LJL観戦メモ2022Spring Day7

February 27, 2022 by lol-cla管理人, Patch 12.3

トリプルラウンドロビンの1巡目が終了。

AXIZ vs SengokuGaming





SGがソロレーナーがスプリットプッシュで強く、リー・シンとルブランという組み合わせが強力なやや中盤にパワースパイクを寄せた構成なのに対し、マルファイト、ダイアナ、アフェリオス、ラカンとAoEスキルが多く集団戦にフォーカスした構成のAXZ。

元々AXZのピックはTop、Midは主導権を取るのが難しいマッチアップでさらにボットレーンにリーシュをさせてしまったので、3レーンすべてがSG有利になる展開になってしまった。
そんな中5分前にミッドレーンでソロキル発生。レベル差がついたタイミングでのJettの素晴らしい仕掛けだったが、MegumiinはTPを持ってきていないので、元々きついレーン戦がさらにきつくなった。

1体目のヘラルドファイトではPazのナーのゲージ管理が完璧だった。ゲージ95%を維持してヘラルドにも必要以上に通常攻撃を入れず、マルファイトが仕掛けるのをまってカウンターでアルティメットを決めた。
Megumiinもアルティメットを切ってキルトレードに持ち込もうとしたがEntyのカバーが間に合い、結果2-0のキルトレード。
JettとHoneyの両キャリーにキルが入り、完全にSGがゲームの流れをものにした。

その後は起死回生を狙ったAXZのバロンをOnceがスティールするなどスーパープレイも出てSGがゲームを勝ち切った。

AXZは再三サイドレーンでのピックアップを狙い成功していたが、カウンターとして反対サイドでオブジェクトを取るなどSGの対応が冷静だった。
サイドレーンに出ることを見越してミシックアイテムにエバーフロストを選んだJettのビルドパスも効果的だった。

SGは1巡して6勝1敗。
フィジカルが高く、レーン戦で崩れることが少ない。Mid-ADCのキャリー力が高いので弱い時間帯が少ない構成が組みやすい、といったところが高勝率につながっている。
弱点は中盤戦でのミスの多さ。この試合でも危ないシーンがいくつかあった。2巡目以降の課題だろう。

私が選ぶ1巡目MVPはJett。ついにサイラスがバンされたがこの日はルブランでゲームを破壊した。サイドレーンで死なない動きが上手くチームのゲームプランに幅を持たせている。

AXZは2勝5敗で1巡目を終えた。
Topスマイトポッピーやゼリなどインパクトを残した前半戦だったが、対策されてからは勝ち星が挙げられていない。
チーム全体として経験の浅いプレイヤーが多いのでコアになれるレーンが見つけらず、そのためSwampが動ける範囲が制限されてじり貧になってしまう展開が多い。
チームファイトの時間までイーブンで過ごせるようなピックをみつけることが今後の課題だろう。

私が選ぶ1巡目MVPはSangchu。Day2でrevolさんを絶句させたキャリーパフォーマンスをまた見せてほしい。



SoftbankHawksGaming vs V3 esports





悲しみの最下位ダービーになってしまったこのカード。

Yunikaがリコールタイミングでミッドに寄っていたRainaを捕まえてファーストブラッド獲得。しかしカウンターでBlankもミッドガンクを成功させ結果としては1-1のトレードになった。
このデッドでV3はドラゴンを取れないどころかMidの経験値差がつき、さらにはリバーに置いたコントロールワードまで破壊されてしまう。
DasheRのシュリーマシャッフルは見事だったが、自分たちのJg-Supがドラゴンに触っているタイミングだったのでEugeoはガンクへの警戒を1段階上げていれば・・・というシーンだった。

その後もYunikaはトップにもボットサイドにも積極的に介入し、また先ほどと同じような場所でRainaを捕まえると2キル目を獲得。タワープレートを強引にわりに来たKinatu、Blankを咎めてダブルキルと八面六臂の活躍をみせる。
Blank-Dasherコンビもスレッシュを捕まえるなど計3キルを獲得し、育ったSHGのミッドvsV3のボットという構図になった。

ゲームが傾いたのは19分過ぎのボットレーンでのファイト。1v1でリードしていたKinatuの近くで不用意にアクションを起こしてしまったV3のミスだった。
これによりKinatuのスプリットプッシュに対応するのが難しくなり、V3は後手後手のローテーションをせざるを得なくなった。

29分、削れていたミッドのセカンドタワーを破壊したSHGはそのままトップサイドのジャングルを制圧。プレッシャーをかけながらバロンにラッシュし、獲得に成功する。
V3はリバーの視界が全くなく、安全にレーンをプッシュしてからバロンを見に行く選択をしたが、ジンクス・グウェンがいるSHGのバロン獲得速度がそれを上回った。

その後トップインヒビターでの戦いもWashidaiが決死のダイブを見せたが、アジールの皇帝の分砂嶺に阻まれ成就せず、SHGが待望の初勝利をあげた。

SHGは初勝利で1勝6敗。
勝ったこの試合でも序盤からYunikaにゲームメイクされかける危ないシーンもあったし、Blank-Dasher頼りのゲームメイクからも脱却できなかった。
内容はそれほどよくなかったが、まず1勝できたことが大きく、この勝利で選手たちのメンタルも持ち直してくるだろう。
対面がルーキーだったとはいえ、Kinatuが昨シーズンのようにトップで存在感を出せたのは良い兆し。2巡目以降上位相手にもこういったレーニングが出来ればまだまだプレーオフ進出の可能性は残っている。

私が選ぶ1巡目MVPはDasheR。どの試合でも高いクオリティでプレイしていた。彼に頼るゲームプランなら今回ピックしたアジールのようなスケールするチャンプは最適だ。

V3は7連敗で0勝のまま1巡目を終えた。
序盤の滑り出しはよくJgがキルを重ねているなかで、Eugeoが2回もカウンターでキルを取られてしまったのがもったいなかった。
リスクを取って相手のJgを引き付けるのも大切な役割だが、対面はBlank-DasherとLJLで最も育ててはいけないコンビであることを考えるとリスクリターンがあっていなかったように思える。

私が選ぶ1巡目MVPはYunika。この試合でも見せたように序盤のゲームメイクに成功するシーンが多いものの、そこからチームを勝ちに導くことが出来ていない。
Jgというロールでは現状のメタではゲームを最初から最後までキャリーするのは難しいので、Yunikaがつくったリードを引き継げるプレイヤーを見つけることが2巡目の目標といえるだろう。



DetonationFocusMe vs BurningCore





注目の首位決戦。
DFMはファーストピックしたEviのトリンダメアをサポートできるライズ、ソラカを入れたスプリット構成に対し、トリンダメアに対抗できるシェンを入れたプロテクトADC構成を組んできたBC。

ソラカのガンク回避性能の低さを突いてボットでダブルキルを獲得したBC。FlawlesSのリー・シンは彼のシグネイチャーピックであり、LJL初登場でいきなりの見せ場をつくった。

一方DFMもトップでトリンダメアがソロキル。後出しかつ防人の帳でトリンダメアの主たるダメージ源である通常攻撃を無効化できるシェンをタワー下でしばき倒し、トップサイドはDFM、ボットサイドはBCがマップを支配する展開になった。

この有利の交換をうまく活かしたのがDFMで12分には赤バフ裏のブッシュに隠れてリー・シンをキル。その後も赤バフにコントロールワードを刺すなどマップをコントロールしていく。
BCもボットサイドのジャングルでポッピーに仕掛けるが、Stealがうまく時間を稼いだことでトリンダメアの徒歩ロームが間に合い、トリプルキル。
この集団戦で5-1のエース獲得を獲得したDFMは完全にペースを握った。

4キル持ってハルブレイカーを完成させた愛知県産伊勢海老を止めるすべはなく、24分という短いゲーム時間でDFMがネクサスを破壊した。

ゼリ、ケイトリン、カルマをバンし、DFMにトリンダメアを取らせ、自分たちはシェンというオフメタチャンピオンで抑え込んでボットレーン勝負に持ち込むというBCのドラフトプランは悪くなかったが、Eviの筋力の前に破壊されてしまった。
決定機になった15分のファイトも、TPを持っていないトリンダメアに対し瞬身護法とTPを持つシェンのギャップを使ったいいプレイだったが、トリンダメアがかなり早い段階でミッド方面にロームを始めており、相手の意図まで読み切った完全にEviキャリーの1戦となった。

DFMは無傷の7連勝で1巡目を消化。
Aria、Gaengの2人が抜け、実力は間違いないもののシーズン序盤は連携面で少し苦労するのかなと予想していたが、完全に杞憂だったようだ。
今日はEviが主役だったが、どのレーンからでもキャリーが出来、今のところ全く死角が見当たらない。

私が選ぶ1巡目MVPはSteal。LJLではポッピーのピック率がロール内2位で世界的に見ても異様に高いが、大体は彼のせい。中々バン枠を割くのは難しいチャンピオンなので2巡目以降もポッピーOTP状態はしばらく続きそうだ。

負けたBCは5勝2敗で1巡目を終了した。去年は春夏合わせて5勝しか出来ていなかったチームと考えればは異例の躍進といえるだろう。
KR枠をMidに回したことで上半身の安定が強固になり、RayFarkyの個人技が活かしやすくなった。かわりにSupの穴を埋めているFujimotoの活躍も大きな要因だ。

私が選ぶ1巡目MVPはFlawlesS。LJLにいるのが不思議なくらいの実績・実力ともに申し分ないプレイヤーだが、その力を如何なく発揮している。
ジャングルでキャリーし辛いメタだが、ダイアナやカーサスといったハイリスクハイリターンのチャンピオンを渡すドラフトをしているのもこのチームの特徴といえるだろう。
2巡目以降はFlawlesSを自由にさせないドラフトをされることが多くなりそうなので、そうなったときの戦術の引き出しがどれくらいあるのかに注目だ。


CrestGamingAct vs RascalJester





勝率5割でお互いBotにキャリーを置く、似たものチーム同士のマッチアップになった第4試合。

Jg-Midでミッドゲームを支配しつつ、終盤はHybriDのジンクスがキャリーするというCGAお得意の構成に対し、RJはSsolSecretのコンビにケイトリン・モルガナを渡してプッシュし、それに介入されないようにInoにガングプランクを渡すというドラフト。
どちらも主張点がはっきりしているドラフトで、ドラゴンの優先権があるRJ側が順調にスタックを重ねられるかが焦点になりそうなピックとなった。

ピックの狙い通りボットレーンをハードプッシュし、ファーストリコールしたRJのボットレーンだったが、一足先にリコールしていたCGAのNemohがリバーの入り口でブッシュトラップを仕掛け、Hachamechaをキャッチ、キルに成功。その流れで1体目のドラゴンの獲得に成功する。

RJとしてはさっそくゲームプランにヒビが入ってしまったが、これはMidのマッチアップがルブラン対ゾーイでRJ側が序盤押されやすいマッチアップだったから発生したキルでもあった。

CGAはへカリムのボット介入を予想するとチェックするために自軍ジャングル内にワードを置き、映ったタイミングでヘラルドを獲得、そのままトップレーンに召喚しタワーの破壊と流れるようなプレイでリードをつくっていく。
すでにCGAに警戒されていたことに加え、プレッシャーを受けガングプランクは一斉砲撃を自レーンに使ってしまったこともあってへカリムのボットガンクは成功せず、かつドラゴンもリスポーンしていない時間帯だったので、RJにとっては最低限、CGAにとっては有利なトレードとなった。

その2体目のドラゴンもNapは先にウェーブのコントロールを得るとミッドへとロームし、トップのウェーブを対処しなければいけないInoは寄れず。この差でCGAはフリーで2体目のドラゴンも獲得する。

こうなってしまうとRJのゲームプランは完全に成り立たなくなり、うまいローテーションでオブジェクトトレードは出来ていたが、CGAはその後もCassinのエンゲージ判断のチームのフォーカス、Nemohのフックが光ってドラゴンを重ねていく。

そうこうしているうちにHybriDという名の時限爆弾の針が進み切り、最終的にゲームを破壊してCGAが勝利を収めた。

勝ったCGAは4勝3敗で1巡目を勝ち越しで終えた。
Cassin、Nemohのプレイが目立った試合だったが、ミッドレーンをコントロールしたKaitoが影の立役者。
きっちりポークやアグロを引き受ける役割を果たし、HybriDへとバトンを繋いだ。
Midを優先してピックするようしてからCassinやNemohの動ける範囲が広がりチームの成績も上り調子になっている。そろそろ対戦チームも手をうってきそうなのでチャンピオンプールが広がっていくかが2巡目以降への宿題になりそうだ。
私が選ぶ1巡目MVPはHybriD。NemohやKaitoもよいプレイを見せていたが、最後に爆発するHybriD爆弾があるからこそ安心してプレイできている感はあった。

敗れたRJは3連敗。3勝4敗で負け越しての1巡終了を迎えた。
RJが今季苦戦している理由は感想メモで再三書いているがキャリーレーンの少なさ。
勝てていたときはInoがキャリーピックをしていたが、それに拘らずTop-Jg-Midの日本人3人のどこかで柱になる選手が出てきてほしい。

私が選ぶ1巡目MVPはRecap。
勝った試合ではそれほどリソースを割いてもらっているわけではないのにきっちりと役割をこなしていた。
いわゆるコスパのいい選手で、それは好調だった去年から変わっていない。