲームキャリーとして十分なダメージを出すことが出来るケイトリンですが、それまでの時間帯ははっきり言って強くはないのです。
ただケイトリンは先述のとおり、タワーを破壊するのが得意です。
集団戦を避け、ウェーブをプッシュし、相手のタワーを破壊しながら常に相手のADCよりもビルド面で先行することができれば、この弱点を克服できるわけです。
具体的にはボットのファーストタワーを15分までに折ることが出来ればケイトリンをピックした価値があったといえるでしょう。
つまり、ケイトリンを倒すためにはレーン戦で彼女を自由にさせなければいいわけですね。
そこで出てきたのが彼女のストーリー上、そしていまやサモナーズリフトでも天敵となっているジンクスなのです。
ジンクスはQで武器をロケットに切り替えることで射程を伸ばすことができます。
ロケットの射程はのスキルレベルによって変化していきますが、レベル1でも600、レベル3になれば650になってケイトリンの射程と並びます。
またロケット弾には爆風が発生するのでウェーブクリアも行いやすく、ケイトリンにプッシュ・シージされるチャンスを容易には与えません。
レーン戦さえしのげてしまえば、同じレイトゲームキャリーでもジンクスのほうがパワースパイクも早く、最終的なダメージ量でもケイトリンを上回るので逆転されず、そのままスケーリング勝ちが出来るという寸法です。
またジンクスはレイトゲームキャリーの中でも攻撃速度に特化したチャンピオンで、タワーシージが非常に速いことで知られています。
ケイトリンによるタワーシージを遅らせたあと、仮にタワーの折り合いをする展開になったとしても後れを取らないという点も見逃せないですね。
新ルーンと相性のいいジンクス
仕組みとしてケイトリンに対してジンクスが機能することは理解していただけたと思います。
しかしレーン戦を支えてくれるロケット砲は撃つたびにマナを消費してしまうというデメリットがあります。
それをルーンによってうまく補うことが出来るので、ルーンの設定についても見てみましょう。
EULCSのPlayoffでRoccatのHeaQ選手が採用したものを紹介します。
ポイントとなるのは冷静沈着です。
ちょっとマイナーなルーンなので効果も一応説明しておきましょう。
このルーンはレベルアップ又はキル・アシストを獲得するとその後7秒間、スキルによって消費したマナを100%還元できるという効果です。
マナがきつめのメイジチャンピオンを中心に採用されているルーンで、最近ではアジ―ルやカシオペアなどが良く持っているのを見かけます。
ADCはあまり頻繁にスキルを回さないこともあって、同じ列にあるオーバーヒールや凱旋といったルーンを選択する場合が多いのですが、ジンクスの場合のロケット砲によって毎回20ずつ消費するマナを7秒間踏み倒せるわけですから、非常に相性がいいわけですね。
レベルアップごとに5,6発タダでロケットをぶっぱなせるので、これだけでもかなりレーニングが楽になるわけです。
もちろんジンクスが得意な集団戦の最中にマナの心配がいらなくなるのも強力です。
追い風もジンクスと相性のいいルーンです。
カイト、チェイス性能があがるのはもちろん、固有能力で大きく移動速度が上がったときに、それを攻撃力に変換することが出来ます。
アイテムビルドはそれほどいままでのジンクスと変わりません。
→→→→oror
まずはある程度の攻撃力を確保するためにB.F.ソードにラッシュして、それからジール派生アイテムへ進むレイトゲームキャリーではよく見るビルドルートです。
ルナーン・ハリケーンはon-hit-effectが強力なジンクスには欠かせないアイテムです。
アシストが得やすくなるのも好ポイント。
スキルを回すチャンピオンではないので、の進化先はインフィニティエッジで良いでしょう。
2つ目のASアイテムはラピッドファイアカノンが採用率高め。
ロケットの爆風やで十分ウェーブクリア能力が確保できるので、射程が伸びるこちらを選ぶプレイヤーが多いようです。
逃げ性能がないチャンピオンなので、ライフスティール系アイテム、特にブラッドサースターは身を守るためにも欲しいアイテムと言えそうです。
スキルオーダーはR>Q>W>E
説明不要でしょう。Qのレベルを5にするのがとにかく最優先です。
ジンクスは今後もピックされ続けるか
今回も評価の時間がやってまいりました。
ケイトリンのカウンターチャンピオンとして、ジンクスは今後もピックされるのでしょうか。
それとも一時的なブームに終わってしまうのでしょうか。
評価は4段階で行いたいと思います。評価は以下の通りです。
4点:エウレカ! これはきっと世界を席巻するNewメタになりますね。
3点:素晴らしいピック! このチャンピオンをピックするフォロアーが各地で出てくるでしょう。
2点:悪くないね! 弱点はあるけど部分的には成立しています。
1点:残念! 意欲的なピックだったけどあまり成功しなさそうです。
さて今回のジンクスの評価は・・・
3点:素晴らしいピック! このチャンピオンをピックするフォロアーが各地で出てくるでしょう。
ケイトリンとジンクスの追いかけっこは世界中のサモナーズリフトで、今後も繰り広げられるでしょう。
ジンクスはケイトリンをスケーリングで上回ると途中で説明しましたが、ケイトリンがジンクスよりも優れている点もあります。
自己ピール能力です。
ジンクスは一切ブリンクを持たないチャンピオンなのに対し、ケイトリンはL-90 ガリバーネットというブリンクスキルを持っています。
それほど強力なブリンクスキルではないのですが、あるとないとでは大違いです。
ブリンクを持たないことで、キャリーに対する圧力の強いチャンピオン、例えばカミールや、次あたりに取り上げようかと考えているトランドルといったチャンピオンが、ジンクスに対するカウンターとして機能します。
この試合なんかはまさにそうですね。
またジンやヴァルスといったCCをもったADCに対してはレーン戦が苦しく、安易に先出しをすることも難しいでしょう。
と、様々な弱点はあるものの、ケイトリンを封じ込めるという1点に関してジンクスは機能するのは間違いなく、カウンターピックとして今後も世界各地で採用されていくことになるだろうと予想しています。
おわりに
ADCは案外書くことがないんですが、いろいろと今シーズンのメタの流れを振り返りつつ、ストーリー性を持たせてまとめてみたつもりです。
ジンクスって本当に人気があるチャンピオンですよね。
MVが作られたりと運営側からも気に入られている節もありますが。
最近ゲームを始めた人は見たことないかもしれないですね。めっちゃかっこいいので、ぜひこの機会に見てみてください。
このシリーズは好評だったら続くので、超!エキサイティン!って感じだったらシェア等よろしくおねがいします。
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