LJL観戦メモ2022Spring Day20

March 25, 2022 by lol-cla管理人, Patch 12.5

残すところあと1節、順位も確定しだす第20節

SengokuGaming vs V3esports





SGはトリンダメアのスプリットとコーキのポークを主軸に置いた構成。コーキは久々の登場、パッケージのナーフが痛く、オブジェクトファイトにパッケージを合わせるのが難しくなったため数を減らしていた。
対するV3はジャーバンIV、ラカンをいれたエンゲージ/ダイブ構成だが、気になるのはこのパッチで最重要のジンクスとへカリムを両方SGに渡しているところ。

お互いのJgはトップサイドスタートしたが、Yunikaはクルーグをスキップするルートでボットのリバーに出たためOnceが到着する前にスカトルを確保。
そのままミッドレーンを横断してトップサイドのスカトルも確保して、少しジャングルキャンプをリードする展開でゲームがスタートした。

ただやられっぱなしではないOnceもYunikaがクルーグをやっているはずの時間を利用してライズをガンク、フラッシュを奪って対抗する。

ボットレーンで主導権を取り続けるSGはタム・ケンチが頻繁にレーンを離れてV3のジャングル内にワードを落としていく。
得た視界でジャーバンIVの位置を確認して1体目のドラゴン獲得へとつなげる。

1体目のリフトヘラルドファイトでは先に視界を取ったV3だったが、ボットレーンの優先権を持っていたSGが先にローテーション。ヘラルド前に陣取って攻撃を始める。
阻害しにきたYunikaがパックンチョッパーに引っかかったのを見たOnceが早めにスマイトをきると、体力が240ほど残ってしまい、Yunikaがヘラルドスティール、瞳もhetelがバトルダンスで回収することに成功した。

ビルドにお金がかかるdresscodeのカイ=サを補助するため、ボットレーン中心にYunikaは活動し、Onceを捕まえてアルティメットを吐かせるとそのままリフトヘラルドを召喚。
タワープレート2枚とドラゴンの獲得につなげ、やや苦しい展開だったボットレーンをイーブンに近い状況に戻す。

ボットレーンの優勢を譲りたくないSGはOnceが寄ってガンクを狙うが、オーシャンリフトで追加されるブッシュに身体を隠したYunikaが絶好のタイミングで飛び出す。タワー下でウェーブクリアをしていたdresscodeもキラーヴォイドで駆けつけるとまずはEntyをキル。
Mid同士で比べてもEugeoのロームも速く、この集団戦でV3は3-1のキルトレード、カイ=サがトリプルキルと初勝利に向けて大チャンスが転がり込んできた。

ただハイブリッドビルドのカイ=サはパワースパイクを迎えるまでが非常に長く、トリプルキルを取ったとはいえWの進化までは存在感を発揮しづらい。
少なくともナッシャートゥースが完成するまではゆっくりファームする展開に持ち込みたかったV3だが、2体目のリフトヘラルドに触ったことでSGに集団戦をするチャンスを与えてしまう。
ディスエンゲージをしにいったhetelをバーストアウトして1キル、さらにミッドのタワー下で強引にエンゲージしてきたYunikaを倒してもう1キルと、ファイトで敗れグローバルゴールドでSGに追いつかれてしまう。

お互い一進一退で進んだ5体目のドラゴンファイト。お互いのJgが落ちて4v4の状況でSGがドラゴンにタッチする。
Washidaiのゲージが切れてミニになってしまったV3としてはファイトをするのは難しい状況だったが、ライズはバックTPを選択、しかし残りのメンバーは結局エンゲージをせず、SGはフリーでオーシャンソウルを獲得、逃げ場を失ったEugeoは倒されてしまう。

そのまま流れたバロンではSGがナーのゲージが溜まる瞬間を狙ってエンゲージ。Onceのスペクターズ・オンスロートとPazのトリンダメアでV3の陣形を乱すと、Washidaiをパックンチョッパーで足止めして倒しきる。
追撃でYunika、hetelを倒してバロンも確保、長く拮抗していた天秤が一気にSGサイドに傾いた。

こうなってしまうとトリンダメアを持つSGがローテーション面で圧倒的に有利になり、そのままSGが危なげなくゲームに勝利した。

SGは15勝5敗。
Onceのスマイト漏らしや、やや雑な視界の取り方であわやという展開に持ち込まれたが、その後の集団戦のフォーカスや陣形の組み方は流石だった。
PazのトリンダメアはEviのようにソロレーンでインパクトを出すというよりは集団戦で疑似タンク的な動きが上手く、HoneyやJettがダメージを出すのに貢献した。

V3は0勝20敗。
dresscodeにトリプルキルが入ったところはかなり勝ちに近づいたシーンだったが、カイ=サというチャンピオンの性質をチーム全体で上手く御せなかった。
追いつかれてからはフォーカスやチーム全体の意識に乱れが出て、集団戦だけみればLJL最強といってもいいSGのチーム力の前に破壊されてしまった印象だ。



AXIZ vs RascalJester





RJが1stローテーションでポッピー、ザヤと言うアンチエンゲージチャンピオンを取ったのに対し、AXZは4、5thピックでカミール・ガリオのエンゲージパッケージをチョイス。
お互いの構成が全面でぶつかる形のドラフトだが、ガリオの横の動きをサイラスはRで盗んで対抗できるため、全体的にRJが対応しやすそうなドラフトになった。

3分20秒、ボットサイドのスカトルを巡ってJg同士の小競り合いが発生。ミッドのウェーブクリアで先手を取れるAXZはボットにガリオを寄せることをイメージしてDiceyのフックから仕掛けにいくがこれが空を切る。
即座にSecretのシールド・オブ・デイブレイクからCCで固めてノーチラスを倒したRJはよかったが、AXZはキルが取れる望みが薄いのにMegumiinまで寄せてボットレーンでチェイスをしてしまう。
この間にRecapはミッドレーンに戻ってウェーブクリアを行っていて、これでMid間のCS差とTP差が生まれてしまう。

7分50秒、AXZは今度はトップレーンで仕掛ける。リフトヘラルドのポップ直前かつ、カミール、ヴィエゴともにキルが欲しいチャンピオンということで素直な狙いのガンクと言えるが、これをRJは読み切っていた。
カミールのへクステックアルティメイタムでジェイスを捕まえてヴィエゴのガンクを呼び込んだが、これをhachamechaが鉄槌でカバー。2人を吹き飛ばしてInoの命だけでなく、相手のヘラルドチャンスも奪うスーパープレイだ。

その流れでRJはヘラルドにタッチ。狭い通路を通ってコンテストしようとするAXZのメンバーに対して、Secretがゼニスブレードから仕掛け、ガリオとノーチラスがキーストーンを使わされてしまう。
カミールのRが直前に落ちていることもあってAXZはこれ以上戦うことが出来ず、RJは無血でヘラルドの獲得に成功した。

RJはリフトヘラルドをミッドレーンに召喚。14分過ぎにはミッドの1stタワーを破壊する。これはガリオの英雄降臨を機能させづらいように視界面で重要なタワーを優先してのことだろう。

16分過ぎ、ボットレーンでオーバープッシュしていたSangchuを捕まえたRJに対し、Megumiinは英雄降臨で駆けつける、がこれはRJにとっては計算内。
その間に2体目のリフトヘラルドを獲得、即召喚するとトップのインヒビタータワーまで破壊してオブジェクトを次々に獲得していく。
MegumiinのカバーによりInoを倒すことはできたので、キルトレードは1-1になったが、RJとしては仕掛けの時点でガリオが飛んでもよし、飛ばなくてもよしの詰み状態を作り出していた。

18分の3体目のドラゴン戦ではAXZがYellowYoshiがバックTPして、ガリオと挟みこみ、そこにヴィエゴとノーチラスを放り込む作戦に出たが、RJは冷静に青バフへ続く狭い通路にAXZを誘い込む。
ソーラーフレアと正義の鉄槌でヴィエゴ、ノーチラスの侵入を防ぐと、カミールのヘクステックアルティメイタムはSsolのフェザーストームで対応。
こうしてAXZの仕掛けを完璧にコントロールしきったRJはガリオ、カミールと順番にフォーカスし個別に撃破していく。

ここで3つ目のドラゴンと6500gのゴールド差をつけたRJがその後安全にソウル、バロンバフと獲得していき、そのまま試合に勝利した。

RJは15勝5敗。SGとの5敗ラインでの我慢比べが続いている。
hachamechaのポッピーのパフォーマンスに目が行く試合だったが、彼のプレイ自体もそうだが、チーム全体でポッピーが難しいことをしなくてもRが当てやすい状況を作り続けていたのが印象的だった。

敗れたAXZは5勝15敗。
経験の浅いチームということもあってカミール・ガリオという分かりやすいコンボピックでRJに挑んだが、狙いが簡潔すぎてポッピーとザヤのディスエンゲージ力に跳ね返されてしまった。
YellowYoshiは久々の登場、プレイ自体は無難にこなしていたとおもう。



CrestGamingAct vs DetonationFocusMe





CGAは中盤に重きを置いた集団戦構成。最終的にヨリックを止められるチャンピオンはいないため、積極的にグループアップしてオブジェクトにアクションをかけたい。
対するDFMはEviのヨリックをYaharongのTFがサポートするスプリットプッシュ構成。オブジェクトをある程度渡すのは仕方ないので、序盤にドラゴンを取って相手のドラゴンソウルプランを阻止したい。

ゲーム時間4分、NapとCassinはEviに対してタワーダイブを試みるが、EviはWの壁をつくってタワー下に籠城する。そのタイミングでケネンはとどめを刺すべく、疾風迅雷を発動してしまったため通常攻撃が行えず。
スキルの噛みあいもあってEviは生存し、Stealの自由な時間を確保した。

ドラフトの解説通り、序盤のドラゴンを確保したいDFMは赤バフ裏のブッシュに潜んだHarpがフックをひっかけて集団戦開始。
Kaitoは魔力の奔流をつかってHarpの体力を一気に削るが、イグゾーストが間に合ったこと、Cassinが合わせなかったこともありHarpは体力僅かながら生存する。
そのままチェイスを続けたDFMに対し、HybriDのザヤが背後を取るような形で回り込んだCGAは反転を狙う。
しかしこれをコントロールワードで察知していたDFMは戦闘継続を判断、ザヤの合流前にグレイシャルオーグメントもWもないNemohをフォーカスして落としきる。
レオナが倒れたことによってStealのヴィエゴは乗り移りに成功、体力を回復しつつ無敵で時間を稼ぐことが出来たのがDFMにとって大きかった。
その間にCGAはHybriDがHarpを落とすことに成功するが、DFMはすぐにザヤ、シンドラへとフォーカスを切り替えて次々とキル。Stealを追いかけたCassinはレオナの固さと凱旋での回復で粘り切り、結果4-1のキルトレード。
一気にボットサイドでDFMが主導権を掴む。

ボットレーンで優位をつくったDFMが次に狙うのはトップレーン。
NapにTFとヴィエゴでタワーダイブを成功させて1キル、その間にミッドをプッシュしていたKaitoもキルして、フリーでリフトヘラルドの獲得までつなげた。

その後もノーチラスとヴィエゴが一緒に動いてリードを作っていたDFMだが、2体目のヘラルドタイミングでCGAの逆襲にあう。
レオナとへカリムのエンゲージからTPで飛んできたNapのケネンが滑り込み雷撃の大嵐をきめ、一気に2キル獲得、ミッドの1stタワーも破壊して食らいついていく。

何度かStealを捕まえてポイントを稼いでいったCGAだが、ヨリックのスプリットプッシュを止める手段がない。
ヨリックがボットの2ndタワーを破壊したタイミングで、バロン前のヴィエゴを再び捕まえにきたCGAに対しDFMが反応、ついにEviがTPで合流して3キルとバロン獲得につなげる。

こうなってしまうとCGAはいよいよEviを止められず、そのままDFMが押し切ってゲームに勝利した。

勝ったDFMは18勝2敗。
Eviはメタ外のヨリックピックだったが、チームのサポートもあってゲームをキャリーした。
この作戦はある程度1v1が強くてハルブレイカーを持てるチャンピオンならヨリック以外でも成立するので、対戦相手がバンで対応しづらいのも強い点だ。

CGAは9勝11敗。プレーオフ第5シードの席が確定した。
集団戦の上手さは相変わらずだが、序盤に背負った不利が覆せないという連敗時と同じパターンに陥ってしまった。
ボットジャングルでのファイトが痛手だったが、Stealに対してCassinが先手を取れず後手後手に回る展開になったのもつらかった。




SoftbankHawksGaming vs BurningCore





SHGはキャッチ寄りの構成。集団戦は形をつくるのがやや難しそうだが、Blankのヴィエゴが育ち方次第では強引な仕掛けから1キル取って相手をかく乱するという作戦も採れそう。
対するBCはグラガス、キンドレッド、ノーチラスで相手を分断してアーリとジンクスがダメージを出しやすい環境をつくるカイトやゾーニング系の構成。

4分30秒、一週目のクリアを終えたキンドレッドがファーストリコール後にトップレーンのガンクを狙うが、これをKinatuはワーディングで看破する。
一見トップレーンの好プレーに見えるが直前にBlankがスクライヤーブルームを叩いて敵クルーグがないことを確認していて、このタイミングでキンドレッドがトップサイドに寄ってくる可能性が高いという情報をチームにもたらしていた。

これでFlawlesSの位置が割れたため、Blankはカウンターで相手ボットレーンのジャングルへと入っていきたいところだが、これをFujimotoがスクライヤーブルームを叩いてけん制、お互いにJgの位置をトレースし合うレベルの高い序盤戦になった。

リバーの視界の奪い合いを激しく行いあっていた両チームだが、Yuhiが甘えた位置でリコールしていたのをヴィエゴが見つけるとWで仕掛ける。
同時にレーン側にいたノーチラスもレオナとザヤに狙われBotDuoが連携を取れない状態になったBCは散り散りに逃げることを選択、しかし逃げ先をDasheRがQで追撃してファーストブラッド。
そこからキンドレッド、アーリがMarbleを狙って1-1トレードに持ち込むが、SHGはアグロをうまくコントロールしてBCを翻弄、そのままノーチラス、キンドレッドと倒して3-1とトレード勝ちに成功する。

BCはやや不利な展開になりそうなボットレーンを見切ると、即座にレーンスワップを選択、リフトヘラルドを獲得し、そのままトップレーンに流れてエイトロックスへのガンクを成功させる。

12分前、ジンクスのミスから発生したキルトレードでさらに1キルを獲得したDasheRはこれで3キル目。ライズは彼の得意チャンピオンでもあり、この時間帯以降ミッドレーンでの主導権を握るようになる。

順調にゲームを進めているかに思われたSHGだったが、16分50秒、2体目のドラゴンを巡ったファイトではコミュニケーションエラーが発生してしまう。
ミッドのウェーブを先にクリアしたSHGはミッドにリフトヘラルドを召喚。先にドラゴン前のポジションを取れていたBCだが、これによってミッドレーンの対処か、ドラゴンへのラッシュをするか、不利な二択を強いられることになった。
ここでRainaはキンドレッド、ジンクスが固まっているのを見つけソーラーフレアからのエンゲージを狙う。
しかしこれは結果的に判断ミスとなった。
ミッドタワーにプレッシャーをかけるべくレーン側に多くのプレイヤーを配置していたSHGは対ノーチラスの陣形としては最悪の形で、Fujimotoの錨投げと爆雷発射にDasheR以外の全員が巻き込まれてしまいダメージを出すことが出来ない。
その間にゼニスブレードから突っ込んだRainaが倒され、さらに継続した戦闘でBlankも倒され結果2-0のキルトレード。BCが集団戦を制しドラゴンも獲得する結果に終わった。

24分にキンドレッドがエイトロックスをガンク成功。
ボットに敵Jgが見えたSHGは慌ててバロンを開始するが、レオナがタンクしたことで体力がかなり削れてしまう。
そこにDiceがスピリットラッシュで滑り込むと、タンクできないレオナの代わりにダメージを受けざるを得ないヴィエゴがデッド。Marbleもあわやジンクスを倒せるかというところまで善戦したが僅かに届かずにキルされBCは計3キルを獲得、そのままバロンも確保した。

実はこのシーン、3分前からRayFarkyがボットレーンのウェーブをゆっくりとしたプルウェーブに調整していて、Kinatuが危険な位置でファームせざるを得ない状況を作っていた。
今シーズンRJが良く見せる巧みなミニオンコントロールだが、この試合ではBCがうまくウェーブをコントロールし、エイトロックスだけでなく、バロンまで釣り上げる成果を上げた。

4体目のドラゴンを巡ってミッドレーンで起こった集団戦ではノーチラスのフックがミニオンに当たって前に出たところをSHGのメンバーがフォーカス。
しかし倒しきられる直前にFlawlesSの羊の執行猶予でFujimotoを救出、こうなるとSHGは陣形的にダメージを出せるのがエイトロックスだけになってしまい、そのエイトロックスもDiceとRayFarkyがCCで固めて倒しきる。
アルティメット1つで完全に集団戦の形勢をがらりと変えたFlawlesSの好判断もあって集団戦に3-0で勝利したBCが、そのまま優勢を保ってゲームにも勝利した。

勝利したBCは11勝9敗。プレーオフ第4シードが確定した。
ノーチラスとキンドレッドをつかったスペースづくりが上手く機能した試合だった。
プレーオフを前に新しいカードを切ったことで、対戦相手のドラフト戦略にも変化が出てきそうだ。

敗れたSHGは7勝13敗。
SHGは今シーズン中ずっと、コミュニケーションの課題を抱えてきたが、特に不利な展開の時や想定外のことが起きた時の対応の悪さが目立ち、この試合でもそれが最悪の結果を招いてしまった。