パッチ9.16感想 新生パンテオン降臨

August 14, 2019 by lol-cla管理人, Patch 9.16

パンテオンのリメイクや各種ソロレーナーのバフなど
こんにちは。
今回もパッチノート感想文やっていこうと思います。

本パッチの目玉はやはりパンテオンのリメイクでしょうね。

Qがスキルショットに代わったりEをしながらちょっと動けるようになったりと現代風のスキルセットに変更されました。
これは詳しく見ていこうとおもいます。

あとは競技シーンにフォーカスを置いた調整ですね。
この時期は競技シーン向けの調整が多くなるのはある程度仕方ないです。(世界大会で使うパッチが目前に迫ってますからね)

このパッチも各地域のプレーオフで採用されることになりそうなので、その視点も少し加えながら見ていければなと思います。

あと今回はバフ、ナーフの大きさによって調整項目を4段階に評価し、それぞれ分けて紹介していきます。

いつもABC順でやってますからね、味変ってやつです。

こうすることで今回のパッチ全体でどのレーンが強化され、どのレーンが弱体化したのかも分かりやすくなりと思います。

それではパンテオンのリメイクから見ていきましょう。




よりサポーティブになった新パンテオン


新しくなったパンテオンですが、正直言ってかなり原型を残したリメイクになりました。
ただ、冒頭でも触れたようにスキルセットが現代風にリアレンジされています。

スキルの詳細の前にまずはレベル1のステータスから見ていきましょう。

ステータスは序盤偏重型



ヘルス     580(高め)
体力自動回復  10(全チャンプ中1位)
マナ      317
マナ自動回復  7.4(低め)
攻撃力     64(高め)
攻撃速度    0.644(平均より高め)
物理防御    40(高め)
魔法防御    32.1(平均的)
射程      175
移動速度    355(全チャンプ中1位)


マナと射程に関してはスキルセットによるので順位は割愛しましたが、その他の基礎ステータスはかなり高めになっています。

中でも移動速度355はレベルで移動速度の上がるチャンピオンを除けば、蜘蛛状態のエリスやマスターイーと並ぶ全チャンピオン最速で、ジャングルキャンプを回る速度や、アルティメットスキル偉大なる星路と合わせたロームの強さをより際立たせています。

レベル1のステータスはダリウスとかなり似ています。

ダリウスはヘルス582、体力自動回復10、物理防御39、魔法防御32.1、攻撃力64なので、素のフィジカル面は彼とほぼ同等と言えるでしょう。

一方で魔法防御以外のステータスの伸び率はかなり悪く、ほとんどの初期ステータスが平均以上なのにもかかわらずレベル18時のステータスだと全チャンピオンの平均値くらいに順位を落ちてしまいます。
実際レベル1でほぼステータスが互角なダリウスと比べると、

レベル18 パンテオン
ヘルス2195 体力自動回復21.1 攻撃力120.1 物理防御103.8 魔法防御 53.4

レベル18 ダリウス 
ヘルス2282.2 体力自動回復26.2 攻撃力149 物理防御107 魔法防御53.4

と大きく水をあけられてしまいます。

このあと紹介するスキルセットでも話しますが、かなり増加攻撃力反映率が高めになっているので、序盤はステータスの高さでリードを奪って、アイテムを先行することでパワーを保っていく、といったチャンピオン設計になっています。

なので、ジャングルでピックするにせよ、レーンでピックするにせよ、積極的にガンク、ロームを決めてお金を集めていく必要があるでしょう。


レートは大きいがハイブリットな反映率を持つスキル群


ここからはスキルセットの紹介です。

固有能力は定命の意志。
通常攻撃かスキルを使用するごとに1つスタックを得、5つスタックが溜まると次に使うQ、W、Eのスキルが強化されるというもの。

リメイク前にはスタックが溜まると通常攻撃かタワーを無効化できるシールドを得るという防御的な効果でしたが、より攻撃的な効果にリメイクされました。

Qは彗星の槍。
溜めスキルで溜めているかいないかで効果が変わるスキルです。
溜めないときは指定方向に槍を突き出してダメージを与えるスキルで、クールダウンが溜めたときと比べて半減します。

溜めた場合は槍を投げつけるスキルに変化します。Qを押している間に射程が伸びていき、最終的には溜めないときの2倍弱の射程になります。
ヒットした全ての敵にダメージを与えますが、槍が2体以上に当たった場合、2体目以降へのダメージは半減します。

溜めていないときは複数体に当たった時もダメージが減少しないので、あたるなら溜めずに打つ方がクールダウン的にもダメージ的にもお得です。

ただし、溜めたときは体力が25%以下の敵に対して2倍のダメージを与えるというボーナスが付きます。

この2倍というのは本当に2倍で、スキルランクが1のときQは75+(1.0増加攻撃力)のダメージなのですが、体力25%以下の敵に当たった場合、150+(2.0増加攻撃力)というとんでもないダメージを与えるようになります。

固有能力・定命の意志でスキルが強化されている場合、さらにパンテオン自身のチャンピオンレベルに応じた追加ダメージとスローを与えるのですが、この追加ダメージにも1.0の増加攻撃力倍率がついてるので、

強化Q1発で最大3.0もの増加攻撃力倍率が乗ることになります。


Wは跳撃の盾。
指定した敵ユニットに飛びついて盾で殴りつけ、スタンさせるスキルです。
スタン時間はスキルランク1から1秒でスキルランクでスケールしません。

リメイク前と動き的にはほとんど変わっていませんが、定命の意志でパワーアップしたときは非常に攻撃的な性能に変貌します。

スタン後素早く3回通常攻撃を行うようになるのですが、この3回の通常攻撃はダメージこそ半減するものの、実際3回通常攻撃をした扱いになるので、ルインドキングブレードのようなon-hit effectも3回発動しますし、プレスアタックや征服者のようなスタックも3つとして換算されます。

なにより自身の固有能力のスタックも溜まるので、強化W→AA+なにかスキル1つで、次のスキルを強化版で撃つことができるようになるわけです。

特別な事情がなければこのスキルを強化版で使っていくのが基本になりそうです。


Eはイージスの猛攻。
前方に盾を構えながら1.5秒間槍をメッタ突きするスキル。
盾を構えている方からの攻撃に対して無敵になり、タワーや敵チャンピオンの攻撃も防ぐことができます。

さて、このスキルに関して、いまからややこしい話をします。
この無敵というのは、盾を構えているほうに発生源があれば、そのダメージをすべて無効化するという効果です。

実際にどっちの方向から攻撃が飛んでくるかではなく、スキルを使ったチャンピオン、ペットをコントロールしているチャンピオンがどっちの方向にいるかが大切なのです。

具体的には、イラオイやハイマーディンガーのほうに盾を向けてさえいれば、それらの触手やタレットで後ろから殴られてもダメージを無効化することが出来ます。

このスキルでややこしいのは盾の仕様だけではありません。
槍を突き出しているときのダメージは、1.5秒かけて1.0攻撃力、基礎ダメージなしと非常に低くなっています。

実はスキルランクを上げて上がるダメージは、槍を突き終わったあとに盾で殴りつける部分にあります。

しかもこのシールドスラムが55/105/155/205/255+(1.5増加攻撃力)という高いダメージを持っています。

ただパンテオン自身のWのスタンは1秒、Eの持続時間は1.5秒とどうやっても盾の攻撃まで相手をCCで固めておくことはできないので、E中動けるようになったことを利用して、最後のシールドスラムを当てにいくことが大切になってきます。

状況によってはフラッシュでこれを当てにいくのも有りかもしれませんね。
Eのスキルチップに効果時間が可視化されているので、ゲージが無くなるのを見計らってフラッシュしてシールドバッシュまでしっかりいれることが出来れば、かなりのダメージが期待できるでしょう。

強化版は無敵時間が1秒延びるサポーティブな動きをする場合に役立つといえるでしょう。
ダメージも1.66倍になるので、悪くありませんが、DPSは上がっていないのでダメージだけを望む場合は別のスキルに回したほうが無難です。

アルティメットスキルは偉大なる星路。
以前は真上から落ちてきていましたが、斜めにスライドするようにして入ってくるスキルに変更されました。非常にかっこいいです。

ダメージはこのスキルだけ魔法ダメージで、範囲の端にいくほどダメージは減っていきます。
以前の通り、対戦相手は見てから範囲外に逃げることができますし、使う側も使われる側もそこまでフィーリングは変わっていないと思います。

ただし発動後は固有能力のスタックが5つ溜まった状態になるので、飛んできてすぐに強化スキルを使うことができる点は強力ですね。


新パンテオンの現状の評価


新パンテオンはQやEにのった大きな増加攻撃力反映率を見るとキヤナ同様スノーボールが得意なアサシンのように見えますが、実はちょっと事情が違います。

最近リリースされたチャンピオンとしては珍しく、WとRには攻撃力反映率がついておらず、大きな魔力反映率が設けられたハイブリットなチャンピオンになっているからです。

育ってADビルドを進んだとしてもダメージが上がるのがQと当てづらいEのシールドスラム部分のみ、というのがパンテオンのキャリー力を抑えていると言えるでしょう。

ただ、グローバルアルティメット+移動速度355という組み合わせはマップカバー能力という意味では破格中の破格で、Eのシールド性能のことも考えるとジャングルかミッドでピックして少し固めにしつつユーティリティ性能を高める、というのが現状一番彼の性能を活かせるのかな、という印象です。

アイテムでいえばブラック・クリーバー、タイタン・ハイドラ、ステラックの篭手、ナイトエッジ、ショウジンの矛といったあたりでしょうか。

ただ前述の通り基礎攻撃力の伸びがわるいのでステラックの篭手は若干相性が悪いですね。

ハイブリットな部分を活かすならヘクステック・ガンブレードでしょうが、合計魔力反映率が2.0あるとはいえ当てにくいRが含まれているので、効果的なビルドかと言われると微妙なところです。

ルーンは、征服者、プレスアタック、アフターショック、電撃、魂の収穫、フェイズラッシュとどれも面白そうです。




大きなナーフを受けたチャンピオンたち


ここからは個別の調整について見ていきましょう。まずは千の風になった、いや大きなナーフを受けてしまったチャンピオンたちについてです。


コーキ


・基本攻撃力が5減少
・レベルアップごとの攻撃力上昇が0.5低下


めまいがするほどのナーフです。

金銭面でいえばロングソード半分、175gの借金を抱えてスタートするようなものです。

攻撃力が5減るのがどれくらいかというと、コーキは今週から全ての対面がフィズになったようなもんですよ。
全ての通常攻撃のダメージが5減るわけですからね。

確かに競技シーン的にはコーキは安全なピックになりすぎていた嫌いはありましたが、今回バーストが出そうなチャンピオンたちをバフしたわけですし、それらがカウンターとして機能するかどうかを見届けてからのナーフでもよかったんじゃないですかね。

そもそも5大リーグでのパッチ9.15のコーキはPB率が65.3%、勝率は47.4%と優秀ですがここまでするほどの成績を残せていないんですよね・・・。

ちなみに今回ナーフを免れたチャンピオンの中に、コーキよりPB率高いチャンピオンいるんですよ。
アカリ(83%)とエイトロックス(93%!!!!)とグラガス(71%)っていう。

近年は競技シーンのレベルが著しく上がった結果、調整班を追い越してメタピックが見つかるという事象がよく起きていますが、今回もそんな感じです。

だいたい9.15のプロの試合が始まる前にPBEに調整上がってるんですから。

そもそもコーキ自体はパッチ8.24以降8か月にわたってバフされてこなかったのに何でプロシーンで安定ピックにのし上がったのか、とか話始めると記事が1本かけてしまうので止めておきますが、相変わらずメタを考えず数値だけを見たナーフだとおもいます。


エズリアル


・Qミスティックショット 魔力反映率が低下
・Eアーケインシフト クールダウンが低ランク時に延長


Eのクールダウンが最大6秒も伸びました。

いくらクールダウンの軽減があるとはいえ、スキルランク1で25秒のクールダウンはやり過ぎな気がします。

コーキのWよりもクールダウンが長いアーケインシフトなんて見たくなかった。
モバイルADCという看板は取り下げるしかないですね。

Qのナーフは3つ目にルーデンエコーを買うビルドに対するナーフです。
これを買うことでバーストが上がるだけでなく、ポーク力やウェーブクリア力まで向上していたので、こちらは悪くないナーフかなとおもいます。


リヴェン


・Q折れた翼 クールダウンが全ランク共通に(元のランク1相当)


9.10でEのナーフをしたときにお詫びでついてきたQのCD改善がほぼ撤回された形になりました。

これでパッチ9.9のときのリヴェンと比べるとQはCDが一律1秒短くなり、Eは全ランクでCDが4秒伸びたことになります。

スキルを回しながらスタック管理するチャンピオンなのでかなり大きなナーフですね。
正直このチャンピオンはいまの征服者の仕様と相性が良すぎるので、調整が難しいと思います。

まあ今回の調整で相当弱くなったのは間違いないです。


セジュアニ


・固有能力・極北の激憤 物理防御、魔法防御の固定値が低下、増加防御力倍率が上昇
・Q猪突凍進 クールダウンが延長(ランク1で3秒、ランク5で1秒)


以下パッチノートより抜粋。
9.13で弱体化を施したにもかかわらず、セジュアニはここのところプロシーンで圧倒的な活躍を続けています。そこで、彼女のパワーを大幅に低下させることにしました。

そりゃ、まともなエンゲージjgがジャーバンIVとセジュアニしかいないんだからそうなるでしょw

まあ前半部分はともかく、彼女のパワーが大幅に低下したのは本当です。
序盤のQのCD3秒延長も、固有能力のナーフも特大です。

またサモナーズリフトから貴重なエンゲージ要因が一人、姿を消すことになりそうです。

固有能力のナーフは特に大きく、増加防御力の倍率が0.1しか上がっていないのに固定値が10も下がっているので、100AR、100MR積んではじめて9.15と同じくらいになります。

そのころにはゲーム終わっとるわ。


タム・ケンチ


・移動速度が低下
・Eゆるゆる皮膜 効果時間が低下


Riotはタム・ケンチをどうしたいんですか?

このチャンピオンはタンクサポートのはずなのに、hotfixで雑にハラス性能とダメージ面が強化したせいで勝率が伸びてしまった。

で、そしたら今度はタンクやユーティリティ性能のほうをナーフするんですか?

Riotはプレイヤーがなんでタム・ケンチをプレイするのかって考えたことあるんですかね。
別にかわいい女の子チャンプを5秒に1回ペロペロしたいから使ってるわけじゃないんですよ、多分。

ガリオの時もそうでした。
強い部分を削って弱くするのは簡単ですが、それが面白さやコンセプトとトレードされてしまうと、本末転倒だとは思いませんか。

それを調整と呼んでいいものなのか、私には分かりません。

ガリオほど致命的ではないと思いますが、本パッチで一番つまらない項目は間違いなくここですね。


ユーミ


・Qきまぐれミサイル 強化されたダメージが高ランク時に低下
スロー効果が低ランク時に低下
スローの効果時間が全ランクで一定に(前パッチのランク3相当)
クールダウンが低ランク時に延長


Qによるハラス能力が低下しました。
特にランク1のスローは40%→20%と半減しており、クールダウンが延長したこともあいまって序盤のハラス性能がかなり低下しました。

ダメージのほうもランク2から10ずつ下がっていき、最終的には50も低下しているので大幅なパワーダウンというほかありません。

ソロQ的にはかなりピックしづらくなったかなという印象です。

ただし、プロではピックされ続けると思います。

イレリアやブラッドミアといったダイバーに憑依して、ステータス水増し+Eによる2回の回復による補助が出来る、というプロで重宝されている部分に関しては今回メスが入っていないからです。

とはいえレーニング性能が落ちたのは確かで、バン漏れはするようになるかもしれません。(9.15ではほとんどの試合でバンされています。5大リーグでの統計ではピック13回、バン56回、PB率95.8%)


ビスケットデリバリー


・貰えるビスケットの数が減少
・配られる時間がいままでよりも早く
・体力、マナ回復量が減少
・回復速度が上昇
・最大マナ上昇量が増加


この天啓ルーンも他の天啓ルーンと同じで金銭効率的にみると馬鹿げた効果だったわけですが、ついに天誅されました。
相当弱くなったので、よほどの理由がなければ選ばないほうがいいかもですね。



すこしのナーフで済んだチャンピオンたち


ここからは比較的マシなナーフで済んだチャンピオンたちです。
お墓に入るほどじゃあありません。


アジール


・Q征服の勅命 高ランク時にクールダウンが延長


最大で2秒クールダウンが延長されました。
最近アジールはクールダウンを30~40%積むビルドが主流なので、40%、ランク5で比較すると
3秒→4.2秒となり、まあそこそこ痛いものの終盤で見るとそれほど大きなナーフにはなっていないとおもいます。

アイテムが揃うまでの時間帯にガンク回避にQEを使ったりする場面やウェーブクリア能力の面では影響を受けそうかなという感じです。


シヴィア


跳刃 低ランク時にダメージが低下


シヴィアは強力です――ユーミとの組み合わせは“特に”強力と言えます。

え?そうなの?
じゃあガレンもナーフしなきゃだね!ユーミとのコンビで勝率100%だもん。

愛玩動物を「だし」にするのはSNSでもよく見る卑劣なメソッドなのでどうかと思いますが、
シヴィアはサポートなんて関係なく、ずっとソロQの勝率上位に君臨していたのでナーフされること自体は理解できます。

序盤のウェーブクリア能力がかなり削られたので、レベル2先行やタワープレートを狙う動きがかなりやりづらくなったと思います。

プロシーンだとこのナーフの影響はソロQ以上に大きそうです。

比較的安全ピックだったシヴィアに加え、エズリアル、そしてユーティリティADCとして価値の高かったアッシュ、ヴァルスの保護者的存在だったタム・ケンチと重要なチャンピオンがこのパッチでまとめてナーフを受けたので、
ADCを取ること自体が結構なリスクを抱えることになります。

ザヤ・ラカン、カイ=サ・ノーチラスといった現行パッチでもよく見る組み合わせは健在ですが、それ以外のプールがかなり狭くなったので、隙間を埋めるようにブラッドミアやシンドラ、タリヤ、果てにはヤスオのようなミッドレーンのチャンピオンたちがボットへと流入してくる魑魅魍魎のサバイバルが始まりそうです。


サイラス


・Q鎖の鞭 爆発のダメージが中立モンスターに対してダメージが低下するように
・R乗っ取り カルマのRWをつかったときに回復しないバグを修正


ジャングルを回るのが厳しくなる調整です。

プロシーン的にはサイラスがジャングルでも運用できるというのが、ドラフト面で強力すぎました。

これでサイラスを早い順番で取ったチームはレネクトンなどのADチャンピオンをぶつけられるリスクが上がったので、いい調整かなと思います。

ソロQ的には選択肢が減っただけなので詰まらなくなる方向の調整ですが仕方ないですね。




ちょっとしたバフの入ったチャンピオンたち


ここからは明るい話題、バフの時間です。


フィオラ


・Eブレードワーク クールダウンが低ランクで短縮、攻撃速度増加がスキルランクで上昇


このバフ自体はフィオラをプレイする上で、少しの上乗せに過ぎないと思います。

攻撃速度上昇も90%と一見大きな数値が踊っていますが、これはE使用後の2回の通常攻撃にしか反映されませんからね。

ただ、既にフィオラは十分に強くバフが必要なチャンピオンではない、というのが私の認識だったので、ここにきての追いバフははっきり言って過剰だと思います。

レイトのファイターを強くして意地でもタンクをメタに上げたくないというRiotの強い意志を感じますね!・・・・あれ?


ジャックス


・Qリープストライク 低ランク時のクールダウンが低減


ダメージトレードやガンク回避と様々な場面で使えるQのCDが低減されたので、非常にレーン運営が楽になりました。
痒い所に手が届いた感じの調整ですね。

で、このチャンピオンもフィオラと一緒で、既につよいんですよね。
難しさ故に勝率が低めなフィオラはまだしも、こいつは9.15時点でも勝率5割超えてたんですよ。

Riotくんのこと数字しか読めないってバカにしてすいませんでした。数字も読めてませんでした。
お詫びして訂正させていただきます。


ルブラン


・Qシジルマリス 魔力反映率が増加


おじいちゃん、前回のパッチでルブランバフしたでしょ!
ほんのりのバフですが、実は9.6で入ったこのナーフでプロシーンでの採用率が下がったという背景があるので、

ルブランには“平均的なスキル帯のプレイヤーにも活用できる手段”で強化できるだけの余地があります。そこで、今年初めの9.6で行った弱体化を巻き戻すことにしました。


メカニクスを要求されるチャンピオンを、平均的なプレイヤーベースで調整したらゲームバランスが壊れるっていうのはライズやアジールで散々体験してきたことなのに、こういう詭弁はやめてくださいよ・・・・

プロレベルの話にしたってコーキ、アジールをナーフしたならこっちは据え置きにして様子を見ればよかったのに。


ラックス


・Wプリズムバリア 基礎シールド量が高ランク時に増加


往復シールド量は9.14のナーフ前と比べて、ランク1では50、ランク5では30の差に収まりました。

APレートは9.14以前と比べて増加していますし、瞬間のシールド量に関しては本パッチのほうが猛威を振るった頃よりも上がっています。(効果時間は0.5秒短くなりましたが)

悪くないメカニズムだった復路のシールド量倍増を削除して、結果面白みがなくただ強いシールドが残りましたね。よく出来ました!


ノクターン


・基礎ステータスの調整(基礎物理防御が2上昇。他は誤差レベルではあるものの微増)
・W漆黒の帳 増加攻撃速度が上昇


物理防御があがり、Wの自動効果による攻撃速度上昇がアップと序盤のジャングリングがかなり楽になる変更です。

競技シーン的にもノクターンが上がってくると他のバックラインに飛び込む系のチャンピオンやそれを補助できるチャンピオンたちが息を吹き返すので、いい調整かなと思います。


シンジド


・基礎ステータスの調整(基礎マナが40増加など)
・R狂人のポーション ランク2,3で上昇するステータスが増加


苦手だったレンジチャンピオンが序盤のステータス面のナーフを受けて少し立場がよくなっていたシンジドですが、今度は本人がかなり大きめのバフを受けました。

基礎マナのバフは序盤を、Rのバフは序盤中盤を支えてくれるため、全ての時間帯に効いてくるバフになっています。


サイオン


・基礎ステータスの調整(本当に微調整)
・Q破滅の斧 最小ダメージが10増加、最大ダメージも同様に10増加
破滅の斧がモンスター相手にダメージ減少しないように


元々Wの変更以降ジャングルサイオンの可能性は論じられていましたが、今回のバフで本格的にピック、研究が進んでもおかしくないですね。

レーンで見ても純然たるバフですが、タンクはレーンで生きていけない運命にあるのでどうですかね。




大きなバフを受けたチャンピオンたち


おいおい、ここまででも十分大きなバフだったじゃないか?そうは思ってないですか?
私もそう思うんですけど、もっとデカいバフを受けたチャンピオンたちがいるんですよ、驚くべきことに。


ドクター・ムンド


・Wバーニングペイン 行動妨害耐性がスキルランクに関わらず30%
・Eマゾヒズム スキルランクによってクールダウンが短縮するように


目を疑うくらいの大型バフが来ました。

Wは基本最後に上げるスキルだったので、チャンピオンレベルが18になるまで単に行動妨害耐性が上昇したのと同じですし、Eのクールダウンが短縮していくことで今まで以上に中盤でダメージを出せるようになりました。

いまムンドをバフする意図はなんとなく読み取れます。

ボットレーンでADCが減るような調整をしたので、当然シンドラみたいなメイジボットが増える→それに対してムンドを出してカウンターしてね、ということでしょう。

ただ、シーズン9はタワープレートがあるので、ケネンやニーコといったレンジチャンピオンがADビルドにしてムンドのお家(タワー)から屋根瓦(タワープレート)を剥がしてくるのが目に見えてるんですよね。

それに加えて、メタにいるガングプランク、今回バフされたジャックス、フィオラといったスケールするファイター陣、回復を阻害してくるクレッドとあまりにも天敵が多すぎる環境です。

ドクター・ムンド単体で見れば、かなり強くなりましたが、メタに戻ってくるかと言われると首を横に振らざるを得ないでしょう。


エコー


・Eフェイズダイブ 追加ダメージが全ランクで増加
クロノブレイク ランク2、ランク3のクールダウンが短縮


低レベル時からのダメージがあがり、中盤以降はアルティメットスキルの回転率がかなり上がりました。
ランク2で10秒、ランク3では20秒の短縮になったので、40%クールダウン化では30秒に1回使えるようになりました。

このチャンピオンのRは疑似的なテレポートとしても活用できます。
クールダウンが大幅に短縮したことで、レーン復帰にRを使ったとしても、すぐにRがアップするので、今までより安全にスプリットプッシュを行いやすくなりました。

使用率が低かっただけで、バフ前から勝率5割を越していたチャンピオンですし、プロシーンでもJiizuke以外がピックする日も近そうです。

ダイブ、スプリットが得意ということで、このパッチでバフされたノクターンとの組み合わせは見てみたいですね。



カサディン


・Wネザーブレード 追加ダメージが増加


スキルランク1からダメージが30増えました。


シェン


・Q護刃招来 使用後3回までの通常攻撃に乗る追加ダメージが増加
・E殺気駆け 基礎物理ダメージが上昇


Q使用後の追加ダメージは対象の最大体力に応じた割合ダメージなのですが、今回のバフで一律1%上昇しました。
かつてはコグ=マウ、最近ではアーゴットの調整でもありましたが、頻繁に発生する体力割合ダメージというのは1%が大きな違いになります。

Qだけでも大きなバフなのですが、Eの基礎ダメージが全ランクで10増加しているので、E→Q→AA×3というシェンの基本コンボで与えられるダメージがかなり増加しました。

プロ的にはサポートで試すチームは当然出てきそうですし、クレッドなどのAAダメージが高いチャンピオンへのカウンターで用意するなんて場面も出てくるかもしれません。


シンドラ


・Qダークスフィア スキルランクが5になったときのチャンピオンへの追加ダメージが増加
・E闇の波動 全ランクでダメージが増加


Qのバフは魔力を無視して基礎ダメージだけで計算しても23のバフになります。
Eは全ランクで15もダメージが伸びました。
つまりレベル9のバーストが最低でも40近くあがったことになります。

あと、私がおじいちゃんじゃなければ、パッチ9.15でもシンドラはダメージ関係のバフを貰ってるんですよね。
ちなみに9.13でもマナ関係のバフを貰ってます。

どんだけバフされんのよ・・・。バフがゲシュタルト崩壊してきたわ。

通常攻撃の射程が550と長いため、ボットレーンでの採用もしやすく競技シーンで間違いなく彼女の顔を頻繁に見ることになるでしょう。



ジグス


・Wエンジニアボム 魔力反映率が上昇 クールダウンが短縮
・Rメガインフェルノボム ランク2、3でクールダウンが短縮


シンドラとかカサディンとかバカみたいな調整の影にかくれていますが、なんならこのジグスの調整が一番大きなバフかもしれません。

Wは魔力反映率が0.15上がっただけでなく、クールダウンがランク1時に4秒も短縮され20秒になりました。

「あの」リーグを代表する超高機動イケメンADCであるエズリアル君のブリンクスキル、アーケインシフトのクールダウンが25秒ということを考えると、いかにこのバフが大きなものかお判りでしょう。

Rのクールダウンもかなり短くなったので、サイドレーンのウェーブをクリアしやすくなってピックしやすさは増したと思います。

ミッドもそうですが、以前のようにボットレーンでピックするプロチームが出てきそうですね。



おわりに


いかがだったでしょうか。

ミッドレーンのバーストが出るチャンプのバフ、レイトゲームのファイターのバフ、ボットレーンの安全なチャンピオンのナーフ、とかなりRiotの調整の意図が伝わってくるパッチでしたね。

ノクターン、エコーあたりのバフはゲームがポジティブに動いていきそうな変更なのでこの2体には期待しています。

競技シーン的には長く使われるパッチなので、パッチの中でもメタが遷移していくことになると思います。
見る分には楽しみですね。

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