NALCS 3位決定戦 ECHO FOXの快勝の裏側に迫る
FOXがCGを完膚なきまでに叩きのめした試合をBPから序盤の動きにかけてじっくり見ていきます。
Game1,Game2のみの解説になります。Game3書く前に力尽きてしまいましたごめんなさい;c;
お久しぶりです。リクルートです。
前回の対談記事から日が浅い+あかさんのSKTの記事で結構お腹いっぱいの皆さんにさらにマクロの記事を載せていく諄さですがお許しください;c;
今回はNALCS3位決定戦のFOX vs CGについてしゃべっていこうと思います。
キャスター達の勝利予想では3-1でCG勝利が二人と3-1でFOX勝利が1人、という内訳でした。
結果から申し上げますと3-0でFOXが3位をもぎ取っていきました。あのTSMを破り100 ThievesとBo5にまでもつれ込んで惜しくも敗北という形でしたがかなり快進撃を繰り広げていたチームです。
そこに反撃の余地を与えないFOXの戦術を深堀していきたいと思います。
実際に試合を見た方は、戦術?ただ序盤に偶然相手のクリープスティールしたりkillとれたりしてごり押ししただけじゃん!って感想を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそこに至るまでにBPからたくさんの駆け引きがあり、そして序盤全員の一つ一つの細やかな動きから成り立っていたんです、と今回はそういった内容になっています。
試合内容に移る前におおまかなFOXの戦法を軽く触れておきたいと思います。
今回は
でもそれをするためにはどうすればいいの?金銭差を作り出すためには大きく分けて二つの方法があります。
一つ目は”相手のJGのクリープを狩る、すなわちカウンタージャングルを行うこと”
もう一つは”ガンクやカウンタージャングルの際に相手チャンピオンをKillすること”
Kill時の経験値、ゴールド取得や相手が本来とるはずの資源を奪ってつくはずのない差を生み出すというわけです。
ここでカウンタージャングルという行為がどちらの方法にも登場していますね。なのでこれが重要になってくるわけですが、じゃあカウンタージャングルってどうすればできる?やりやすい環境になる?っていう疑問が生まれます。
基本的に相手の陣地に入るので自分から不利な状況に陥りに行くわけですからかなりリスクある行為に見えますよね。実はこれも解決法が大きく分けて二つあります。
一つ目は"複数人で相手JGに入る"ということです。LOLというゲームは人数差がつくと一気に覆すのが難しいゲームですよね。
スキルやAAの数が人が一人増えるだけで倍になる、戦闘力2倍ですね。c。そこで戦況が一気にひっくり返ることも多々見かけると思います。
つまりレーナーに力を貸してもらうわけです。一緒に相手のJGに入っていく、またはいつでも先によれますよという圧力をかけてもらうことによって相手のJGに入れるようになるというわけです。
もう一つは"視界のコントロールをとって相手のJGの位置を暴いて逆側のJGに入っていく"という方法です。これであればJG同士で戦闘がおこることはないので危険性が低いですよね。
カウンタージャングルのメカニズムについては本当におおざっぱに説明しましたが、結局JGだけではどうしようもない部分も多く、レーナーに手を貸してもらわないと視界のコントロールを行うにしてもクリープを狩りに行くにしても難しいのです。
そこを解決するにはどうするのか、そこにBPの駆け引きのうまさがでてくるわけです。
上記を踏まえて内容を見ていきたいと思います。
試合動画はこちらから
こちらが1試合目のBPとなってます。FOXのBPで考えるべきことは先ほど言いかけましたが問題になるのはどうすればレーナーの力を借りられるか、というところです。
これも簡潔に解決法をいうのであれば"レーンで有利が取れるチャンピオンをピックする"ということです。レーンの1対1、2対2の部分で有利が取れるのであれば相手よりヘルスやマナを多く保っている時間が長く保てるわけですから、もしJG内での戦闘がおきたとしても開始前から差がついているということになります。
さらに言えばウェーブのコントロールも取りやすいことも考えれば先に戦闘によれるのはレーンで有利をとっている側です。ウェーブを押し付けられた側はウェーブをすべてロストしてでも寄るか、味方を犠牲にするかという苦しい選択を強いられます。すなわちFOXとしてはすべてのレーンでカウンターをとりたいわけです。
話がかなり長くなって申し訳ありませんでしたがいよいよ本題に入りたいと思います。
まずFOXのBANを見ると
:EのAoEダメージによりレーンクリアが早く序盤の戦闘でもCCをばらまける、ultで自衛手段も確保(後のタムケンチピックにつながる)
:パッシブのシールドでのダメージ交換がつよい、涙を積んでからのウェーブクリアの速さ
:単純な1v1だと最強クラスでさらにピラーによる分断もありtop jg supのflex pickになる
を消したことによってtier1のJGはになるわけです。この2体、単純に1v1をしてもはのサスティンを打ち消すほどの火力を持っていないですし、加えてCCをかけてもCC無効スキルを使われてしまえばなにもできないです。
加えてのほうがファーム速度が速い(HPが下がるとASが上がる)ですし単純な1v1ではのほうが有利だといえます。JGで有利が取りたい、レーンのピックも隠したいFOXはを最初にとります。
一方でCGはBANでバックラインに直接圧力が出せるを消していることからも分かる通り終盤の集団戦にフォーカスしていることがわかります。なのでというレイトゲームキャリーを先にとります。
そこに対してレーンでは射程の差はあるもののスキルのダメージでついていける、序盤のウェーブクリアの強さやultですぐさま先頭に駆け付けられる、後はCGは残ったを取らされる形になりました。
この時点でMIDは有利、ADC対決では微不利くらいですね。ADCの選択、レーンでの有利やプッシュを考えるだけなら他にもチャンピオンはいましたがをわざわざ選んだことが次のピックに大きな影響を与えました。
この次のBANが重要で、FOXはをBANしました。この2体に共通するのはレーンから圧力をかけられるという点です。次に先にピック出来るのはCGサイドですからサポートでレーン強いチャンピオンをとられてしまうと一気にFOXの狙いが崩れてしまいますからこの2体を消したというわけです。
そしてCGとしてはをBANしたことによりサポートにはあたりしか残っていません。を選択するとultを覚えたタイミングでのbotの集団戦で自信のもろさで押しつぶされる可能性がある。でもよかったですがのWによって序盤のダイブやガンクをかわせる、なによりのultキャッチに対しての回答になっている。つまりこの3体の中ではをピックする確率が一番高いということになります。
そしてまんまとその罠にかかってしまった。確かに安定性という面ではは秀でていますがレーンの強さやガンクのセットアップという面では後れを取ります。
そこをついてFOXが用意していたピックはでした。このチャンピオンはWで回復とダメージを与えることを同時に行えるという非常にレーンで強力なピックになっていますし、アーデントセンサーを積むことができるのでタンクにダメージだしやすい、加えてultによるゾーニングで相手のキャリーにダメージを出しづらくさせることができます。相手の典型的な集団戦構成に対してはがこれ以上ない最適解となりました。
そして残っているtopのなかでゾーニングも強くにも勝てる、それに対してCGとしては集団戦を見据えてタンクでレーンで少しですが有利がとれるをとりました。
ここまでとても長くなりましたがBPの大まかな解説になります。
全体を見るとFOXはTOPでは少し不利を背負っているが大きな差ではない。JGは上記の理由より1v1で勝てる。MIDは序盤レーンの主導権が取れる。BOTはこの二人のハラスがつよいのでいかにといえどレーンは押し込まれる形になる。
ほぼすべてのレーンで有利が取れているFOXとしては当初の予定を完璧に遂行する準備はできました。
後はしっかりゲーム内でJG差をつけられるかどうか。
ゲームが開始されるとまずが相手MIDタワー下にを押し込んで視界を狭めます。そしてその後がを見つけリコールまでさせます。その時点でtopにいる可能性があるのはであり、それを根拠にはを引き連れてtop jg内に侵入することに成功しました。CGもWardで気づきはしましたがレベル1の同数での戦闘は明らかにに分がありますからあきらめてbotから始めざるを得ませんでした。の動きでそれをしっかり確認したはラプター赤バフをゆっくり狩る時間を獲得し、結果としてすべてクリアした段階でレベル2の差をつけてその後も差が埋まらず、レベル差によってJGから常に追い出されはゲームから迫害される形になり、に試合をやりたい放題荒らしまわされる形になってしまいました。
試合動画はこちらから
今度は両者BANを変えました。をBANしてMIDの主導権をとりに行きたいCGの狙いが見えますね。
ただ、ここでFOXのBANを見てみましょう。は先ほどと同じ理由ですがはなぜでしょうか、ところで何かOPチャンピオン空いてませんか。。。
さらにはといったところも空いていますね。
この中でやはり優先度が高いのはですね。そこを当然CGは取らされました。
そうです、取ったのではなく取らされました。思い出してください、当初のFOXの予定はすべてのレーンでカウンターをとること。いましたね、が。のフルバーストを叩き込まれても持ち前のDPSとサスティンでダメージ勝ちできるというところがカウンターとしてよくピックされる要因になっています。
そしてもう一つ空いていたOPのを取ります。この時点でカウンター当てるならあたりになるでしょうか。ただここでとってしまうと構成が限られすぎてしまいますし低レベル帯のレーンから出せる圧力がなさすぎるのでCGとしては1試合目のFOXの戦術を見せられているピックしづらいですね。しかもJGに逃げることも可能ですしね。
そしてCGは残ったOPのを取ります。
との相性は言うまでもないですがに対してピラーで立ち位置をとりづらくする意味もありますし先ほどのようにJG内で1v1で負けるという可能性も低いですしサスティンも高いですから安全にjgを回りやすい。
一見するとメタ内で最強構成を取れているという風に見えます。ただここで一つ問題なのははAoEダメージを出せないので複数いるクリープ(ラプターやゴーレムなど)を狩る速度が遅い、そして今回CGはBlueサイドだったということ。これについては後々解説します。そしてFOXはをとって2回目のBANフェイズへ。
CGとしてはレーンが強いADCを2体BAN、FOXは先ほどと同じ理由でそしてを消しました。
そしてピックしたADCは、最近見かけなくなったが大丈夫かと思うピックですが、このピックはとても大きな役割を果たしました。一つ目はに対して5分以上のレーニングが行えること、もう一つはultのキャッチの恐怖。この脅威がCGのピックを固定させたといえるでしょう。
このピックによりCGはまたしてもを選ばされてしまいました。のWはなど単体CCに対してめっぽう強いわけですが先ほどの試合と同じようにレーンでの有利を明け渡すことになってしまい結果としては相当重いピックになってしまいました。
そしてTOPのピックを考えるわけですが、あくまで集団戦を意識しているCGにとって欠如しているのはエンゲージ手段、MIDとJGはでピラーからのキャッチ程度ですしSUPのは船旅こそあるもののバックラインから挟むのは相当条件が限られます。
なのでTOPに何かしらエンゲージをできるチャンピオンを置きたいと思うのが普通ですよね、あたりで強制的に当たりたい…ですが、その強力な2チャンピオンはすでにBANされてしまっているのです。
仕方なくをとりましたが自分からエンゲージしていくのはあまり得意でないチャンピオンです。
そしてFOXは悠々とをとることができたというわけです。
ここまで見ると本当にFOXのBPの完成度の高さに驚かされてしまいます。一見するとOPチャンプを渡しすぎてこんな最強構成に勝てるのかと思わせるようなピックですが、よくよく見ていけばOPチャンピオンを意図的に開けてそれを取らせた上で相手の選択を縛っている。
気づけばすべてのレーンでカウンターをとり、なおかつ相手から仕掛けられる手段をすべてもぎ取っています。
自分たちが有利になるように誘導していくBPの進め方、1stでのBANが一見するだけだと意味が分かりづらいですが最後までくるとあのときのBANにはこういう意味がって気づくとテンション上がりますよね!!
実際の試合ではどうなったかを見ていきましょう。
BPの話の中でもちらっと触れましたがは複数いるクリープ達を狩るのは得意ではないです。だからこそFOXはをCGにピックさせました。その弱さをつくために。
CGとしてはさっきと同じようにinvadeを許すわけにはいかないのでしっかりとJGの入り口にワードを置きながら相手の動きを警戒しています。特にラプターや赤バフは先ほどとられたキャンプなので注意していたでしょう。
ただ狙いはそこではありませんでした。突然ですがBlueサイドのクリープの配置を思い出してほしいのです。Top側にはグロンプ、青バフ、ウルフ。Bot側にはラプター、赤バフ、ゴーレム。ここで注目してほしいのはクリープの数です。Bot側にはラプター、ゴーレムという群れているクリープが集まっている。一方でTop側はグロンプ、ウルフという数が少ないクリープが集まっている。にとって狩りやすいのはどっちかというのは一目瞭然ですよね。
にBot側のラプター、赤バフ、ゴーレムをHPと時間を大量に使わせながら狩らせて、その間に他すべてのクリープを抑えるというのが作戦です。FOXはすべてのレーンで有利をとっていますから、相手がこちらのJGに入ってきても、レーナー達に対してもらえますよね。なのでFOXはその弱点をつきに相手TOPJGに向かいました。
結果どうなったかというと本当はTop側のクリープを奪い去るだけで終わるはずが、そこで警戒していたCGの面々からkillとのサモナースペルと経験値までも奪いさってしまいました。
top側のクリープを失ったは相手のBot側JGを代わりに取りに行こうとしますが、先ほども言ったようにレーンで圧倒的有利が取れているが寄ってきてしまい逃走するもあえなくデッド、結果としては2分30秒という速さで2デスを喫してしまうことになりFOXの狙いが2回連続でクリティカルヒットする形になったのです。
ECHO FOXとしては自分たちの狙いを最大限生かすために相手のピックを誘導し続けました。とくにをとらせるBPの流れはとてもきれいでしたね。BPはただOPの取り合いをしているわけではないのです。ここで掬い取った両チームの意図も氷山の一角で深いところではもっと多くの駆け引きが張り巡らされています。この記事でほんの少しでもBPへの興味が湧いていただければなぁと思ってます!Game3は力尽きたので今回は割愛させていただきます、申し訳ありません。
ここまでお付き合いいただいてありがとうございました!次はもっと短くまとめられるように努力します()
前回の対談記事から日が浅い+あかさんのSKTの記事で結構お腹いっぱいの皆さんにさらにマクロの記事を載せていく諄さですがお許しください;c;
今回はNALCS3位決定戦のFOX vs CGについてしゃべっていこうと思います。
キャスター達の勝利予想では3-1でCG勝利が二人と3-1でFOX勝利が1人、という内訳でした。
結果から申し上げますと3-0でFOXが3位をもぎ取っていきました。あのTSMを破り100 ThievesとBo5にまでもつれ込んで惜しくも敗北という形でしたがかなり快進撃を繰り広げていたチームです。
そこに反撃の余地を与えないFOXの戦術を深堀していきたいと思います。
実際に試合を見た方は、戦術?ただ序盤に偶然相手のクリープスティールしたりkillとれたりしてごり押ししただけじゃん!って感想を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそこに至るまでにBPからたくさんの駆け引きがあり、そして序盤全員の一つ一つの細やかな動きから成り立っていたんです、と今回はそういった内容になっています。
試合内容に移る前におおまかなFOXの戦法を軽く触れておきたいと思います。
今回は
JG同士で圧倒的な差をつけて金銭差を序盤で作り出す
というものでした。でもそれをするためにはどうすればいいの?金銭差を作り出すためには大きく分けて二つの方法があります。
一つ目は”相手のJGのクリープを狩る、すなわちカウンタージャングルを行うこと”
もう一つは”ガンクやカウンタージャングルの際に相手チャンピオンをKillすること”
Kill時の経験値、ゴールド取得や相手が本来とるはずの資源を奪ってつくはずのない差を生み出すというわけです。
ここでカウンタージャングルという行為がどちらの方法にも登場していますね。なのでこれが重要になってくるわけですが、じゃあカウンタージャングルってどうすればできる?やりやすい環境になる?っていう疑問が生まれます。
基本的に相手の陣地に入るので自分から不利な状況に陥りに行くわけですからかなりリスクある行為に見えますよね。実はこれも解決法が大きく分けて二つあります。
一つ目は"複数人で相手JGに入る"ということです。LOLというゲームは人数差がつくと一気に覆すのが難しいゲームですよね。
スキルやAAの数が人が一人増えるだけで倍になる、戦闘力2倍ですね。c。そこで戦況が一気にひっくり返ることも多々見かけると思います。
つまりレーナーに力を貸してもらうわけです。一緒に相手のJGに入っていく、またはいつでも先によれますよという圧力をかけてもらうことによって相手のJGに入れるようになるというわけです。
もう一つは"視界のコントロールをとって相手のJGの位置を暴いて逆側のJGに入っていく"という方法です。これであればJG同士で戦闘がおこることはないので危険性が低いですよね。
カウンタージャングルのメカニズムについては本当におおざっぱに説明しましたが、結局JGだけではどうしようもない部分も多く、レーナーに手を貸してもらわないと視界のコントロールを行うにしてもクリープを狩りに行くにしても難しいのです。
そこを解決するにはどうするのか、そこにBPの駆け引きのうまさがでてくるわけです。
上記を踏まえて内容を見ていきたいと思います。
Game1
試合動画はこちらから
こちらが1試合目のBPとなってます。FOXのBPで考えるべきことは先ほど言いかけましたが問題になるのはどうすればレーナーの力を借りられるか、というところです。
これも簡潔に解決法をいうのであれば"レーンで有利が取れるチャンピオンをピックする"ということです。レーンの1対1、2対2の部分で有利が取れるのであれば相手よりヘルスやマナを多く保っている時間が長く保てるわけですから、もしJG内での戦闘がおきたとしても開始前から差がついているということになります。
さらに言えばウェーブのコントロールも取りやすいことも考えれば先に戦闘によれるのはレーンで有利をとっている側です。ウェーブを押し付けられた側はウェーブをすべてロストしてでも寄るか、味方を犠牲にするかという苦しい選択を強いられます。すなわちFOXとしてはすべてのレーンでカウンターをとりたいわけです。
話がかなり長くなって申し訳ありませんでしたがいよいよ本題に入りたいと思います。
まずFOXのBANを見ると
:EのAoEダメージによりレーンクリアが早く序盤の戦闘でもCCをばらまける、ultで自衛手段も確保(後のタムケンチピックにつながる)
:パッシブのシールドでのダメージ交換がつよい、涙を積んでからのウェーブクリアの速さ
:単純な1v1だと最強クラスでさらにピラーによる分断もありtop jg supのflex pickになる
を消したことによってtier1のJGはになるわけです。この2体、単純に1v1をしてもはのサスティンを打ち消すほどの火力を持っていないですし、加えてCCをかけてもCC無効スキルを使われてしまえばなにもできないです。
加えてのほうがファーム速度が速い(HPが下がるとASが上がる)ですし単純な1v1ではのほうが有利だといえます。JGで有利が取りたい、レーンのピックも隠したいFOXはを最初にとります。
一方でCGはBANでバックラインに直接圧力が出せるを消していることからも分かる通り終盤の集団戦にフォーカスしていることがわかります。なのでというレイトゲームキャリーを先にとります。
そこに対してレーンでは射程の差はあるもののスキルのダメージでついていける、序盤のウェーブクリアの強さやultですぐさま先頭に駆け付けられる、後はCGは残ったを取らされる形になりました。
この時点でMIDは有利、ADC対決では微不利くらいですね。ADCの選択、レーンでの有利やプッシュを考えるだけなら他にもチャンピオンはいましたがをわざわざ選んだことが次のピックに大きな影響を与えました。
この次のBANが重要で、FOXはをBANしました。この2体に共通するのはレーンから圧力をかけられるという点です。次に先にピック出来るのはCGサイドですからサポートでレーン強いチャンピオンをとられてしまうと一気にFOXの狙いが崩れてしまいますからこの2体を消したというわけです。
そしてCGとしてはをBANしたことによりサポートにはあたりしか残っていません。を選択するとultを覚えたタイミングでのbotの集団戦で自信のもろさで押しつぶされる可能性がある。でもよかったですがのWによって序盤のダイブやガンクをかわせる、なによりのultキャッチに対しての回答になっている。つまりこの3体の中ではをピックする確率が一番高いということになります。
そしてまんまとその罠にかかってしまった。確かに安定性という面ではは秀でていますがレーンの強さやガンクのセットアップという面では後れを取ります。
そこをついてFOXが用意していたピックはでした。このチャンピオンはWで回復とダメージを与えることを同時に行えるという非常にレーンで強力なピックになっていますし、アーデントセンサーを積むことができるのでタンクにダメージだしやすい、加えてultによるゾーニングで相手のキャリーにダメージを出しづらくさせることができます。相手の典型的な集団戦構成に対してはがこれ以上ない最適解となりました。
そして残っているtopのなかでゾーニングも強くにも勝てる、それに対してCGとしては集団戦を見据えてタンクでレーンで少しですが有利がとれるをとりました。
ここまでとても長くなりましたがBPの大まかな解説になります。
全体を見るとFOXはTOPでは少し不利を背負っているが大きな差ではない。JGは上記の理由より1v1で勝てる。MIDは序盤レーンの主導権が取れる。BOTはこの二人のハラスがつよいのでいかにといえどレーンは押し込まれる形になる。
ほぼすべてのレーンで有利が取れているFOXとしては当初の予定を完璧に遂行する準備はできました。
後はしっかりゲーム内でJG差をつけられるかどうか。
ゲームが開始されるとまずが相手MIDタワー下にを押し込んで視界を狭めます。そしてその後がを見つけリコールまでさせます。その時点でtopにいる可能性があるのはであり、それを根拠にはを引き連れてtop jg内に侵入することに成功しました。CGもWardで気づきはしましたがレベル1の同数での戦闘は明らかにに分がありますからあきらめてbotから始めざるを得ませんでした。の動きでそれをしっかり確認したはラプター赤バフをゆっくり狩る時間を獲得し、結果としてすべてクリアした段階でレベル2の差をつけてその後も差が埋まらず、レベル差によってJGから常に追い出されはゲームから迫害される形になり、に試合をやりたい放題荒らしまわされる形になってしまいました。
Game2
試合動画はこちらから
今度は両者BANを変えました。をBANしてMIDの主導権をとりに行きたいCGの狙いが見えますね。
ただ、ここでFOXのBANを見てみましょう。は先ほどと同じ理由ですがはなぜでしょうか、ところで何かOPチャンピオン空いてませんか。。。
さらにはといったところも空いていますね。
この中でやはり優先度が高いのはですね。そこを当然CGは取らされました。
そうです、取ったのではなく取らされました。思い出してください、当初のFOXの予定はすべてのレーンでカウンターをとること。いましたね、が。のフルバーストを叩き込まれても持ち前のDPSとサスティンでダメージ勝ちできるというところがカウンターとしてよくピックされる要因になっています。
そしてもう一つ空いていたOPのを取ります。この時点でカウンター当てるならあたりになるでしょうか。ただここでとってしまうと構成が限られすぎてしまいますし低レベル帯のレーンから出せる圧力がなさすぎるのでCGとしては1試合目のFOXの戦術を見せられているピックしづらいですね。しかもJGに逃げることも可能ですしね。
そしてCGは残ったOPのを取ります。
との相性は言うまでもないですがに対してピラーで立ち位置をとりづらくする意味もありますし先ほどのようにJG内で1v1で負けるという可能性も低いですしサスティンも高いですから安全にjgを回りやすい。
一見するとメタ内で最強構成を取れているという風に見えます。ただここで一つ問題なのははAoEダメージを出せないので複数いるクリープ(ラプターやゴーレムなど)を狩る速度が遅い、そして今回CGはBlueサイドだったということ。これについては後々解説します。そしてFOXはをとって2回目のBANフェイズへ。
CGとしてはレーンが強いADCを2体BAN、FOXは先ほどと同じ理由でそしてを消しました。
そしてピックしたADCは、最近見かけなくなったが大丈夫かと思うピックですが、このピックはとても大きな役割を果たしました。一つ目はに対して5分以上のレーニングが行えること、もう一つはultのキャッチの恐怖。この脅威がCGのピックを固定させたといえるでしょう。
このピックによりCGはまたしてもを選ばされてしまいました。のWはなど単体CCに対してめっぽう強いわけですが先ほどの試合と同じようにレーンでの有利を明け渡すことになってしまい結果としては相当重いピックになってしまいました。
そしてTOPのピックを考えるわけですが、あくまで集団戦を意識しているCGにとって欠如しているのはエンゲージ手段、MIDとJGはでピラーからのキャッチ程度ですしSUPのは船旅こそあるもののバックラインから挟むのは相当条件が限られます。
なのでTOPに何かしらエンゲージをできるチャンピオンを置きたいと思うのが普通ですよね、あたりで強制的に当たりたい…ですが、その強力な2チャンピオンはすでにBANされてしまっているのです。
仕方なくをとりましたが自分からエンゲージしていくのはあまり得意でないチャンピオンです。
そしてFOXは悠々とをとることができたというわけです。
ここまで見ると本当にFOXのBPの完成度の高さに驚かされてしまいます。一見するとOPチャンプを渡しすぎてこんな最強構成に勝てるのかと思わせるようなピックですが、よくよく見ていけばOPチャンピオンを意図的に開けてそれを取らせた上で相手の選択を縛っている。
気づけばすべてのレーンでカウンターをとり、なおかつ相手から仕掛けられる手段をすべてもぎ取っています。
自分たちが有利になるように誘導していくBPの進め方、1stでのBANが一見するだけだと意味が分かりづらいですが最後までくるとあのときのBANにはこういう意味がって気づくとテンション上がりますよね!!
実際の試合ではどうなったかを見ていきましょう。
BPの話の中でもちらっと触れましたがは複数いるクリープ達を狩るのは得意ではないです。だからこそFOXはをCGにピックさせました。その弱さをつくために。
CGとしてはさっきと同じようにinvadeを許すわけにはいかないのでしっかりとJGの入り口にワードを置きながら相手の動きを警戒しています。特にラプターや赤バフは先ほどとられたキャンプなので注意していたでしょう。
ただ狙いはそこではありませんでした。突然ですがBlueサイドのクリープの配置を思い出してほしいのです。Top側にはグロンプ、青バフ、ウルフ。Bot側にはラプター、赤バフ、ゴーレム。ここで注目してほしいのはクリープの数です。Bot側にはラプター、ゴーレムという群れているクリープが集まっている。一方でTop側はグロンプ、ウルフという数が少ないクリープが集まっている。にとって狩りやすいのはどっちかというのは一目瞭然ですよね。
にBot側のラプター、赤バフ、ゴーレムをHPと時間を大量に使わせながら狩らせて、その間に他すべてのクリープを抑えるというのが作戦です。FOXはすべてのレーンで有利をとっていますから、相手がこちらのJGに入ってきても、レーナー達に対してもらえますよね。なのでFOXはその弱点をつきに相手TOPJGに向かいました。
結果どうなったかというと本当はTop側のクリープを奪い去るだけで終わるはずが、そこで警戒していたCGの面々からkillとのサモナースペルと経験値までも奪いさってしまいました。
top側のクリープを失ったは相手のBot側JGを代わりに取りに行こうとしますが、先ほども言ったようにレーンで圧倒的有利が取れているが寄ってきてしまい逃走するもあえなくデッド、結果としては2分30秒という速さで2デスを喫してしまうことになりFOXの狙いが2回連続でクリティカルヒットする形になったのです。
まとめ
ECHO FOXとしては自分たちの狙いを最大限生かすために相手のピックを誘導し続けました。とくにをとらせるBPの流れはとてもきれいでしたね。BPはただOPの取り合いをしているわけではないのです。ここで掬い取った両チームの意図も氷山の一角で深いところではもっと多くの駆け引きが張り巡らされています。この記事でほんの少しでもBPへの興味が湧いていただければなぁと思ってます!Game3は力尽きたので今回は割愛させていただきます、申し訳ありません。
ここまでお付き合いいただいてありがとうございました!次はもっと短くまとめられるように努力します()