LJL観戦メモ2022Spring Day11

March 9, 2022 by lol-cla管理人, Patch 12.4

2位争いが熾烈になってきた

BurningCore vs V3esports





サイドレーンでの動きが強いチャンピオン2体にディスエンゲージ力のあるJgを組み合わせた1-3-1が強そうなBCの構成に対して、
ケネン、へカリムという中盤の集団戦を支配できる強力なアルティメット持ちを2枚揃えた集団戦構成のV3。

今シーズンのケネンはTPの変更後ボットレーンへの介入が出来なくなったのが間接的なナーフになっていて、V3としてはケネンを活かすためにへカリムやラカンを寄せてヘラルドファイトで存在感を発揮させたい。

まさにそれを狙ったゲーム時間8分のV3側のトップガンクだったが、RayFarkyがYunikaをうまくタワー下に誘い込んでダブルキルを獲得。
そのまま1体目のヘラルドを確保してV3のピック段階での作戦を瓦解させた。

取ったヘラルドをトップに召喚したBCはそのままトップの1stタワーを破壊、さらに2ndタワー下にいるWashidaiにタワーダイブを決めて12分20秒でトップの2タワーの破壊に成功する。

こうなるとボットサイドでゲームメイクするしかないV3は2回にわたってリバー周りでFujimotoをキャッチ、ドラゴンを2体連続で獲得し、食らいついていく。
2回目のキャッチの場面は育ったRayFarkyがドラゴンに寄っている最中だっただけに、早急に当たってしまったBCのミスにも見えた。

BCはこのミスを反省してか育ったRayFarkyを中心にゲームを動かしにいくが、18分過ぎのタワーダイブにはEugeoのオリアナがTPでカウンター。壁越しのショックウェーブからYunikaのランページが決まってキルを取り返す。

20分ごろに起きた3体目のドラゴンを巡った長い戦いでは、両チームの視界の取り方で差がついた。
戦闘開始直後両チームのアルティメットがほとんど全部落ちる展開になり、体力の削れたアカリはコントロールワードが刺さったブッシュからベースへとリコール。
これに気づけていれば、人数差があったV3はファイトに勝利できていたかもしれないが、残念ながら気づくことはできなかった。
リコールしてきたDiceが間に合い、さらにファイトが長引いたことで集団戦の最初につかった完遂が再びアップ、FlawlesSが狭いジャングルの通路に氷冷の柱を立て動けなくなった相手にAoEダメージを叩き込んで集団戦をキャリーした。

アカリが十分に育ったBCはDiceとRayFarkyのどちらを起点にしてもゲームが動かせるようになり、V3は対応が難しくなってしまった。
その後サイドレーンでのキャッチやYunikaのバロンスティールなどV3も見せ場は作ったものの、BCはFlawlesSの氷冷の柱を起点にV3の陣形を崩すと、左右からアカリとグウェンが挟み込む形でV3のバックラインを破壊、4-1で集団戦に勝利し、そのままネクサスを破壊した。

勝ったBCは7勝4敗。中盤以降のミスが多く、内容は決してよくなかったが主にソロレーナーの個人技の高さで勝ちを拾った。
トランドルとゼリという組み合わせはゼリがアルティメットのスタック貯めるスペースを作れ、Wの射程をどこでも伸ばすことができるなど相性のいいピックだ。

敗れたV3はいまだ勝利なしの0勝11敗。
BCのミスがあったとはいえ、自分たちの有利な集団戦の形を作り2体目のドラゴンやミッドの1stタワーを獲得するなど内容は今シーズン1番だった。
つくづくトップレーンでのダイブミスが悔やまれる試合だったが、この内容が続けられれば初勝利も十分あり得そうだ。




AXIZ vs SoftbankHawksGaming





AXZはtol2はもはやおなじみとなった3連続トップマークスマンピック。
Kinatuはマークスマンに強いエイトロックスを取って対抗、さらにジャングル間でもファーム速度で有利なボリベアとSHGがtol2を自由にさせないドラフトを組み立ててきた。

3分過ぎのトップミッド同時ガンクはSHGの完全なデザインプレイ。
アクシャン対エイトロックスというマッチアップにBlankは絶対介入してくるのはAXZとしても織り込み済みで対応するためSwampもトップへと向かう。
お互いジャングラーがトップに見えてミッドがガンクに対して無警戒になるため、Marbleはハードプッシュをしカルが買えるだけのお金をためて早めのリコールをさせ、Rainaはロームしてヴェックスをガンクするという作戦だ。

このガンクでライズがミッドの主導権を握ることに成功すると、BlankはSwampとのファーム速度の差を活かして、ドラゴン、ヘラルドとオブジェクトを回収していく。

AXZもトップに1回ガンクを刺すことに成功したものの、その後Blankのヘクスフラッシュをつかったおしゃれなタワーダイブなどが決まり、両ソロレーンはSHGがリードする展開に。

これを受けてAXZも反対サイドできっちりとオブジェクトを取り返し、2体目のドラゴンやボットの1stタワーを獲得する。

ゲーム時間15分、先手でローテーションしてきたSHGは2体目のヘラルドに先に触る。これに反応したAXZが近づいてくるとSHGはヘラルドの残り体力3700とかなり削った状態だったのにもかかわらず冷静にリセットを判断。
ポジションを主張しにきたDiceyに炎獄の鎖を当ててフラッシュを切らせると、続いて入ってきたMegumiinのヴェックスを完全に孤立させる形でKinatuとRainaのノックアップが決まる。
CCとスローで固められたAXZのメンバーにライズとジンクスのDPSが降り注ぎ、4-0で集団戦を制したSHGがリフトヘラルドも確保し、リードを大きく広げた。

このファイトでSHGは、無理せずにヘラルドをリセットする、相手のヘラルドタッチにちょっかいをかけながら残りのメンバーでミッドのウェーブを押す、ヴェックスが突っ込んでくることを警戒してRを食らったDasheRから残りのメンバーが離れる、などかなり意思統一の取れた動きが出来ており、絶不調から脱しつつあることを象徴するシーンだった。

逆にAXZはアリスターのフラッシュが落ちたことでヴェックスに合わせて踏み込むことが出来ず、エイトロックスとレルに挟まれる格好になったのでレルのWを止めることもできないと八方塞がりの集団戦になってしまった。

この後はAXZが仕掛けたところを綺麗に返し続けたSHGが順調にオブジェクトを重ね、危なげなく勝利を収めた。

SHGは勝って3勝8敗。この試合はなんといってもRainaのレルだろう。WERの3つのCCの使い分けが巧みで、グレイシャルオーグメントの強みも活かした完璧なプレイをしていた。
チーム全体としてもコールがシンプルになったのか意思決定がスムーズになったように見え、次節以降も期待もてそうだ。

AXZは敗れて同じく3勝8敗に。
ボットサイドをストロングサイドにしたときのトップマークスマンの運用は非常に繊細で、ルーキーのtol2には少し酷なゲームプランになってしまった。
シン・ジャオファーストピックに対しSHGがボリベアを出したことで、全体的に主張のないドラフトになったのも苦しかった。



SengokuGaming vs CrestGamingAct





ADCが多くバンされる最近のLJLでは珍しいドラフトになったこの試合。
HybirDにスケーリングADCを持たせたくないSGは先にトリスターナをピックしてから2ndバンフェイズでサミーラ、カイ=サの2チャンピオンを消してプールを絞っていく。
それに対しCGAは今季初登場のザヤをピック。現在はエアリー脅威ビルドのほうがメジャーだが、HybirDが終盤にダメージを出すというのがチームのコンセプトになっているCGAらしさか、Critビルドが出来るリーサルテンポをキーストーンにしているのが面白い。

序盤から激しいキルトレードになった。
開始直後にはSGが敵陣赤バフにレイトインベードを仕掛けラプタースタートしていたへカリムを捕まえたグウェンがファーストブラッドを獲得。
その後6分に起きたリバーファイトでは、ドラゴンに寄ろうとするトリスターナをブラストコーンで入ってきたレオナとへカリムがカット。そこから2キルを取ってCGAがドラゴンを獲得。
CGAは続けざまにへカリムのRを使ったボットガンクを行うが、これにはJettのヨネがカバーを行ってSG側が2-1のキルトレードに成功する。

慌ただしい序盤戦になったが、8分50秒。ヘラルドタイムを無視してCassinがボットタワーへとダイブ。これがダブルキルとなってJg、ADC間でそれぞれ約1200gの差をつけてCGAがリードすることとなった。

こうなると相手のJg、ADCがいるサイドでは争いたくないSGは、Cassinがドラゴンを触るタイミングで獲得したヘラルドと共にトップのNapへと4人でダイブを仕掛ける。
しかしOnceのフラッシュRに反応したNapがR1でキックの方向をずらすと、そこからW→E→R2と完璧なスキル回しでガンクを回避。
その間、ボットの1stタワーと2体目のドラゴンを獲得したCGAが完全なトレード勝ちになるNapのスーパープレイだった。

13分過ぎのトップで起こったファイトはCassinが征服者を選択したことが活きたシーン。
流行のケミタンクビルドよりお金がかかるものの集団戦でダメージディーラーの役割が果たせるビルドで、この場面でもザヤが早々に戦線離脱したあともダメージを出し続けダブルキルを獲得した。

26分手前、リバーの視界を取りにきたSGのメンバーにNemohが仕掛けると、狭い通路の中でアカリ、へカリム、レオナがフロントラインとしての役割を完璧に果たし、その後ろからHybirDのザヤがフリーでダメージを出し続け、3キル。そのままバロンへとつなげた。
これがCGA優勢を決定づけた集団戦となり、そのままエルダードラゴンも獲得したCGAがSGを4敗ラインへと叩き落し2位タイへと浮上した。

勝ったCGAは7勝4敗。Kaitoがエアリー、Cassinが征服者、HybirDがリーサルテンポとそれぞれがチーム内での役割を果たせるキーストーンを選んでいたのが印象的な試合だった。
ADCが5バン(先にトリスターナを取られたので実質6枚バン)の状況でもHybirDにキャリーピックが残っているのは今後対戦するチームにとって脅威、いやクリティカルな問題になってきそうだ。

負けたSGも7勝4敗。
上位チーム相手なので負けること自体は仕方ないが、Honeyがジンクス、アフェリオスを取り上げられパフォーマンスを落としてしまった、という事実が今後強力なBotDuoを持つチームと対戦するときのドラフト戦略に影響を及ぼしそうだ。




DetonationFocusMe vs RascalJester





レーンで勝って序盤を有利に進め、アーリやユーミのキャッチ能力をつかって展開を作りたいDFMの構成。
それに対し、ジリアンとタム・ケンチという強力なピーラーを2枚入れたプロテクトキャリー構成を選んだRJ。

昨シーズンの1、2位対決で今シーズンの開幕カードのリマッチとなった注目の1戦だったが、序盤はお互いにミスが出た。
RJはタム・ケンチがリバーに出ているタイミングで前に出すぎたSsolがキルされ、ファーストブラッド献上。
一方DFMも長い間トップが見えていないのにもかかわらず前に出すぎたYaharongをInoがEで仕留めて1キル、結果Yaharongはテレポートを使わされる羽目になった。

さらにRecapのEのスローに合わせたhachamechaがミッドガンク成功。これでMid同士に大きな経験値差が生まれ、イグナイトと1キル差があるトップレーンと合わせて、両ソロレーンはRJがリードを奪うゲーム展開になった。

その差を埋めるべくDFMはEviのダメージトレードからStealが寄っての2v2のファイトを仕掛ける。
InoはDFMの仕掛けに対し冷静に下がりながらEのクールタイムを稼いでから反転、ジャーバンIVのバーストダメージと合わせてへカリムを倒しきると自身はフラッシュで追いすがるナーからフックショットで逃げ切り2-0のトレードに成功する。

こうなるとボットレーンにリソースを集めるしかないDFMは即座にレーンスワップ、ヘラルドを獲得しトップに召喚、相手がドラゴンをやっているのを確認するとアフェリオスにローカルゴールドを独占させるためにユーミが離れる動きをして、リソースを集中させていく。
このあたりの判断、対応は流石上位同士の対戦といったところだ。

ゲームが大きく動いたのは15分30秒。ミッドの1stタワーをシージしたRJが前に出すぎたところに仕掛けたDFMだったが、YaharongのチャームをSsolが一瞬でクレンズ、直後EviのメガナーがジャンプするのをみてSecretが丸呑みで対応、Ssolを救出するとギリギリまでタンクしてから船旅でジンクスを安全圏まで連れ出すスーパープレイ。
この2つの超反応で集団戦の形勢は逆転し、一気に反転したRJはTPで飛んできたInoがバックラインにダイブ。フォーカスを受けたところにジリアンがアルティメットで援護と完璧な集団戦に勝利し、ヘラルド2体目とミッドの2ndタワー獲得に成功した。

DFMはナーのゲージ管理まで完璧な良い仕掛けだったが、Ssol、Secretの超反応、そしてRecapのジリアンがタイムワープのMS上昇とクラウドリフトの移動速度バフもあってあっという間に集団戦に合流できたという誤算もあって、失敗に終わった。

優勢を築いたRJはDFMの再三の仕掛けをすべてSecretがはじき返し、順調にオブジェクトを獲得。
ドラゴンソウルをかけた4体目のドラゴンファイトではジャーバンIVをフォーカスして倒せるかに見えたが、アーリとユーミという魔法ダメージを担うチャンピオンがその場にいなかったためランデュインオーメンの分厚い壁を突破することが出来なかった。

そのままネクサスまで破壊しきったRJが勝利、Day1のリベンジに成功しDFMに初黒星を与えた。

勝ったRJは4連勝で7勝4敗。2位に浮上した。
序盤Ino、hachamecha、Recapで作ったリードをSsol、Secretがしっかりと引き継いでゲームに勝つというプロテクトキャリー構成らしい勝ち方が出来た会心の1勝だった。

敗れたDFMは連勝が10でストップ。10勝1敗となった。
アーリはいいとして、ユーミまで取ったことでキャッチ構成に寄りすぎ、結果としてジリアン、タム・ケンチというRJの構成の強い部分に自分たちから刺さりにいってしまったところもあるドラフトだった。
ゲーム内では何よりYaharongの序盤の2デスが痛く、ジリアンに対してレーンでプレッシャーを与える役割のアーリが機能不全に陥ってしまった。