LJL観戦メモ2022Spring Day14

March 14, 2022 by lol-cla管理人, Patch 12.4

2巡目終了。パワーバランスが徐々にはっきりしてきた。

SoftbankHawksGaming vs BurningCore





SHGはBlank-DasheRのコンビで相手のバックラインをかく乱し、その間にKinatuのグレイブスとMarbleのジンクスがDPSを出す構成。
対するBCはダイアナ・ヤスオのコンボピックにダイバー兼スプリットプッシャーのカミールという少数戦が非常に強い構成だ。

BCのキャッチ、少数戦能力に対して、Rainaのタム・ケンチがどれだけ上手くピール出来るのかがゲームの焦点になってきそう。

3分30秒過ぎ、リバーでの視界の取り合いからファーストブラッドが発生。1-1トレードになったもののFBを獲得したのはダイアナでDasheRはデッドした上にフラッシュを落としてしまう。

5分30秒ごろにDiceのリコールをヴェックスが2回に渡って阻害。1回目はワードがあったことに気づけないのも仕方ないが、2回連続で阻害されるのは完全にDiceの甘えたプレイでこれがのちの悲劇を生む。

リフトスカトルを巡っての3対3の少数戦が発生し、Yuhiがフラッシュを落とす。タム・ケンチがWを外すのをみて再エンゲージを試みたBCだったが、そこにミッドレーンで先にウェーブクリアを出来ていたヴェックスが到着。
SHGが人数差をつけることに成功し、3キル獲得。一気にボットサイドの形勢がSHGに傾いた。

Diceの甘えリコールでミッドの優先権を失っていたこと、DasheRのロームに対してBCの4人が無警戒だったこと、FujimotoがDasheRを視認していたのにもかかわらずYuhiがブラストコーンを叩いて戦闘を再開してしまったこと、3つのミスが重なった労災の教則ビデオかのような1シーンだった。

BCは8分のリフトヘラルド直前、その後10分過ぎにもダイアナ・ヤスオの理不尽ガンクでDasheRを2回も仕留め、ボットレーンでの不利と引き換えにミッドでリードを広げていく。

しかし15分を前にしてまたしてもBCに疑問の残るプレイが出る。
Marbleのシビレーザー!のスローを受けてしまったザヤはフラッシュもアルティメットも温存して、結果としてRainaのノックアップを受けてしまう。
自分たちのJgがトップサイドにいる、レーン戦で大きく負けている、敵Jgは少し前にボットのリバーにあるワードに映っている、という状況下で甘えた選択をしてしまったシーンだった。
ボットレーンが自分たちのミスで倒されるのはまだいいにしても、カミールがTPを切ってしまったのはBCにとって最悪中の最悪の選択肢だった。

これでイーブンだったトップレーンでも差がつき、Marbleのジンクスがトリプルキル獲得、さらにボットの2ndタワーの破壊にまで成功する。
その間にDiceがDasheRをソロキルするがまさに焼け石に水だった。

17分過ぎのBCがボットの2ndタワーをシージするシーンもコミュニケーションエラーから発生した事故現場だった。
育ったFlawlesSとDiceでKinatuをタワー下から剥がしたBCだったがへクステックリフトのワープゲートによって素早くカバーされ、キルされてしまったシーン。
BCもFujimotoはゲートの前に陣取り警戒していたのだが、ゲートが開いているのにも関わらず2人はシージを続行、結果としてFujimotoもろとも打ち取られてしまい、BCの勝ち筋は完全に失われた。

勝ったSHGは4勝10敗。
BCにプレゼントされた1勝といった内容だったが、DasheRが潰されるゲーム展開でもキルを集めたMarbleがしっかりキャリーできた、というのは収穫。
2巡目でも調子は上がり切らなかったが、1勝→3勝と確実に改善はみせている。

BCは3連敗で7勝7敗の勝率5割に。この試合ははっきり今季ワーストといえる内容だった。
1巡目で貯金が出来たことで上半身重視から下半身重視の戦略転換を図ったが、現状は上手くいくことのほうが少なく2巡目では下位のV3とAXZにしか勝てずに終わった。
8チーム中6チームがプレーオフに進出できるLJLのルール上BCもプレーオフ進出は安泰かもしれないが、負けが込む中で集中力を欠くプレイも増えてきており、悪循環に陥ってしまわないか心配な状況だ。




AXIZ vs RascalJester





AXZはへカリムとアーリを組み合わせるロームやダイブが得意な構成で、ケネンをピックしているためリフトヘラルドを是が非でも取りたい。
対するRJは前節ではバンで対策されたおなじみベイガー入りのゾーニング構成。比較的パワースパイクが後ろなので、AXZの強い時間帯にどうやって戦いを拒否するのかに注目。

構成上ヘラルドファイトを起こしたいAXZは早めにSangchuを寄せてヘラルドを触り始める。それに対しRJはSsolを一旦ボットレーンに送ってウェーブメイクを行い、プッシュウェーブを作成。ヘラルドが取られた場合でも最低限の利益を取ろうという構え。
Diceyが視界を消しに来たRecapを捉えるとAXZは集団戦を開始。しかしここでInoの一斉砲撃がリバーへと通ずる道を封鎖、アフェリオスが全くダメージを出せない時間帯が出来てしまう。
その間にSsolはウェーブメイクを終わらせアルティメットを撃って味方の援護をしつつミッドレーンへと合流。
ケネンの雷撃の大嵐とアフェリオスの月光の祈りが決まって完全に集団戦に勝利したかに思えたAXZだったが、アフェリオスがダメージを出せるようになった時間が遅すぎた結果、わずかにダメージが届かず結果は1-1のトレードに終わった。

結局その後にRJが獲得したリフトヘラルドはトップレーンに召喚するもののSwampとDiceyの上手い連携で無効化されてしまう。
しかしケネンがボットサイドに見えるとRJは再びトップサイドでアクションを起こす。
hachamechaを餌にトップサイドでAXZのガンクを呼び込むとブッシュに隠れていたSsol、Secretが飛び出し、Inoがボットレーンから一斉砲撃を発動。Recapのプレデターでの寄りも間に合って2キル獲得と、自分たちの有利を徐々に広げながら相手の強い時間帯をつぶすという理想の展開を作り上げる。

2体目のヘラルドでもRJはケネンに集団戦から取り除くことを徹底していて、ベイガーがイベントホライズンでゾーニングをするとその間にチームメイトはヘラルドを獲得。
カウンターでミッドのタワーを折りたいAXZはMegumiinがRJの帰り道をふさぐように待機していたところを逆にSecretがキャッチ。
それを起点に2キルを獲得し、流れでヘラルドをミッドレーンに召喚するとそのままミッドのインヒビタータワーまでの破壊と追加の2キルを獲得し完全にゲームのコントロールを手中に収めた。

勝ったRJは連勝止まらず10勝4敗。なんと2巡目は全勝と絶好調を維持。
自分たちのゲームプランだけでなく相手のゲームプランに対応して柔軟にプレイしているのが印象的で、DFMと並んで現状抜けたパフォーマンスを見せている。
Secretはピールだけでなく、キャッチ、エンゲージでもタム・ケンチを使いこなしチームをキャリーした。

敗れたAXZは4勝10敗。
勝った前節と似た構成でRJに挑んだが、RJのマクロ面の理解度の高さ、自分たちのガングプランクへの対応が上手くいかず、ピックの長所を活かせなかった。
2巡目は2勝5敗と1巡目と変わらない結果だったが、飛び道具的ピック以外で上位勢のCGAに勝てたDay13の試合結果はチームの自信につながるだろう。




SengokuGaming vs V3esports





キャッチ性能に優れ、1キル獲得からジンクスのパッシブを発動させて集団戦に勝つというSGの構成に対して、キャッチへのカウンターであるタム・ケンチを入れたフロントライン多めの集団戦構成を選んだV3。

V3は正面から当たってオリアナとアフェリオスのダメージに期待する構成なので、集団戦フェーズまでミッド、ボットが大きなディスアドバンテージを取らないことが重要だ。

お互いのJgが一周目のキャンプを狩り終えた3分過ぎにボットレーンでファイトが発生。hetelのWから仕掛けてダメージを受けたHoneyのジンクスがフラッシュアウト。
代わりに前に出たスレッシュに対しジャーバンIVがEQでノックアップを狙うが、これをEntyが間一髪フラッシュで回避、時間を稼ぐとへカリムとアーリがボットレーンに到着しSGがファーストブラッドを獲得した。
YunikaがEQを撃つ直前にdresscodeの武器がグラヴィタムに代わっていて、これのスネアが間に合っていれば結果は変わっていたかもしれないシーンだった。

直後ミッドレーン付近で再びSGがキル獲得。先にトップのウェーブをクリアできたWashidaiを寄せて3人でOnceを倒しにかかったが、Onceは素早い判断でYunikaをフォーカスするとランページでJettのほうにYunikaをけり込み、アーリの電撃を発動させたバーストダメージで逆にSG側のキルとなった。
2キル先行したアーリとへカリムというコンビはロームが凶悪で、7分手前ではアーリがミッドレーンから姿を消すとそのプレッシャーでV3のボットレーンは下がらざるを得ず、SGは無血でタワープレートの破壊に成功する。

Entyの凡ミスから1キルを献上するがSGはボットレーンへのプレッシャーをかけ続け、ドラゴンとプレートの獲得を重ねていく。
なにかカウンターをしなければならないV3はミッドレーンへのガンクを狙うが、Jettのエバーフロストを使った完璧なプレイでガンクを跳ね返しチャンスをつかませない。
このガンク失敗でYunikaはボットの不利と引き換えに得たリフトヘラルドを召喚するタイミングがなくなり、ボットでついたゴールド差を覆す手段が失われてしまった。

14分過ぎ、リフトスカトルを巡って小競り合いでアフェリオスが不用意な位置を歩いていたのを見逃さなかったHoneyはシビレーザー!でキャッチ。
hetelは必死のカバーを行うが、へカリム、アーリ、ジンクスが集団戦で暴れまわりSGが3キル獲得。
このファイト後Honeyとdresscodeの間に丸々コアアイテム1つ分の差がついてしまい、基本的に正面からぶつかるしかないV3の構成にとってこれが致命傷になってしまった。

ジャングル内の視界を支配し続けたSGはその後のすべての集団戦で勝ち続け、ゲーム時間25分を待たずにネクサスを破壊、完勝を収めた。

SGは3連勝で2巡目を終え10勝目。4敗ラインで踏みとどまって2位をキープした。
1巡目終了時に指摘したミスはいまだに多いものの、1巡目から引き続き好調のJettとEnty、そして2巡目で調子を上げてきたHoneyが原動力となりフィジカルでゲームを破壊している。

V3は0勝14敗。2巡目でも勝利を挙げることはできなかった。
2巡目中盤では良い内容の試合が増えたものの、直近2試合はRJ、SGとフィジカルの強いチームに破壊されてしまった。
苦しいチーム状況の中でhetelは随所でいいプレイをみせてくれた。プレイメイキングのポテンシャルは十分なので、あとはそれを活かせるレーニングやチーム全体の集団戦におけるポジショニングを行えるようになれば初勝利も夢ではないだろう。




DetonationFocusMe vs CrestGamingAct





DFMはアカリ、シン・ジャオ、ヴェックスとアグロをかく乱できるチャンピオンに長射程のADCを組み合わせた構成。
対するCGAは最近流行りのへカリム、アーリ、カイ=サで相手のバックラインを強襲するダイブ構成だ。

アカリやシン・ジャオといった時間を稼げるチャンピオンを擁するDFMは崩れた形の集団戦に強く、ナーを持つCGAはしっかりとしたセットアップからのファイトで真価を発揮するチームコンプといえるだろう。

DFMは序盤レーン戦がきつそうなEviを補助するためにスタックしてトップのトライブッシュにインベード。ナーのフラッシュを落とさせてからのゲームスタートに成功する。

2分30秒、レベル2になる直前のタイミングを狙ったノーチラスの錨投げがHybirDを捉えDFMがファーストブラッド獲得。
Nemohがレベル1でEを取っていたため、咄嗟にグレイシャルオーグメントを発動させてダメージカットするかを迷ってしまい(もしかしたらアップしていなかったのかもしれない)、結果パックンチョッパーを踏んでしまったのが痛かった。

このままボットレーンの主導権を渡すわけにはいかないCGAはゲーム時間5分にへカリムを呼んでのタワーダイブ。しかしこの動きを3つものワードを配置して察知していたDFMはレオナにフォーカスを合わせて1-1のキルトレードに持ち込んだ。
さらにHarpがミニオンをプルすることが出来たので、YutaponはCSをあまりロストせずに済み、タワーダイブのダメージを最小限にとどめることが出来た。

次なるファイトもまたしてもボットレーン。今度はStealがガンクを狙ったところにKaitoのアーリとCassinのへカリムが寄ってきてCGAは人数有利を作った。しかしアーリのロームを察知していたDFMはアーリを引き付けてからフラッシュアウト、そこからフォーカスを合わせてKaitoのヘルスを半分まで削ると、ミッドレーンへの帰り道Cassinが消し損ねたDFMのコントロールワード前を通ったKaitoにYaharongのヴェックスが影法師でスナイプ。
カウンタープレイに成功したDFMが1キルと相手の青バフを獲得する。

さらに1体目のリフトヘラルドの戦いでは、ナーの変身が切れるタイミングを狙ってHarpのフックで仕掛ける。
シン・ジャオが三日月槍守で相手のダメージが出るのを遅らせるとHybirDのカイ=サをギリギリまで自分に引き付けてから下山してきたアカリにバトンタッチ。EviはなんなくHybirDをキルし、Stealは生き残る。
一方変身の切れたNapは安全な道を通ってゆっくりと集団戦に合流するしかなかった。
お互いのトップレーンの働きの違いもあって、DFMが3-0でファイトに勝利。そのままリフトヘラルドも獲得して序盤戦を制した。

12分ではボットレーンでCGAがやり返す。
ソーラーフレアでYutaponのフラッシュを切らせると、DFMのCCチェーンをミスしたわずかな隙間にNemohのゼニスブレードでジンクスを捉え、即座にへカリム、カイ=サがアルティメットで飛び込んで2キル獲得。
CGAが自分たちの強い形が再現できた少数戦だった。

これでCGAが再びペースをつかむかと思いきや、やられたままでいないのが今季のDFM。
ヴェックスがミッドの1stタワーを割ってローム開始。ボットレーンでガンクを狙っていたCGAのメンバーに対し人数差をつけて3-0トレード。
この戦いでYutaponのジンクスに2キルが入り、タワー破壊にも成功、一気に2アイテム目が完成してCGAを突き放した。

視界の有利を取り続けたDFMはその圧力を背景に、3つのドラゴンとバロンを獲得。
ドラゴンソウルをかけた集団戦でCGAはCassinが決死のドラゴンスティールをみせるが、残りのCGAメンバー4人をDFMはEviとHarpのたった2人で翻弄。
煙幕とステイシスをつかってアグロを外しながら時間を稼ぐと、最後はEviがHybirDを倒しきるスーパープレイを見せ集団戦の結果は5-0のエース。
そのままDFMがネクサスを破壊した。

DFMは3連勝で13勝1敗。トリプルラウンドロビン2巡目は6勝1敗だった。
RJに敗れてしまったもののほかの試合はほぼすべて圧倒的な内容で勝っていて、早くもプレーオフ進出を確定させている。
特にYutapon、HarpのBotDuoはレーン戦でゲームを壊すポテンシャルが高く、対戦相手はカルマなどのサポートにバン枠を割かないといけないのが苦しい。

CGAは敗れて8勝6敗。2巡目は4勝3敗と1巡目と同じ結果に終わった。
Nap、Kaitoの両ソロレーナーのパフォーマンスは上がってきていて、結果は同じだったがチームの成長を感じられた7戦だった。
HybirDが素晴らしいのはもちろんだが、Nemohは及第点以上のプレイをしている。
ただこの試合に関してはサポートのプレイヤーとしての経験値の差がボットレーンの差になってしまった感があった。