パッチ9.17感想 2体の小リメイクとボットレーンの調整

August 29, 2019 by lol-cla管理人, Patch 9.17

オレリオン・ソル、ケイルの変更やボットレーン向けの調整
こんにちは。
今週もやってまいりましたパッチノート感想文のお時間です。

大型パッチの後に小型パッチありということで、この9.17は前回の9.16と比べると半分以下の変更量になっています。

しかし、オレリオン・ソル、ケイルには小規模のリメイクレベルの変更が入っていますし、ボットレーンに主眼を置いた変更もかなり大きく、一つひとつの内容は濃い口かなと思います。


あとアーリのセクシーなスキンが出たりね。


うむ。



今回は調整内容をいくつかのカテゴリーに分けてみました。
まずは小規模リメイクが入った2チャンピオンから見ていきましょう。



小規模リメイクが入ったチャンピオンたち



オレリオン・ソル


固有能力 宇宙の中心 星の与える基本ダメージが全レベル帯で低下、魔力反映率はレベルに寄らず一定に(変更前のレベル8相当)
スキル詠唱を止める行動阻害で宇宙の中心の星が無効化されなくなった

Q星の胎動 クールダウンがスキルランクで短縮するように(10秒→11秒~7秒)
発動時の増加移動速度が増加
オレリオン・ソルの移動速度が星の核より速かった場合、星の核もソルに合わせて移動速度が上がるようになった

W星域拡大 星の軌道が広がりきったときに星のダメージが増加し、周回速度が増加する。(周回速度は徐々にもとに戻る)発動から3秒経つか、早めに再発動した場合、星の周回軌道が収縮し、オレリオン・ソルの移動速度が1.5秒かけて40%増加する
クールダウンが低ランク時は延長、高ランク時には短縮
消費マナは発動時に一括で支払われるように(変更前は発動時+発動秒数毎のマナがかかっていた。3秒展開した場合の消費マナは以前よりも低下)

E伝説の彗星 自動効果の一定方向に進んだ時の移動速度上昇効果は削除
発動効果の射程が全ランクで増加、クールダウンは全ランクで延長、発動時の移動速度がスキルランクによって上昇するように

かなりプレイ感が変わりました。

Wが持続しなくなったのでDPSという面では下がりましたが、発動時の周回速度アップのおかげで瞬間火力があがり、さらに効果終了後の移動速度上昇のおかげでカイトも行いやすくなりました。

上の説明には公式パッチノートに書いてあるように「早めに再発動した場合」と書きましたが、実は2.9秒継続してから再発動しても移動速度上昇が得られます。

この移動速度上昇が1.5秒持続でWのランク5時のクールダウンが2秒なので、レベル9以降のオレリオン・ソルはほぼ常時移動速度上昇を得ることができるようになります。

このWの出し入れをしながらカイトするのが新オレリオン・ソルの戦い方になりそうです。
CCに対しても強くなったので、以前よりも弱点が減って戦いやすい環境が増えたと思います。

Q星の胎動の弾を宇宙ワンちゃんが追い抜かなくなったのは、QoL的にいい変更だと思いますが、ここ最近このスキルはバフされ過ぎですし、今回も移動速度とクールダウンというかなり美味しい部分にバフが来てるので、ちょっと強すぎるスキルになっている可能性があります。

Eの伝説の彗星の自動効果が消えたのは、おそらくWに移動速度上昇をつけたので、残して置くと中盤以降キップを切られてしまうくらいの移動速度になってしまうのを防止するためでしょう。

発動効果の射程は大幅に伸びました。

ランク1で5500という射程はツイステッドフェイトのRタム・ケンチのランク2Rと同じで、ミッドのサイドブッシュから、サイドレーンのリバーブッシュくらいまでの距離を移動することが出来ます。



マップで見るとこれくらいですね。

リメイク全体をみた感想としては、プレイヤーが新しいソルに慣れれば、かなり活躍しそうだな、という印象です。

序盤こそ少し弱くなったものの、中盤以降はWキャンセルとEによってマップ全体をカバーできます。

ただその分消費マナがかさむので、アークエンジェルスタッフをコアビルドにするようになるかもしれません。


ケイル


固有能力 聖なる上昇 
レベル1~5時、崇高状態になったときの移動速度上昇が、移動方向問わず8%に(以前は敵に向かって移動するときのみ移動速度15%上昇だった)
タワーなど建造物への攻撃でもスタックを得られるように

レベル6で遠距離攻撃チャンピオンに変化するようになった
通常攻撃の射程は25減少

レベル11で崇高状態時、通常攻撃で波状の炎を放つように。固有能力のスタックによる攻撃速度上昇が10%にならないように(レベル1時の1スタックあたり6%のままということ。フルスタック時では50%→30%のナーフ)

レベル16で射程が575まで上昇するように(変更前とトータルで25射程が伸びた)
波状の炎が確定ダメージを与えないように

Q裁きの射光 発射時のディレイが短縮、詠唱時間が通常攻撃の間隔だったものが一定時間に
弾速が遅くなり、射程がすこし短くなった
命中したチャンピオン1体につきスキルのマナコストの50%が還元されるように
当たった対象に対する物理・魔法防御低減効果が低下、効果時間は延長
至近距離でQをヒットさせた場合に貫通後の射程が短くなるバグを修正

E星炎の刃 追加魔法ダメージの減少体力割合が低下、魔力反映率が魔力100につき1%だったのが魔力50につき1%に変更(ほとんどのシチュエーションでダメージは前より低くなった)
通常攻撃時の追加ダメージが合計攻撃力×0.1+魔力×0.2→増加攻撃力×0.1+魔力×0.25に変更

R聖なる審判 マナコストがランクによって低下するように(ランク3時は0マナに)
攻撃範囲が拡大

パッチノートを読んでも固有能力がどう変化したか分からない人がほとんどだったんじゃないでしょうか。
ということで精いっぱい噛み砕いて書き直してみました。

一番大きな変更はいままではレベル6で崇高状態時になったときにウェーブ攻撃が発動して、レベル11で遠距離攻撃チャンピオンに変形していたのが、
本パッチからは、レベル6で遠距離攻撃チャンピオンに変形し、レベル11からウェーブ攻撃を出せるようになった、という感じです。

レベル1時の固有能力の移動速度上昇が全方向になったことやレベル6で遠距離攻撃化するようになったことでかなり序盤からレーニングが楽になった一方で、レベル16での確定ダメージを中心にスケーリング面での性能はかなり落とされてしまいました。

通常攻撃の射程が伸びたり、Rのバフが入ったりと集団戦での立ち回り性能は向上しているので、積極的にチームファイトに参加してくれという意図を感じ取れる調整になっています。

建物でスタックが溜まるようになったかわりに攻撃速度上昇がナーフされた部分も、スケーリングを抑えるだけでなく、スプリットプッシャーとして強くなりすぎないようにという配慮でしょう。

Qにマナ還元が付きましたが、弾速がかなり落ちていて、至近はともかく最大射程で当てるのは難しそうです。

こちらはオレリオン・ソルと違って、かなり弱めにリリースしてきたなという印象です。

まあケイルはスキルセット的に強すぎると不快感が高いので致し方ないですが、もう少し終盤のスケーリングは良くしてもいいかなぁと個人的には思います。




ボットレーンのアッパー調整について


最初に書いておきますが、9.15~16で行われているプロシーンのボットレーンでは、①ザヤ・ラカン、②カイ=サ・ノーチラスの2組が支配的なピックになっています。(もちろん多少の組み合わせ違いはありますが)

これらのチャンピオンをナーフせずに対抗馬を作り出したいというのが今回のバフの理由だと思います。
なぜナーフしないかというとこの2組はメイジボットがあふれ出す寸前のところで踏ん張っているボットレーンの要石だからなのです。

これらのパワーを下げずにカウンターチャンピオンをバフするという形でメタを動かそうということですね。

ただしバフ対象になった一部のチャンピオンについては、絶対的な強さについて何も考えてない調整でもあります。


カリスタ


・基礎攻撃力が増加
・基礎マナが増加
・レベルアップごとのマナ増加量が上昇


基礎ステータス周りの大きめのバフが来ました。

マナ面のバフはQによるハラスの頻度上昇につながりますし、ただでさえ高いレーニング性能がさらに強化された形です。

ノーチラスやスレッシュ、アリスターといったいまピックされがちなエンゲージサポートと相性がいいチャンピオンですし、プロのピックも増えそうです。

ただ自衛能力はそこまで高くなく、集団戦指向が高く、終盤スケーリングがいいわけでもないという性能がメタにマッチしているかは正直微妙なところです。

速いゲーム展開を好むLEC、ロングファイトを好むLPLのチームなんかは好きそうなピックですね。


レオナ


・Qシールド・オブ・デイブレイクのクールダウンが短縮


3.2%→6.1%→7.5%

この数字は、パッチ9.14から9.16までの競技シーンの試合でのレオナのB/P率の変化を表しています。
15以降は各国プレーオフに入っているのでサンプル数が減っているのもありますが、それにしても順調にピック率を伸ばしているんですね。

そしてソロQの勝率は9.16の時点で約52%あり、サポート全体で3位でした。

はぁ。

ほぼ全てのプレイヤーがレオナのこれ以上のバフを望んでいなかったはずです。

たしかにレオナはラカンのカウンターですが、相方のザヤにはレオナのRが当たりません。

その関係で、いくらこのチャンピオンをバフしてもプロ的にはある程度のリスクをもったピックであり続けるんです。

このバフはプロの環境を動かす以上にソロQの環境を破壊するでしょう。

ただでさえサポートにはソロQ的にマストBANなパイクが据え置かれているというのに・・・。



ルシアン


・基礎攻撃力が3上昇しました


壊れた土台の上に増築を繰り返すようなバフですね。
いまのサモナーズリフトはゲーム開始から1時間経ったジェンガのようなものです。

Rのバフの時点で正直やり過ぎだったのに、さらに基礎ステータスのバフがきました。

基礎攻撃力が64というのは、レンジだとグレイブス、キンドレッドといったジャングラーに続く第3位で、リヴェンやパンテオンと同じ数値になります。

人は銃で撃たれたら死ぬからね、仕方ないね。

まあ確かにこのバフでザヤとかカイ=サに対してレーンでプレッシャーを与えることは出来るでしょうね。

というかバフ前でも十分プレッシャー与えられるんですけどね。

それよりもルシアンというチャンピオンが単体で強くなりすぎたので、プロはトップレーンやミッドレーンでのピックを考え始めるでしょうね。

トップならクインやADケネン、ジェイスといったピックの代替になりそうです。
ちなみにクイン、ケネン、ジェイスの基礎攻撃力はそれぞれ59、48、54です。

ミッドでもサイラスやキヤナといった物理ダメージに弱いチャンピオンに対して出すことが検討されそうです。

ねこばばとの相性も抜群ですからね。元々ソロレーン向けの性能ではあります。


ところでRのバフ以降それほど勝率上がってないじゃないですか。

なんでだと思います?Riotの人もご存じないのかな?
Rや固有能力のダメージを簡単に半減してくるカウンターチャンピオンがいるんですよ。
サポートで勝率3位のやつなんですけど。

ヒントはマウスホイールをちょっと上の方に転がすとみられますよ。
まあ勝率3位のチャンピオンがさらにバフされることはまずあり得ないですし、今回でルシアンの勝率は爆増間違いなしですね!


ザイラ


・R茨のゆりかご スキルランクに関係なく消費マナが一定に、クールダウンが全ランクで短縮


かなり大きいバフです。アルティメットのクールダウンが一律20秒短くなったので、エンゲージ、ディスエンゲージともに強力になりました。

チャンピオン性能自体はかなり高い水準にあると思いますし、ソロQでは対面を選べばかなり活躍できると思います。

プロだとダメージメインのメイジサポートをピックすること自体が大きなリスクになるので、出てくる可能性は現時点だと低いかな、と思います。


ソラカ


・R星に願いを ソラカの体力が40%未満の時に、回復量が増加していなかった不具合が修正


パッチノート本文では触れられていなかったのですが、かなり重要なバグ修正なのでピックアップして載せておきます。
ソラカは前パッチで大きめなバフを受けていますし、このバグ修正でさらにティアを上げてきそうです。




その他のチャンピオン調整



ガリオ


・マナ自動回復量が増加
・Q戦の旋風 クールダウンが低ランク時に低減
・Wデュランドの守り 最小ダメージが全ランク10~30増加(最大ダメージは全ランクで30~90増加)


誰も使いたがらない調整をされてから雑にバフされ続けているガリオに今回も特大のバフが来ました。
実に空虚ですね。このチャンピオンの項目を見ているとき、故人を思い出すような感情に襲われます。

数値だけ見るとかなりOPだと思いますし、実際特定のマッチアップならカウンターピックとして成立するのかもしれません。

ただいまのままのスキルセットでガリオが強くなってピック率が上がったとしても、調整班がいい仕事をした、と私が口にすることは決してないでしょう。


ニーコ


・固有能力 駆け巡る色彩 擬態中、自身を選択することで擬態を解除できる。解除後固有能力は2秒間のクールダウンに入る


いままではスキルを打ったり、ダメージを食らったりしないと擬態が解除できなかったので、いい変更ですね。
バフとかではないですが、QoLの向上につながると思います。


パンテオン


・Q彗星の槍 ショートチャージ時にも体力が25%以下の対象への追加ダメージが発生するように
・Eイージスの猛攻 非エピックモンスターに対してダメージが低下しなくなった


Eの調整はジャングル向けでまあいいとして、せっかくQを溜めるか溜めないかの駆け引きをつくったのに、たったの1パッチで消すんですか。

この変更でQを溜めたときは射程が伸びる代わりに、クールダウンが2倍になって貫通したときにダメージペナルティがつくだけになりました。

ショートチャージのQはユニット貫通してもダメージ減衰しないので、瀕死の相手にミニオンウェーブ越しに簡単に2倍のダメージ与えられるようになりました。

この変更に関するパッチノートの見解は以下の通りだそうです。

ここにQの突きのダメージの変更を合わせたとしても、新しいパンテオンに慣れるのに苦労しているプレイヤーの手助けとなるだけで、全体的なパワーバランスに大きな違いは生まれないはずです。

ちなみにパッチ9.17初日、トップパンテオンの勝率は9.16と比べて4%近く上がりました。

慣れてないプレイヤーの手助け、効いてるな?ちなみにピック率は下がりました。


キヤナ


・E俊烈 基礎ダメージが全ランク一律10低下
・R天賦絢爛 クールダウンがスキルレベルにかかわらず一定に(前パッチのランク1相当)


それなりに大きなナーフです。
レベル6時のバーストは落ちましたし、Rはランク3時は40秒もクールダウンが伸びました。

ただキヤナはスキルセット、スケーリング部分が強力なチャンピオンで、今回の調整くらいではプロシーンではメタの中心に残れるでしょう。

偶発的な戦闘が多いソロQではRのクールダウンのナーフが響きそうで、プロシーンよりは評価が落ちそうです。


ライズ


・基礎魔法防御が4上昇


ライズの弱点のひとつはスキルレベルが上がってウェーブクリアが安定するまでの時間帯のレーニングで、今回の基礎ステータスバフは弱点を補う彼にとっていいバフになっているとおもいます。

このチャンピオンはパワーを得すぎるとトップレーンでデカい顔をして対面を青ざめさせ始めるので、今回の魔法防御のバフというのは絶妙な線をついてきたなという印象です。



おわりに


いかがだったでしょうか。

比較的小型のパッチでしたし、さくっと読める分量にまとまりました。

どのレーンもアッパー調整で、プールが広くてカウンターを取れるプレイヤーが有利なメタになってきているなという印象は前パッチからあって、このパッチもボットレーンを中心にその流れを引き継いでいると思います。

エイトロックスとアカリという2大問題児に関してはPBEで調整の出し入れをしているみたいですね。

Worldsパッチの1つ前までには調整を終えておきたいはずですし、次パッチあたりで変更がくるんでしょうかね。

面白かったらシェア等お願いします。あと外部サイトでも記事を書いているのでそちらもよろしくお願いします。