パッチ9.3感想 「帰ってきた」クリティカルアイテムたち

February 7, 2019 by lol-cla管理人, Patch 9.3

クリティカル関係の調整、OPチャンピオンの消滅など
こんにちは。
旧正月でアジアの競技シーンはお休みな今週ですが、そんな中とんでもないパッチがリリースされました。

パッチ9.3では「あの」パッチ8.11で大幅に変更されたクリティカル関係のアイテムがほぼ巻き戻し状態になりました。

BotレーンでADCがピックされなくなり、レーナーの呼称がADCからBotに変更になるなど大きな影響を及ぼした変更でしたが、今回のパッチである意味なかったことになりました。

私のパッチノートでのキレ味に期待してらっしゃる読者の方も少なからずいるようなので始めに言っておきたいのですが、このこと自体を私は批判する気はありません。

PvPのゲームは絶えず調整を行っていく必要がありますし(ユーザーの飽き防止やメタの変化などを受けての調整が不可欠ですからね)、半年という長い期間をかけて、やっぱりクリティカルダメージの一部を確定ダメージに変換するインフィニティエッジは弱いな、という結論に至ったわけです。

この結論が得られたことが今回の変更の最大の収穫です。

プロプレイヤーからしてみれば、やりたくもないスウェインやブラッドミアを練習させられ、時にはスターターから外されたりと、実害が大きかった変更だったことは否めませんが、またADCがキャリーするメタもめぐってくることでしょう。

それがこのパッチで来るかはまた別の話ですが。

もう1点今回のパッチでは、Worldsから春節前のプロシーンで猛威を振るってきた各種チャンピオンが大幅なナーフを受けました。

これはRiotの説明によれば、強すぎる個性を取り除いて新たな個性を加える作業の過程で今持っている個性を取り除いて対処する、ということです。

これは事実上のチャンピオンの一時的な削除といってもいいくらいの調整なので、こちらに関しては大変遺憾です。
なるべく早く調整をして復活させてあげてほしいですね。

さて、では個別に見ていきましょう。




おかえり、インフィニティエッジ


遂にインフィニティエッジが帰ってきました。

いやもちろんインフィニティエッジという名前のアイテムはサモナーズリフトには存在していたんですが、3つ目のアイテム、かつ正直いって消去法的に選ばれるアイテムだったわけです。

一方新しいは2ndあたりに完成させたときの強さがかなり増強されました。

まあ御託はいいので実際の数値を見てみましょう。
チャンピオンの基礎攻撃力が90で、などジール系アイテムを1つ完成させた時のダメージ比較になります。

なので旧IEのほうが攻撃力は10低く、クリティカル率は10%高くなっています。

物理防御60というのは何も防具を買っていない想定の数値です。

そこから100、150は防具を1つ、2つ積んでいった状態を想像していただけば分かりやすいかと思います。



・・・・我々はRiotに騙されていたのです。
いままでインフィニティエッジだと思って3400g払っていたこの金ぴかの武器はただのおもちゃでした。

これはルーンテラのバナメイエビ事件ですよ。いやバナメイエビもおいしいですが、きちんとバナメイエビと書いて売ってほしいですよね?

こんな悪趣味な歯ブラシみたいなやつをインフィニティエッジとして売らないでほしいですよ、ほんとに。

ただでさえ新IE、いや真IEのほうが強いのに、アジリティクロークが復活したことによって、合計金額は変わらないものの、合成費が425gと大幅に下がりました。

偽物時代は合成のために1225gもの大金を用意しなければならず、(これは1本分に近い金額です)それもIEの弱さに拍車をかけていました。

ゴールドを途中でスタッツに変換できる機会が設けられた、この金銭的なロスが小さく済むわけです。

さて、いままでよりも使い勝手がよく、序盤からパワーを発揮しやすくなった(ぶっちゃけタンクのいないサモリフなら後半でも新しいほうが強い)のは十分伝わったと思うので、次に付随して浮上しそうなアイテムについても考えてみましょう。

まず、ラストウィスパー系ですね。

進化前のラストウィスパーは、パッチ9.2までとてつもなく金銭効率の悪いアイテムだったうえ、防御を削ったところで、確定ダメージを与えるというバナメイエビの固有能力とややアンチシナジーのような関係性にありました。

先ほどの表でわかる通り、新しいインフィニティエッジは相手の防御力が低いほど真価を発揮するので、はバフが入ったことを除いても重要度があがりました。

相手にタンクがいるなら3つ目のアイテム候補にあがると思います。

次に忍者足袋です。

忍者足袋は通常攻撃のダメージを12%カットする効果がありますが、これは旧の確定ダメージには適用されませんでした。

一方新に対してはその性能を100%発揮できるわけです。

ただでさえマークスマン同士の殴り合いで超強いアイテムだったので、今後はさらに採用率があがりそうです。

最後にビルドパスについても考えてみましょう。

公式のパッチノートには、のようなビルドがおすすめとありましたが、正直これはあまり強くないと思います。

以前のようにB.F.ソードにラッシュしたあとに、スタティック・シヴやラピットファイアカノンを作って、それからインフィニティエッジを完成させるのが良いでしょう。

ジール系は自身を含めて完成形が100~200g値下げされていて、クリティカル率のスタッツは5%ほど低下しているにしてもお買い得といえるでしょう。

特にスタティック・シブは攻撃速度の面でバフが入っており、非常にコストパフォーマンスに優れるアイテムだな、という印象です。

3つ目以降のアイテムに関してはシチュエーションによると思います。
堅い敵が多ければ系統、2つ目のジール系アイテム、相性のよさそうなチャンピオンなら新ストームレイザーといったところでしょうか。

ちょうど話題も出たことですし、以外のリメイクされたアイテムたちを見ていきましょう。




リメイクされたアイテムたち




ストームレイザー


3100g +850g
攻撃力+55  攻撃速度+25%

新固有能力 ストーム
移動と通常攻撃でエネルギー充填スタックが増加します。スタック数が100になると、次の通常攻撃命中時に65の追加魔法ダメージを与え、ターゲットに1秒かけて減衰する40%のスロウ効果を与えます

他のエネルギー充填状態の効果が30%向上し、さらにターゲットに1秒かけて減衰する40%のスロウ効果を与えるようになります


まず一番最初に書いておきたいのですが、これは初手に買うアイテムではありません。

いままでほとんどのクリティカル系ADCがこのアイテムを初手に買っていましたが、いまは相性のいいチャンピオンがたまーーーーーにゲーム後半で買うアイテムになったという認識でいればいいとおもいます。

金銭効率が全てではないですが、素材で得られるスタッツが攻撃力+50、攻撃速度+15%なので、850g払って合成しても攻撃力+5、攻撃速度+10%しか強化されていないことになります。

ぶっちゃけめちゃくちゃ弱いアイテムなんですが、固有能力のストームはスタティック・シブやラピットファイアキャノンなどのエネルギー系の効果を増幅させます。

それ以外にもフリートフットワークの回復量も増加するので、これらの3つを全て持っている状況で、物理防御貫通が必要なさそうなときに買ってようやく価値あるアイテムになるかな、という印象です。

基礎攻撃速度が低いため2つのジール系アイテムを揃えたいケイトリンなどは相性が良さそうですね。


エッセンスリーバー


3200g +425g
攻撃力+60 クールダウン短縮+20% クリティカル率25%
通常攻撃で減少マナの1.5%を還元


正直言って評価が難しいアイテムです。

金銭効率は悪くありませんし、クリティカル率がついているためユーティリティ性能(CCやエンゲージ能力などダメージを出すこと以外の性能のことです)をもったクリティカル系ADC、具体的にはザヤやシヴィアで採用されそうな性能に戻りました。

ただ素材が弱すぎること、インフィニティエッジと比べて20も攻撃力が低い点は気になります。

ユーティリティ系のチャンピオンはアルティメットを覚えたあたりから活躍が見込めるわけですが、その時持っている攻撃力あがるアイテムがピッケルやコーフィールド・ウォーハンマーなのはやや不満です。

以前はクリティカル率でクールダウン短縮が最大30%までスケールしていたんですがそれも削除されたので、というビルドも旨味がやや薄れました。

もちろん完成したときの強さは間違いないので、ぜひ初手に買って試してみたいアイテムです。(これは感想文なので、あくまで読んだだけの感想にとどめておきます)


ファントムダンサー


2600g +700g
攻撃速度+30% クリティカル率+25%
固有能力 幽霊のワルツ
チャンピオンを攻撃すると2秒間ユニットをすり抜けられるようになり、移動速度が7%上昇する
新固有能力 ライフライン
体力が30%未満になるダメージを受ける際に、最大240~600(チャンピオンレベル9~18)の耐久値を持つシールドを2秒間獲得するクールダウン90秒)

元々対アサシンなどに採用されていたファントムダンサーですが、より特化した能力を得ることになりました。

パッチノートの説明文にあるようにヘクスドリンカーなどをわざわざ買う必要がなくなったわけですが、注意すべき点があります。

固有能力の名前が「ライフライン」なので、同名の固有能力を持つと両立できなくなってしまったのです。

のライフラインは時間が2秒で追加効果は無しです。

マルモティウスの胃袋は魔法ダメージ限定ですが5秒と長く、攻撃力上昇とライフスティールとスペルヴァンプがつきます。

ステラックの篭手は効果時間が4秒弱で、行動阻害耐性がつきます。

つまりはライフラインの中で最低の性能というわけです。

アサシンが育っているときのクリティカル系ADCが買う分にはなにも迷う必要はないですしかなり強いと思いますが、
例えばヤスオで買う場合は、で得られるはずだった行動阻害耐性を付けるために靴をにしたり、を初手に買うように変えるとか多少の工夫がいるでしょう。

実は今回、ジール系はファントムダンサーだけが100g、他は200g値引きになっていて、が全て同じ2600gに統一されています。

なのでフラットな気持ちで自分のビルドの完成形や他のチャンピオンとの相性関係を考えながら進化先を選ぶようにしましょう。


ショウジンの矛


3400g +950g
体力+250 攻撃力+60 クールダウン短縮+20%
固有能力 目覚めし巨竜
アルティメットスキル使用後、次の通常攻撃で「目覚めし巨竜」(攻撃速度50%増加、通常攻撃で通常スキルの残りのクールダウン20%解消。有効時間6秒)を付与する


の固有能力を受け継いだアイテムです。

そもそもはトップレーンでピックされるスキルファイター系のチャンピオンに最適な性能でしたが、彼らの多くはマナを持たない、もしくは必要としていなかったため、マナのスタッツ、回復能力の部分が丸々無駄になってしまい持ちづらい、という矛盾を抱えていました。

それをリメイクしたのがこのショウジンの矛というわけですね。

近い役割を持つアイテムとしてブラッククリーバーがありますが、それよりも400g高く、素材も若干弱いです。

それでも完成した場合のパワーはかなり高く、AAキャンセルを出来たり、複数回AAが出るスキルを持ったチャンピオン、たとえばレネクトンやシヴァーナ、リヴェンなどで持つと非常に強力でしょう。

またブラッククリーバーは相手の防御力を削るという固有能力が、この手のチャンピオンに良く採用される征服者と相性関係が悪かったので、その点でも待望のアイテムがきたといえるでしょう。




チャンピオンお別れ会


さてここからはナーフを受けたチャンピオンたちを見ていきましょう。
今回バフされたチャンピオンはなんといません!


エイトロックス


レベル1での体力自動回復とレベルアップ時の体力自動回復が増えました

E影進撃
自動効果 チャンピオン以外にダメージを与えた時に体力を回復しなくなりました
発動効果 チャージを溜められなくなりました。クールダウンが長くなりました


はQのダーキンブレードをスイートスポットに当てることがプレイする上で重要で、それを助けてくれるのが最大2回までチャージされるEの影進撃だったわけです。

この変更でがチャージできなくなったので、レベル13以降クールダウンを大量に積み終えてから、ようやく今までと同等以下の性能を発揮できるようになりました。

あと、回復効果が削除されたのでジャングルは物理的に回れなくなりました。

ラーストもこれには苦笑いですわ。

さようなら新エイトロックス(8.13~9.3)


アカリ


レベル1時の体力自動回復が増加しました

Q五連苦無
180以上気があるときにあった回復効果が削除されました

W黄昏の帳
タワーによって可視化されるようになりました
クールダウンが高ランク時で延長されました


この調整を見た時、正直目を疑いましたね。

既にソロQレベルだとミッドレーンではプレイできないほどの弱さでしたが、(Championggの統計だとパッチ9.2の時点で勝率がトップで46%、ミッドで44%)これはもうゲームにならないレベルで弱くされたとおもいます。

新しいアカリのスキルセットは強力すぎて、プロが悪用することは目に見えていましたよね。

私はこのチャンピオンが好きなので(初めて課金したときの理由が旧ブラッドムーン・アカリが欲しかったからですし)本当に悲しいです。

さようなら新アカリ(8.15~9.3)


イレリア


レベルアップごとの体力上昇量が増えました
レベル1時点での物理防御力が増えました

固有スキル アイオニアの熱情
スタック上限が4→5になりました
スタック増加ごとに発生する追加ダメージがなくなり、代わりに攻撃速度があがるようになりました
最大スタック時には逆に追加ダメージを得るようになりました

Q 瞬刃
ミニオンへの追加ダメージが増えました

W 不屈の舞
物理ダメージのカット率が40→50%に、魔法ダメージのカット率が40→0%に

E 無欠の連舞
当たり判定が分かりやすくなりました


Riotはこのチャンピオンを何としてもトップで使ってほしいようです。

固有能力の変更は総ダメージ量に大きく影響するので、個人的にはナーフだな、と感じています。

結局のところ、いまのイレリアが強いか弱いかはよくわかりませんが、9.2の変更とあわせて新イレリアの魅力は根こそぎ奪われたな、という気持ちです。

出し殻のお茶っぱを料理に使えますよって言われても、私はお茶が飲みたいのです。

さようなら新イレリア(8.7~9.3)


その他のチャンピオン



リメイクチャンピオンたちの悲しい末路を書いていたら辛い気持ちになってきたので、残りは一言ずつ触れていきます。

カミールはもうjgを回るのは厳しいでしょう。
スカトルの確保にかなり時間を取られるようになりました。大人しくトップで使ったほうがいいと思います。

カシオペアは9.2まではBAN枠常連でしたが、サモナーズリフトに降り立つことなく直接ベンチ送りになりそうです。
とにかくとんでもない量のダメージナーフなので、使い物にならないでしょう。

リサンドラはレーンでのマナの厳しさ、イニシエーターとしての性能面での低下と、求められている役割を果たせなくなりかねないナーフです。
まだピックはされると思いますが、このゲームはなんでこんなにイニシエーターを嫌うんでしょうね。みんなは集団戦が見たいんじゃないのかな?

ゾーイとエズリアルでポークをするゲームが我々の望んでいるものだとおもっておいでですか?

サイオンはもうレーンで偉そうな態度とれませんね。
QもWもナーフが大きすぎます。個人的にはWの自動効果を元に戻せばいいじゃないかって思うんですけどねえ。
こいつ使うならポッピーのほうがマシな気がします。

ザイラもかなりダメージ量が削られました。頻繁に発生するダメージ源が一律で4~9ダメージ減るというのはかなり大きいです。




おわりに



いかがだったでしょうか。

シャットダウンゴールドの仕様変更はいいですね。そもそもファームで賞金がつくのをなくして欲しいという気持ちしかないですが。

とにかく春のナーフ祭りってパッチでしたが、クリティカル系の変更でどんなマークスマンが伸びてくるか、ビルドが開発されていくかは注視していきたいです。

毎週の無料チャンピオン紹介でも、しっかりと反映させていく予定なのでそちらの記事もよろしくお願います。

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を失って心のかかった黄昏の帳が少しは晴れると思います。