LJL観戦メモ2022Spring Day5

February 23, 2022 by lol-cla管理人, Patch 12.3

DFMを追いかける2位グループの争いが激化

CrestGamingAct vs SoftbankHawksGaming





SHGはBlank、DasheRの両エースがセットで動け、それをMarbleが補助する構成。
一方CGAは4体の中盤強いチャンピオンで凌いでHybridのジンクスに終盤キャリーさせる構成。
先行したいのはSHG、長引かせたいのがCGAという構図だ。

ヘラルドファイトでは先に触ったCGAをSHGが上手く分断する形をとれ、CGAのコミュニケーションエラーもありDasheRがファーストブラッドを獲得する。
しかし直後に不用意にドラゴンにタッチしたBlankをCGAがキャッチし、Hybridのブラインドへのアルティメットスナイプが決まってキル。
お互い育つべき選手にキルが入りあう展開になった。

28分にはCGAがSHGのリコールタイミングを突いてフリーでバロンを獲得する。
ボットレーンにグレイブスが顔を出して、相手がバロン周りの視界を消しているという状況だったので、近くにいたMarbleは最低でも青トリンケットでバロンピットを確認できたはず。
おそらく次のローテーションなどを話し合っていたのだとおもうが、もったいないシーンだった。

バロンを獲得されたたことよりも、それによって試合時間が伸びることがSHGにとって問題で、ジンクスとジンのスケール差がどんどん開いていきそのままCGAがゲームに勝利した。

SHGはまさかの5連敗。問題点はいろいろあるが、勝ちにいくレーンがミッドしかないのが作戦の幅を狭めている。
現代LoLでは1レーンしか主張がないチームが安定して勝つのは難しく、ルーキーのMarbleに背負わせるのが重いなら、Kinatuにキャリーポテンシャルのあるピックを渡すシーンも見てみたい。

CGAは2勝目。LCK時代からリソースを集めてもらったときのHybridはリーグ屈指のキャリー力でLJLでもその力を遺憾無く発揮している。
表のMVPがHybridなら影のMVPはKaito。再三ミッド周辺でプレッシャーを受けながらも安定したレーニングをしてDasheRのスノーボールを防いでいた。



Detonation Focus Me vs V3 esports





DFMはややAP過多な構成だが、トップ、ミッドはガンク回避性能が高く、スケールも互角かDFM側のほうが有利、ボットレーンもDFMのほうがスケーリングするゼリを持っているため、V3としては序盤にプッシュ力に課題のあるゼリを狙ってつぶし、パワースパイクの差でリードを広げていきたいというドラフトになった。

しかしレベル3でへカリムがトップガンクを選択したことで逆サイドにいたStealのボットガンクが成功、hetelのフラッシュを取ってから即座にトライブッシュからのフラッシュインでキルまでつなげた一連の動きが見事で、V3のプランを崩壊させた。

ボットレーンでのレベル6オールインにしても、その後のヘラルドファイトにしてもDFMは自分たちが得意な距離の近い戦いをしかけていて、V3はジンの「終演 -フィナーレ-」が活きない戦いを強いられてしまった。

その後もDFMは順調にスノーボールをしていき、23分28秒と今季最短の試合時間でDFMが完勝を収めた。
戦前からV3が苦しい戦いになることが予想されたマッチアップだったが、チャンピオンプール、ミクロ、マクロ、あらゆる面でDFMに圧殺されてしまった試合だった。

DFMは盤石の5連勝。Stealのパフォーマンスは今季キャリアハイといっていいレベルで、毎試合彼の話を書いている気がする。

V3は5連敗。この試合に関しては相手が悪かったと思って割り切るしかないが、この内容の試合が続くと選手の成長より、メンタル面が耐えられるか少し心配だ。
純日本人チームを貫くにしても昨シーズンの所属選手でいえばAceやcogcogなど若手たちのリーダーになれるベテランプレイヤーがいたら・・・と思ってしまう。



SengokuGaming vs RascalJester





3勝1敗で2位につけているチーム同士の注目の一戦。
SGのTopスマイトルルに対してRJはしっかりとトップサイドのインベード対策をして1キル拾ってからのゲームスタートとなった。
Topスマイトには最初の数ウェーブはレーンにいるタイプと最初からずっとロームするタイプがあって、今回は後者になった。

この作戦の場合、ミッド以外のレーンはまともなゲームにならないので仕掛けられたRJ側にとって重要になるのはトップのスケーリング性能になる。
仕掛けたSG側はTopのリソースをJgが吸うことになるので、対面のJgに対するリソース差とボットダイブで稼いだADCのリードで逃げ切るのが理想の作戦。

実際ゲーム時間15分過ぎでタワープレートを9枚割って2コア完成のInoと、対面に2レベルと50CS差をつけてにリードしているOnceというドラフト時点での予想通りの構図が出来上がった。

17分前後のミッドタワー、3体目のドラゴンをめぐっての長いファイトがターニングポイントで、ボリベアを徹底的にフォーカスし戦闘から除外したSGのプランが非常に良かった。
ボリベアは先述の通り、ダブルスマイトのせいでリソースを削られているため倒しやすく、ボリベアが削れてしまうとベイガーやグウェンといったゾーニングを得意とするチャンピオンたちが本領を発揮できない。

このファイトで3つめのドラゴンを獲得、さらにOnce、Honeyにまとまったゴールドが入ったことで一気にSGにゲームが傾きそのままゲームに勝利した。

SGは4勝1敗。2位同士の直接対決を制して1敗ラインを死守。きっちりTopスマイト戦術をやり切ったことやOnce、Honeyらの活躍が目立った試合だったが、Topが実質いない分のフロントラインの役割をきっちりこなしたJettのサイラスのパフォーマンスも素晴らしかった。
2試合連続でのこのパフォーマンスは今後対戦相手のバンピック戦略にも影響を及ぼしてきそうだ。

RJは敗れて3勝2敗。ミッドレーンの集団戦に付き合わず、その後見せたようなグウェンのスプリットプッシュを主軸にマクロを組み立てていれば・・・という惜しいゲームだった。
ボット中心のチームなだけにパッチ12.4になるまではこの手のチーズ戦略を受ける可能性が高く、ハードスケジュールの中でしっかり対応できるかも注目だ。



AXIZ vs BurningCore





AXIZは5試合中3試合でTopスマイトを採用している。新人のYellowYoshiにあまりレーニングをさせないというチームの選択なのだろうが、完全に警戒されていてBCもTopをラストピックまで保留している。
ジェイスは対Topスマイトとして考えると特別有効なチャンピオンではないが、AXZの構成はエンゲージ力に安定感がないのでビクターと一緒にポークできるジェイス、というチョイスになったのだろう。

AXZは精霊の旅路とポータルワープを使ったボットダイブ狙いが明白な構成だが、BCは4分、7分のボットダイブにきっちりと対応し、逆に3キルを獲得。その後も順調にスノーボール続け勝利につなげた。

4分過ぎのボットダイブにMegumiinが参加した関係で、Diceはレーンを押し切ってからリコールすることが出来、その結果Diceはテレポートを温存しながらファーストリコールをすることが出来た。

それがゲームの流れを決定づけた7分のボットダイブ事故につながったわけだが、ミッドのTP差やFlawlesSがタワー下でカバーに回っていたことを踏まえるとダイブを中止する選択肢もあったはずだ。

デザインされた通りにプレイするのではなくアドリブを効かせて、例えばこのシチュエーションなら相手のボットサイドのジャングルコントロールに回るなど臨機応変にプレイできるようになることがAXZにとってリーグ後半に向けた課題といえそうだ。

その後もBCは相手のダイブを予測しての寄りがうまく、2つ目のドラゴンを少し強引にでも取りにいくなど、直前でみたRJと比べると余計に対Topスマイトの理解度が高く感じる1戦だった。

BCはこれで4勝1敗。1敗ラインに踏みとどまり2位をキープすることに成功した。
ウィークサイドでのプレイの仕方がうまく、特にFlawlesSとFujimotoのカバーで再三のAXZの仕掛けを見事に切り返してた。

AXZは2勝3敗。連勝スタートからの3連敗となってしまった。
新人の多いチームはコーチの影響力が強く最初の15分は順調にプレイできるが中盤以降にミスが多くなりがち、という典型的なパターンがあるが、まさに陥っている。
日本人プレイヤーの中ではMegumiinのパフォーマンスは悪くなく、TopスマイトだけではなくMid中心でゲームを作るパターンも試してみてほしいところ。