LJL観戦メモ2022Spring Day17

March 20, 2022 by lol-cla管理人, Patch 12.5

ADCのメタが変わりつつある12.5パッチ

AXIZ vs SengokuGaming





AXZはシンドラ、ヴィエゴのラインがスノーボールしやすく、この2人を育ててトリンダメアやサミーラが中盤以降の集団戦で戦いやすくなる下地をつくりたい。
対するSGはビクターとジンクスがポークを担当、相手が仕掛けてきたらリー・シン、タム・ケンチがピールをして、削ってから仕上げにマルファイトでエンゲージするという構成。
マルファイトはEのグラウンドスラムの攻撃速度低下効果が強力で、トリンダメアやジャックスのような通常攻撃主体のファイターに対して有効なピックだ。

5分50秒、プッシュしてからのリコールを狙うMegumiinに対しOnceとEntyがガンクしてファーストブラッド獲得。
リー・シンがリバーにいることはAXZも気づいていたはずだが、タム・ケンチの存在に気づけなった。
SG側がボットレーンで主導権を握っており、Honeyを留守番させながらタム・ケンチが安全にロームできたことが功を奏した形だ。

ボットレーンを寄せて1体目のリフトヘラルドを狙うAXZに対し、SGはあまり真面目にコンテストをしない。
ミッドのパワースパイク差やAXZのヴィエゴやサミーラのスノーボール性能を嫌ってリスクを避けた選択だ。
代わりにボットサイドのジャングルにプレッシャーをかけ赤バフのスティールとADCのCS差を広げることでトレードとした。
Swampは1回トップレーンにヘラルドを召喚する機会があったもののそれを見送ってしまったこともあり、AXZはプレートを破壊することが出来ずSGがボットレーンの有利を広げただけの結果に終わった。

3体目のドラゴンファイトで、AXZとSGの構成差が出た。
ビクターのポークでレルを削りにいったところをAXZがSwampの亡霊の嘆きからキャッチを狙う。
すかさずSGもEntyが丸呑みでフォローする。バックラインにトリンダメアが踏み込むがこれにはビクターのグラビティフィールドで残りのメンバーを封鎖。
SGの構成によるキャッチ耐性とゾーニング能力が機能した場面だった。
AXZもサミーラがインフェルノトリガーで2キル回収するも、その後ドラゴンを止めに行った際にキルされてしまい、リスポーンしたレルをもう1回倒してSGが世にも珍しい6-2のキルトレード。一気に有利を広げた。

しかしSGもローテーションでミスが出る。19分過ぎミッドの1stタワーを1人で守っていたHoneyに対しボットからローテーションしてきたtol2がダイブ。AXZはこの動きで2キル獲得に成功するが、Onceのリー・シンを少し追いかけすぎたこともあってオブジェクトの獲得にはつなげられなかった。

直後AXZも同じような形でボットからロームしてきたPazのアンストッパブルフォースでSangchuをキルすると、SGはミッドもトップもウェーブを押せていたこともあってバロンの獲得に成功と、
既についていた有利の差はあったとはいえ、ファイトに対するセットアップやその後のオブジェクトの取り方で2チーム間の差が出た象徴的な2シーンとなった。

逆転を狙うAXZは25分前、青バフからトップレーンへとつながる道で集団戦を仕掛ける。狭い通路に固まったSGのメンバーに対してDiceyが磁気嵐流を決めて全員を固めると4人にCCを入れると、Sangchuがインフェルノトリガーを発動。
完璧な形でのエンゲージだったが、Jettが砂時計で無敵になりつつ冷静にカオスストームを操作、Sangchuのヘルスを大幅に削り取ると、最後はOnceが止めを刺してチームを救った。

その後バロン周りの視界を巡った集団戦でPazのアンストッパブルフォースが4人を打ち上げるスーパープレイも飛び出しエース獲得、そのままSGがネクサスを破壊した。

SGは連勝で12勝5敗。
多少のミスはあったものの、サミーラやトリンダメアへの対策が経験豊富な選手が多いチームだけあって安定した戦い方だった。

AXZは5勝12敗。
シンドラ、ヴィエゴのラインでスノーボールしていきたい構成だったが、Onceの2回のガンクでミッドレーンの主導権を失ってしまったのが痛かった。
Dicey、SangchuのBotDuoはチャンピオンを活かした良いプレイが出来ていたので、上半身のピックとプレイを見直してもう一度この構成にチャレンジしてみてほしい。



DetonationFocusMe vs BurningCore





DFMは前節に引き続いてEviが欠場。Stealが久しぶりのポッピーピック。タム・ケンチ、ビクターとディスエンゲージが得意なチャンピオンを揃えてYutaponのトリンダメアのスプリット性能を活かす構成だ。
対するBCはここ2試合と似たJg-Mid構成だが、ザヤ、ルブラン、アーリといった重要なパーツが変わっていて、代わりに採用されているのが12.5ナーフが大きかったアフェリオス、レーンのコントロールを取りづらいアカリになのが気になる。

序盤はBCがトップを、DFMがボットをそれぞれガンクを行ったが、DFM側のほうが多くサモナースペルを落とす展開になった。
FlawlesSはこの有利とファーム速度の差を活かしてドラゴンにタッチ、1体目のドラゴンを獲得する。

9分前、BCはリフトヘラルドを触っているStealを確認すると狙いをYaharongに切り替えガンク、FlawlesSにキルが入り、親の顔より見たアンブラルグレイブが完成する。
DFMはBotDuoがヘラルドに寄らなかったことでボットレーンのウェーブのコントロールを得て、それを利用したアクションを起こし、タワープレートを獲得。
Jg-MidではBCが、BotではDFMがリードをする形で序盤戦を終える。

Botの主導権を完全には渡したくないBCはグレイブスを送りプレッシャーをかけるが、オーバープッシュしたところをHarpの船旅から捕まえて1キル獲得。その直後にもリプレイかのようなHarpのキャッチでもう1キル。
計2キルをDFMに献上し、BCとしては余計に傷を広げてしまう結果になった。

一方そのころ、なんの介入も受けなかったYutaponはトリンダメアでハルブレイカーを完成させ、タワーを追い越してファームをするなどレーンをドミネートしはじめていた。

有利を取ったBotDuoをミッドレーンにローテーションさせたDFMは2体目のリフトヘラルドを獲得。ミッドレーンに召喚して1stタワーを破壊するとその瞬間にStealがEでエンゲージして2キル、さらにミッドの2ndタワーまで破壊してドラゴンまで獲得と、一気にオブジェクトをスノーボールさせていく。

すくすく育ったトリンダメアは、20分過ぎのトップの1stタワーを巡った戦いでは1人でバックラインに飛び込み3v1をしながら2キルしながら自身は生存、23分のミッドレーンでの集団戦ではDiceをボットのタワーに釘付けにする間にローム、集団戦の勝利とバロン、3体目のドラゴン獲得へと貢献した。
BCのチャンピオン、タワーを破壊するだけに飽き足らず、LoLの観戦クライアントまで壊したトリンダメアが最後は気持ちよく泉にダイブを決めてチームを勝利に導いた。

勝ったDFMは15勝2敗。Evi欠場中にしっかり1勝を積めたのは大きくリーグ戦1位抜けに向けて大きく前進した。
Steaのポッピーはカバー、エンゲージとゲーム全体を通して好判断が光った。

負けたBCは9勝8敗。
ボットレーンでの負債を取り返そうとして結果として2デッドしたのが結果としては致命傷で、DFM得意のローテーションの展開に持ち込まれてしまった。
Diceのアカリはプレイのクオリティは高かったもののチャンピオン性能の関係でミッドレーンで主導権がなかなか取れず、FlawlesSのグレイブスを活かすチーム構成とはフィットしなかった。



CrestGamingAct vs RascalJester





RJのボットレーンはレーン戦で有利を作りたいピックで、CGAもそれに対抗すべくレーン戦開始前にワードを消したりと対策を取ってのゲームスタート、
RJもウェーブを押し切ってからクルーグにワードを置くことでリー・シンのガンクをケアするなど、お互いに事前に用意してきた作戦を出し合ってボットレーンが進行する中、最初にキルは発生したのはミッドレーン。
KaitoがRecapにプレッシャーをかけに行ったところをhacamechaがガンクし、キル発生。Ssolが置いたワードでCassinのルートとリコールタイミングが予測できたから生まれたプレイだった。

ボットとジャングル間でリードを得たRJは1体目のドラゴンを確保、しかしそのタイミングでCGAのボットレーンが仕掛ける。NemohがフックでSsolを捕まえるとHybriDはその少し後ろにパックンチョッパーを配置。
これが絶妙な位置で、Eで逃げようとするSsolにヒット。リー・シンがQで追撃に来たところをhachamechaがボディブロックするなどRJ側にいいプレイも出たがKaitoの寄りも間に合って2-1でCGAがトレード勝ちに成功する。

その後も立て続けにボットレーンで戦いが発生するが、hachamehaがCGAの前に壁として立ちはだかる。
12分前の戦いでも直後の2体目のドラゴン後の戦いでもタンクの役割を果たし、RecapやSsolのダメージを出せる時間とスペースを作り出した。
14分時点で、hachamechaは1/1/7とすべてのキルに絡む活躍でチームをけん引。RJが3000gのリードを作って序盤戦を終える。

CGAもやられてばかりではない。15分、ミッドレーンをプッシュしていたケイトリンをシンドラが捕まえ1キル、シャットダウンゴールドを得てビルドを進める。
それをきっかけに2体目のヘラルドを獲得すると、オーバープッシュしてきたRJにまたしてもKaitoがプレッシャーを与える。キルまで至らないもののRJのメンバーの体力を大きく削り、逆にミッドの1stタワーの破壊につなげた。

シンドラ、リー・シンでキャッチを狙うCGAとケイトリンをつかってローテーションでオブジェクトを取りに行くRJ、お互いの長所を活かしてイーブンな展開がしばらく続いたが、23分30秒RJがドラゴンを3スタックさせたことで試合展開が傾く。

5体目のドラゴンが湧くタイミング。へクステックソウルを渡すわけにはいかないCGAは視界を消しに来たアーリに対しノーチラスがフックを当てて集団戦開始。
CGAはすかさずシンドラのQEコンボとジンクスのパックンチョッパーを重ねるが、これをRecapが砂時計で回避。
これによってエンゲージを返せるスキルがなくなったのをRJは見逃さなかった。すかさずSecretがシュレリアの戦歌を発動させてエンゲージ。
敵対的買収で相手の動ける範囲を制限すると、逃げ場を失ったCGAのメンバーにボリベアの嵐を起こす者が直撃。陣形が乱れたところにRecapがスピリットラッシュで詰め寄るとKaitoにチャームを当てて捕まえる。
レナータ・グラスクの陣形を乱すことに長けた能力がいかんなく発揮された集団戦となった。

へクステックソウルとバロンバフを手に入れたRJが、途中怪しいエルダーファイトなどもあったものの、優勢まま押し切り、ゲームに勝利した。

RJは連勝を10に伸ばして13勝4敗。
Ssolがハイパーキャリー系ではなくシステム的にリードを取っていくケイトリンで結果を残せたのはプレーオフに向けて大きな収穫。
hachamechaも3巡目に入ってから非常にパフォーマンスがよく、特に相手のJgの動きを読んでのカバーが鋭い。

CGAは8勝9敗。
Kaitoのシンドラ、Cassinのリー・シンともにいいプレイを見せていたが、ケイトリンの押し付けからRJにドラゴンをスタックされる展開になったのが5体目のドラゴンファイトで焦ってしまった要因だろう。



SoftbankHawksGaming vs V3esports





SHGは基本的にはダイブ構成だがMidライズ、Supセトなので、相手のエンゲージを受けてからカウンターで戦うこともできる構成。
対するV3はジャングルにトランドルをピック。世界大会優勝経験のあるBlankが現メタ最強のへカリムを渡してのこの選択が、どれくらい用意してきた戦略なのか気になるところだ。

序盤Blankはリーシュを手伝って貰ってのボットフルクリアから、Yunikaはクルーグを残して赤→ラプター→青バフというルート選択。
ザヤ・ラカンを持つV3としてはレベル2先行からボットをプッシュして主導権を握りたいためこの選択自体はわかるが、結果としては回り方の問題もあってへカリムがクルーグのスティールに成功。
Blankが差し引き2キャンプ先行する形でゲームがスタートする。

Yunikaはボットレーンがプッシュできていることを利用して1体目のドラゴンを獲得、反対サイドではKinatuがレーンで勝っており、Blankはリフトヘラルドを取ってトレードに持ち込む。

9分40秒、やや危険な立ち位置でファームしていたEugeoに対しBlankがガンク成功でファーストブラッド。
直前のボットサイドのジャングルでのいざこざにへカリムが顔を出さなかったため、ほぼトップサイドにいることは確定していた。
自軍Jgがボットサイドのスカトルを触っていたタイミングでもあったので、Eugeoはもう少しボットのリバー側に身体を寄せてファームしていれば助かっていたかもしれない、惜しいシーンだった。

ミッドにヘラルドを召喚してタワープレートを破壊したBlankはそのままトップサイドの敵ジャングルへと侵入、ナーとのダメージトレードで体力減らしていたアカリを見つけてもう1キル獲得とゲームを積極的に動かしていく。
このシーンもV3はへカリムがトップサイドに姿を消した可能性が高いのを自軍のワードで把握できていたはずで、Washidaiも警戒のためコントロールワードをクルーグブッシュに置きに行ったが、ゴーストとランページを発動させたBlankの寄りの速さを読み間違ってしまった、V3のミスといえるシーンだった。

トップサイドでアクションを起こされたV3はカウンターで2体目のドラゴンを確保するものの、タワープレートでSGに対し8-2と大差をつけられてしまい、グローバルゴールドで3000gのビハインドを背負うことになってしまった。

2体目のヘラルドで起きたファイトではhetelの華麗なる登場をRaina、DasheRがサイドステップで避けるとルーンプリズンで逆にキャッチ。そのまま倒しきって、V3はヘラルドをスマイトで押さえたものの瞳を回収できずに終わってしまう。

こうなるとドラゴンソウルに望みを託すしかないV3だったが、4人で固まってドラゴンを叩き始めたところでSHGは3方向から包囲、スペクターズ・オンスロートとショーストッパーでエンゲージし一気にダメージを与える。
SHGの仕掛けをフェザーストームで躱し、フラッシュで段上に逃げてダメージを出せる状態になったdresscordだったが、トップからTPしてきたナーがメガ化して追撃、間に挟まりにきたYunikaもろとも倒してトリプルキル達成。
遅れて到着したアカリがカイ=サに迫ったもののわずかに届かず。集団戦の結果は5-1のエースとなり、SHGが勝利。ドラゴンとミッドの2ndタワーを獲得してV3初勝利の夢を砕いた。

勝ったSHGは連勝で6勝11敗に。ついにAXZを抜いて6位、プレーオフ圏内に入ってきた。
Blankは序盤についたわずかな差をスノーボールさせていき、中盤以降はYunikaに対し常にレベル先行してゲームを支配した。
Rainaのエンゲージ判断も非常によく、要所でゲームを決めるプレイをみせてくれた。

敗れたV3は0勝17敗。ピックとプレイが噛み合わなかった印象を受けた1戦。
ザヤ・ラカンでボットレーンをコントロールするなら、Jgは分かりやすくタワーダイブできるピックでもよかったのではないかと、傍から見ていてるとそう思ってしまうゲーム内容だった。
hetelもここまでノーチラスで見せていたようなプレイが出来ず、チーム全体が試行錯誤の末に深い霧の中に迷い込んでしまったような試合だった。