S14新アイテムセットレビュー アサシンアイテム編【Patch14.1b】
APアイテムより問題ありかもしれない、システム面を含めた変更を解説する
こんにちは。
本記事ではこのパッチの主役といってもいいアサシン系アイテムの変更点についてみていこうと思います。
APアイテム編はこちら
ファイターアイテム編はこちら
タンクアイテム編はこちら
アイテムのリメイクもそうですが、一番影響が大きいのは脅威のシステムそのものの変更です。
それに関してはまず冒頭で解説をします。
次にいままでほとんどがセレイテッドダーク派生だった脅威アイテムですが、新たな素材アイテムの追加(復活)によって大きく分けて2系統になったので、それぞれを見ていこうと思います。
削除されたアイテム:
ドラクサーダスクブレード
プローラークロウ
変更のなかったアイテム:
マルモティウスの胃袋
ナイトエッジ(ナイトエッジはパッチノート未記載ですが変更点があったので追記しました)
削除されたアイテムの中でいえばドラクサーダスクブレードが一番の目玉でしょうか。
キルを取ったあとに対象指定不可になれる効果は便利すぎる上に、コストパフォーマンス面でも特別ほかのコアアイテムと比べて劣っていたわけでもないので、脅威アイテムのプールの中で支配的な存在になっていました。
以前の強力なスロウとダメージを与える効果を引き継いだアイテムが登場しているので、そちらに役割を譲った、という感じでしょう。
プロウラークロウはブリンクのアクティブが削除されてからはいまいち影の薄いアイテムになってしまいましたね。
それよりも重要なのは脅威のシステム変更です。
いままでは脅威の数値の一部が所持チャンピオンのレベルでスケールしていたのですが、今シーズンからすべて数値そのままの固定値貫通効果になりました。
例えばいままでレベル9のチャンピオンが脅威10のスタッツを持っていた場合、実際に得られていた物理防御貫通は6+4×9/18=8の物理防御貫通を得ていましたが、
今パッチからはいつ、どのタイミングで買っても脅威10から物理防御貫通10を得られるようになりました。
つまり、スタッツがかわっていないなら全レベル帯で脅威のアイテムはバフされた、ということになります。
そもそもなぜ脅威がこんなに分かりづらいスタッツになっていたかというと、固定物理防御貫通は物理防御を積めていない序・中盤で強すぎるので、アサシン系のチャンピオンのパワースパイクを緩やかに後半にずらすためでした。
脅威実装時はスケールの部分が60%だったり、アイテムの所持者ではなく攻撃された側のレベルを参照していたりと細部では異なる計算式になっていて、そこから様々な調整を経てS13で採用されていた形に落ち着いたという歴史があります。
しかし今回その調整弁をすべて取り払ってしまったので、正直今後脅威関係のアイテムがまともなバランスに落ち着くにはかなり時間を要するのではないかと危惧しています。
デメリットばかり紹介するとあれなので一応擁護しておくと、脅威というスタッツ自体が分かりやすくはなったのはいいことなので、いい感じの落としどころが見つかれば、結果あのとき脅威を変更してよかったね、といえる日が来ることでしょう。
さてまずは帰ってきた万能アイテム、ブルータライザーとその派生アイテムについてみていこうとおもいます。
ブルータライザー自体が脅威とスキルヘイストを同時に持っている素材アイテムなので、当然ですが派生先も脅威とスキルヘイストを両立したアイテムたちになっています。
一方で次の段落で紹介する、セレイテッドダーク派生はスキルヘイストがないアイテムが多めになっています。
総コスト 1337g
レシピ ++212g
攻撃力+25
スキルヘイスト+10
脅威+8
LoLおじさん歓喜の素材アイテム、ブルータライザーが帰ってきました。
1337gもいまのアイテムになれたプレイヤーの方々からすると違和感があるでしょうが、これもかつて実装されていたときと同じ価格設定になっています。
ADスキルファイターがレーン戦でほしいスタッツを一括で手に入れることができるので、若干素材が買いづらい点を除けば相当優秀なアイテムといえるでしょう。(コスパも110%になっています)
このアイテムが優秀すぎるのでセレイテッドダークとコーフィールドウォーハンマーを作った、という経緯があったはずですが・・・まあ辛気臭い話はやめて今は彼の復活を祝いましょう。
値段の不細工さも含めて原点回帰、ノスタルジーで古参ファンのヘイトを軽減ねらってメタをかき乱すのはやめてほしいですけどね。ぶっちゃけ脅威+スキルヘイストのアイテムはブルタラ派生統一、スキルヘイストないほうがダーク派生統一とかなら理解できたんですけど、ダーク派生にもスキルヘイストついてるアイテム残ってるし・・・メリットが少なく、単に初心者にとって分かりづらい仕様になっただけなんですよ。これ
ちなみに素材の輝きのモートは今回実装された250gでスキルヘイスト+5を得る素材アイテムです。
総コスト 2900g
レシピ ++863g
攻撃力+55
脅威+18
スキルヘイスト+15
パッシブ 移動と通常攻撃でエネルギーをためる。ダッシュやステルス状態になるとエネルギーの溜まり方が早まる
パッシブ エネルギーが100溜まった状態での敵への通常攻撃が追加ダメージを与えて、近接の場合99%、遠隔の場合20%のスロウを与える。
かつてのダスクブレードのパッシブが、ストームレイザーやスタティックシヴと同じようなチャージ式で発動するようになったアイテム。
近接での使用を意図してデザインしているようにも見えますが、ダメージ自体は遠隔攻撃タイプのチャンピオンでも同様に与えられるので、ルブランやルシアンといったダッシュの得意な遠隔チャンピオンで試されています。
ちなみにオーンのアップグレード名はソードネイド。某映画を彷彿とさせる名前になっています。
相性のいいチャンピオン:ダッシュやステルス持ちの遠隔攻撃チャンピオン
買うタイミング:1つ目か2つ目
総コスト 3200g
レシピ ++413g
攻撃力+45
脅威+15
スキルヘイスト+15
パッシブ 物理防御貫通が20(+脅威の11%)%を得る。
パッシブ 体力が50%以下の敵に対しダメージを与えるスキルをヒットさせるとスロウを付与する。
スタッツ面ではスキルへイストが5下がり、スロウ効果がヘルスが一定以下の敵にしか作用しなくなりました。
その代わり、脅威が15追加され、物理防御貫通の効果が割合が30%から20%+脅威スケールするようになりました。
パッチノートだと誤記分かりにくい表記になっていますが、1つ目のパッシブは20%+αの割合貫通になっています。
ここで算数のお時間です。興味のある人は開いて読んでみてください。
LoLの物理防御低下の計算式は、
①相手の物理防御固定値低下(コーキのEなど)
②相手の物理防御割合低下(ブラッククリーバーなど)
③割合物理防御貫通(ラストウィスパー系のアイテムなど)
④固定値物理防御貫通(脅威など)
の順番で計算されます。
相手が150の物理防御を持っていて、自分がセリルダ+脅威18のアイテムを持っていると仮定します。
このときの対戦相手の物理防御はリメイク前の場合、
③150-150×0.3=105
④105-18=87
リメイク後の場合、
③150-150×(0.2+33×0.11÷100)=114.5
④114.5-33=81.5
となり、新セリルダのほうがより大きなダメージを与えられることがわかります。
ちなみにこの条件だとおよそ物理防御250を境に旧セリルダのほうがより大きな物理防御貫通を得られるようになるようです。
要約すると今までより早めに買っても効果が大きく、やわらかい相手へのダメージがより増えた変更になっています。
相性のいいチャンピオン:ポーク系チャンピオン、アサシンで対面が固く感じるようになってきたら
買うタイミング:2つ目以降
総コスト 3000g
++563g
攻撃力+55
脅威+18
スキルヘイスト+25
パッシブ ダメージを与えてから3秒以内にそのチャンピオンが倒されると、アルティメットスキルのクールダウンが(10+脅威の30%)%分解消される。
この部分もパッチノートが分かりづらいですが、レシピが変更になったこととパッシブの脅威のスケールが40%から30%にナーフされただけです。
全体でみると若干のナーフですが、そもそも脅威自体がシステム面でバフされている上素材もブルータライザーになったことでより強くなったので、差し引きプラスの変更かなとおもいます。
相性のいいチャンピオン:アルティメットスキル依存度の高いアサシン
買うタイミング:2つ目以降
総コスト 3300g
レシピ ++813g
攻撃力+60
脅威+18
スキルヘイスト+20
アクティブ 周囲の敵に物理ダメージを与える。対象の体力が50%未満の場合、ダメージが増加する。
パッシブ 通常攻撃が周囲のユニットにダメージを与えるように変化する。
アイテムデザインとしてはラヴァナスハイドラとほぼ同じで、ライフスティールが脅威に変わった点とアクティブが体力が低い相手に対して大ダメージを与えるようになっている点が2つの相違点になっています。
アクティブのダメージがかなり高いので、アサシンジャングラーの初手はもちろん、スプリットプッシュのためにミッドアサシンが購入することも出てきそうです。
相性のいいチャンピオン:スノーボールが得意なアサシンジャングラー
買うタイミング:1つ目
さて、次は前パッチでは脅威アイテム素材の主役だったセレイテッドダーク派生のアイテムについてみていきましょう。
こちらは新素材のレクトリクスと合わせて、移動速度があがるものがあったりと派生とは若干趣が異なるアイテムも出てきます。
総コスト 1000g
レシピ ++300g
攻撃力+25
パッシブ 脅威+10
値段が100g下がり、攻撃力が5減りました。
コスパでいうと悪化しましたが、脅威を持つチャンピオンが最初に買うアイテムの1つなのでナーフしておかないとダメージの伸び方がまずい、ということでしょう。
いままで通りやといったほかの素材アイテムより優先してビルドしたいアイテムです。
ちなみにパッシブの脅威+10はユニークなのでみたいなビルドは大損することになるので注意しましょう。
総コスト 900g
レシピ +550g
攻撃力+20
移動速度+4%
移動速度が上がるロングソード派生の素材アイテム。
コストパフォーマンスが優秀なので、合成するタイミングはあまり考えずにお金が余ったタイミングでいいでしょう。
さてここからが本番です。新アイテム2つ、そしてそれ以外の既存アイテムの調整についても見ていきましょう。
総コスト 3000g
レシピ ++900g
攻撃力+60
脅威+18
スキルヘイスト+15
パッシブ 敵チャンピオンをキルすると自分の像を買う特する。すでに像がある場合はアップグレードする。
パッシブ 自分がダメージを与えて3秒以内にチャンピオンがキルされると、90秒間攻撃力が15+像のランクごとに2増加する
かつてSword of the Occultというメジャイソウルスティーラーの攻撃力版のアイテムが存在したのですが、それのマイルドリメイク版といった感じの、キルを取るたびに効果があがっていく脅威アイテム。
(ちなみに体力版もあってリヴァイアサンというアイテム名でした。これは心の鋼の名匠アイテムの名前に引き継がれています)
スタックごとのスケールはそれほどではないものの、購入後しかスタックが溜まっていかないので、できれば初手、遅くとも2手目までには購入したいところです。
しかし、ほかの初手候補と比べると若干高額なのが気になり、なんともむず痒い絶妙な調整になっています。
強化時間は1分と集団戦を戦いきるには十分な時間なので、キャッチなどから1キル取って一気にスノーボールを狙うようなチャンピオンで採用したいですね。
なお、現在このアイテムをオーンにアップグレードしてもらうと、パッシブの発動時間が60秒になってしまうバグがあるようです。
さすがにバグだとおもうので次パッチには治ると思いますがご注意を。
相性のいいチャンピオン:キャッチスキルや単体バーストにすぐれたチャンピオン
買うタイミング:1つ目か2つ目
総コスト 2700g
レシピ ++800g
攻撃+55
脅威+18
移動速度+5%
パッシブ 8秒間非戦闘状態が続くと脅威が増加し、戦闘が開始後もチャンピオンにダメージを与えてから3秒間持続する。
パッシブ チャンピオンにダメージを与えてから3秒以内にその対象がデスすると、移動速度が大きく増加する。
奇襲やポークに使いやすい1つ目のパッシブとカイトやチェイスに使いやすい2つ目のパッシブということで、脅威ADCからアサシンまで幅広く採用できそうな新アイテム。
弱点としてはスキルヘイストが得られない点と全く同じ値段の妖夢の霊剣と比べて物理攻撃力が5低いので、3秒経過後はのほうがダメージが高くなる点です。
パッシブ発動時に得られる脅威がレベルスケールなこともあって、2番目以降に積んだほうが効率が若干よくなります。
ちなみにこのアイテムもパッチノートでは素材名が誤字していました。
相性のいいチャンピオン:ポークの出来るチャンピオン、アサシン
買うタイミング:2つ目以降
総コスト 2700g
レシピ ++800g
攻撃力+60
脅威+18
アクティブ 移動速度が上昇し、ゴースト化する
パッシブ 非戦闘時に移動速度が増加する
このアイテムもパッチノートに誤記があり(未訂正)、合成費が正しくは800gになっています。
変更点としては400g値下げされたかわりに、スキルヘイストが削除され、アクティブの移動速度上昇量が低下、パッシブの脅威ボーナスもなくなりました。(これはオポチュニティーに移動した感じですね)
素材も値段も同じでオポチュニティーの兄弟アイテムといった感じです。
前項でも触れたように汎用性が高いのはこちらのほうなので、迷ったらこっちを買っておけばいいでしょう。
相性のいいチャンピオン:アサシン、脅威ADC全般
買うタイミング:1つ目
総コスト 3100g
レシピ +++625g
攻撃力+60
脅威+16
クリティカル率+20%
(パッシブは変更なしですが一応載せておきます)
パッシブ 体力5%未満に体力を低下されるダメージを与えると、その敵チャンピオンにトドメを刺す。キルを取ると追加で25g獲得する。
パッチ14.1実装直後は攻撃力が5増え、脅威が2減るだけでしたが、さすがに強すぎたのかHotfixで100g値上げされました。
それでも脅威のバフ分を考えるとまだまだ強いアイテムで、攻撃速度がそれほど必要のないADCから近接アサシンまで幅広く2つ目のアイテム候補として採用されそうです。
相性のいいチャンピオン:攻撃速度がいらないADC、アサシンなど
買うタイミング:基本的には2つ目以降(ドレイブンなどでは1つ目で買ってもよさそう)
総コスト 2600g
レシピ ++500g
攻撃力+50
脅威+15
スキルヘイスト+15
パッシブ 敵のワードに発見されると周りの罠やワードを可視化し無効化する。通常攻撃がワードに近接は3、遠隔だと2ダメージを与えるようになる。
300g値上がりしたのに対し、得たのが脅威2とワードへの追加ダメージのみとかなりナーフされました。
スタッツがあがっていないこともそうですが、ジャングラーやサポートなどお金がないロールが買うアイテムなので、値上がり自体がかなりきついですね。
とはいえワードを消せる効果は唯一無二ですし、買っていたチャンピオン(特にサポート)は継続してこのアイテムを採用し続けることになりそうです。
相性のいいチャンピオン:脅威を積めるサポートチャンピオン、アサシンジャングラー
買うタイミング:1つ目
総コスト 2500g
レシピ ++525g
以下変更なしのため省略。
このアイテムの項もパッチノートに誤記があり、そもそもこのアイテムに存在しなかったスキルヘイストがあったことにされていました。
どういうこっちゃ・・・。
結論だけいうと100gだけ値下げされました。脅威がバフされたこと考えるとこのアイテムも価値は上昇しているので相手にシールドが多いときは買ってみてもいいくらいの強さはあるでしょう。
相性のいいチャンピオン:相手にシールド持ちが多い場合
買うタイミング:3つ目以降
総コスト 2800g
レシピ ++700g
攻撃力+50
体力+250
脅威+15
(パッシブは変更ありませんが念のため載せておきます)
パッシブ スペルシールドを獲得する。
パッチノート完全未記載ですが、ナイトエッジにも変更が入っています。
総コストが100g下がり、ヘルスが75減、対して脅威が+15されたのでより攻撃的なアイテムになったとおもいます。
パッチノートの序文にあった通り、脅威系のアイテムの防御性能を取り除く一環なんでしょうね。
相性のいいチャンピオン:アサシン全般
買うタイミング:3つ目以降
すでにファイターアイテムの記事で消化したアイテムですが、脅威を積むチャンピオンと無関係ではないものを2つピックアップして併記しておきます。
総コスト 3200g
レシピ ++950g
物理防御+45
攻撃力+55
パッシブ 体力が0になった時、4秒間固有時停止状態になり復活する。復活するときは体力を50%、マナを100%回復する。
値段が高くなった代わりに、攻撃力が10、物理防御が5、復活時にマナが全回復するようになりました。
ただこのアイテムはステータスやマナ回復を求めて買うことは稀で、値段が高くなり素材からストップウォッチが無くなったというデメリットのほうがはるかに大きいでしょう。
さらに史上最弱の素材アイテムスチールシジルを買わされることになる、と今回のアイテムリワークのなかで最も弱体化したアイテムになってしまいました。
相性のいいチャンピオン:ADC、アサシン
買うタイミング:最後
総コスト 2800g
レシピ +++800g
攻撃力+70
スキルヘイスト+15
パッシブ 1.5秒以内に異なる2つの通常攻撃またはスキルでチャンピオンにダメージを与えると最大体力の割合ダメージを与え、シールドを獲得する。
脅威が取り除かれ、攻撃力とスキルヘイストしかもらえない珍しい武器になりました。
脅威がないことがどれくらい影響を及ぼすのか、一般的な脅威武器の攻撃力+55、脅威18というアイテムとこのアイテムとでダメージ比較をしてみました。
出来るだけに有利になるよう、ADレートの高い(115%)パンテオンのQで計算してみたところ、相手の物理防御が170を超えるとのほうがダメージ面で上回る、という結果になりました。
もちろんパッシブは優秀なので、細かいシールドを活かしながら戦える、もしくはADレートの高い魔法ダメージスキルを持っているチャンピオンならこのアイテムがマッチしそうです。
相性のいいチャンピオン:リヴェンなど
買うタイミング:2つ目以降(合うチャンピオンなら1つ目から)
お疲れさまでした。
今回は脅威のシステム自体が変わったので、ややこしい話が多くてすみません。
面倒な理論は飛ばして実践的な話をすると一般的な脅威を欲しがるチャンピオンでは妖夢の霊剣かプロフェインハイドラが初手で選ばれがちで、一部悪用出来るチャンピオンではボルテイクサイクロソードなどが良く選ばれているようです。
本文中でもお話しましたが、まだまだ調整が続きそうなアイテムたちが多いので、変更が落ち着いたタイミングでもう一度アイテムセットを精査する必要があるかもしれませんね。
次回はサポートアイテムの紹介です。
ようやく終わりが見えてきました。
それではまた。
本記事ではこのパッチの主役といってもいいアサシン系アイテムの変更点についてみていこうと思います。
APアイテム編はこちら
ファイターアイテム編はこちら
タンクアイテム編はこちら
アイテムのリメイクもそうですが、一番影響が大きいのは脅威のシステムそのものの変更です。
それに関してはまず冒頭で解説をします。
次にいままでほとんどがセレイテッドダーク派生だった脅威アイテムですが、新たな素材アイテムの追加(復活)によって大きく分けて2系統になったので、それぞれを見ていこうと思います。
削除されたアイテムと脅威システムの変更
削除されたアイテム:
ドラクサーダスクブレード
プローラークロウ
変更のなかったアイテム:
マルモティウスの胃袋
削除されたアイテムの中でいえばドラクサーダスクブレードが一番の目玉でしょうか。
キルを取ったあとに対象指定不可になれる効果は便利すぎる上に、コストパフォーマンス面でも特別ほかのコアアイテムと比べて劣っていたわけでもないので、脅威アイテムのプールの中で支配的な存在になっていました。
以前の強力なスロウとダメージを与える効果を引き継いだアイテムが登場しているので、そちらに役割を譲った、という感じでしょう。
プロウラークロウはブリンクのアクティブが削除されてからはいまいち影の薄いアイテムになってしまいましたね。
それよりも重要なのは脅威のシステム変更です。
いままでは脅威の数値の一部が所持チャンピオンのレベルでスケールしていたのですが、今シーズンからすべて数値そのままの固定値貫通効果になりました。
例えばいままでレベル9のチャンピオンが脅威10のスタッツを持っていた場合、実際に得られていた物理防御貫通は6+4×9/18=8の物理防御貫通を得ていましたが、
今パッチからはいつ、どのタイミングで買っても脅威10から物理防御貫通10を得られるようになりました。
つまり、スタッツがかわっていないなら全レベル帯で脅威のアイテムはバフされた、ということになります。
そもそもなぜ脅威がこんなに分かりづらいスタッツになっていたかというと、固定物理防御貫通は物理防御を積めていない序・中盤で強すぎるので、アサシン系のチャンピオンのパワースパイクを緩やかに後半にずらすためでした。
脅威実装時はスケールの部分が60%だったり、アイテムの所持者ではなく攻撃された側のレベルを参照していたりと細部では異なる計算式になっていて、そこから様々な調整を経てS13で採用されていた形に落ち着いたという歴史があります。
しかし今回その調整弁をすべて取り払ってしまったので、正直今後脅威関係のアイテムがまともなバランスに落ち着くにはかなり時間を要するのではないかと危惧しています。
デメリットばかり紹介するとあれなので一応擁護しておくと、脅威というスタッツ自体が分かりやすくはなったのはいいことなので、いい感じの落としどころが見つかれば、結果あのとき脅威を変更してよかったね、といえる日が来ることでしょう。
ブルータライザー派生のアイテム
さてまずは帰ってきた万能アイテム、ブルータライザーとその派生アイテムについてみていこうとおもいます。
ブルータライザー自体が脅威とスキルヘイストを同時に持っている素材アイテムなので、当然ですが派生先も脅威とスキルヘイストを両立したアイテムたちになっています。
一方で次の段落で紹介する、セレイテッドダーク派生はスキルヘイストがないアイテムが多めになっています。
ブルータライザー
総コスト 1337g
レシピ ++212g
攻撃力+25
スキルヘイスト+10
脅威+8
LoLおじさん歓喜の素材アイテム、ブルータライザーが帰ってきました。
1337gもいまのアイテムになれたプレイヤーの方々からすると違和感があるでしょうが、これもかつて実装されていたときと同じ価格設定になっています。
ADスキルファイターがレーン戦でほしいスタッツを一括で手に入れることができるので、若干素材が買いづらい点を除けば相当優秀なアイテムといえるでしょう。(コスパも110%になっています)
このアイテムが優秀すぎるのでセレイテッドダークとコーフィールドウォーハンマーを作った、という経緯があったはずですが・・・まあ辛気臭い話はやめて今は彼の復活を祝いましょう。
ちなみに素材の輝きのモートは今回実装された250gでスキルヘイスト+5を得る素材アイテムです。
ボルテイクサイクロソード
総コスト 2900g
レシピ ++863g
攻撃力+55
脅威+18
スキルヘイスト+15
パッシブ 移動と通常攻撃でエネルギーをためる。ダッシュやステルス状態になるとエネルギーの溜まり方が早まる
パッシブ エネルギーが100溜まった状態での敵への通常攻撃が追加ダメージを与えて、近接の場合99%、遠隔の場合20%のスロウを与える。
かつてのダスクブレードのパッシブが、ストームレイザーやスタティックシヴと同じようなチャージ式で発動するようになったアイテム。
近接での使用を意図してデザインしているようにも見えますが、ダメージ自体は遠隔攻撃タイプのチャンピオンでも同様に与えられるので、ルブランやルシアンといったダッシュの得意な遠隔チャンピオンで試されています。
ちなみにオーンのアップグレード名はソードネイド。某映画を彷彿とさせる名前になっています。
相性のいいチャンピオン:ダッシュやステルス持ちの遠隔攻撃チャンピオン
買うタイミング:1つ目か2つ目
セリルダの怨恨
総コスト 3200g
レシピ ++413g
攻撃力+45
脅威+15
スキルヘイスト+15
パッシブ 物理防御貫通が20(+脅威の11%)%を得る。
パッシブ 体力が50%以下の敵に対しダメージを与えるスキルをヒットさせるとスロウを付与する。
スタッツ面ではスキルへイストが5下がり、スロウ効果がヘルスが一定以下の敵にしか作用しなくなりました。
その代わり、脅威が15追加され、物理防御貫通の効果が割合が30%から20%+脅威スケールするようになりました。
パッチノートだと
ここで算数のお時間です。興味のある人は開いて読んでみてください。
LoLの物理防御低下の計算式は、
①相手の物理防御固定値低下(コーキのEなど)
②相手の物理防御割合低下(ブラッククリーバーなど)
③割合物理防御貫通(ラストウィスパー系のアイテムなど)
④固定値物理防御貫通(脅威など)
の順番で計算されます。
相手が150の物理防御を持っていて、自分がセリルダ+脅威18のアイテムを持っていると仮定します。
このときの対戦相手の物理防御はリメイク前の場合、
③150-150×0.3=105
④105-18=87
リメイク後の場合、
③150-150×(0.2+33×0.11÷100)=114.5
④114.5-33=81.5
となり、新セリルダのほうがより大きなダメージを与えられることがわかります。
ちなみにこの条件だとおよそ物理防御250を境に旧セリルダのほうがより大きな物理防御貫通を得られるようになるようです。
要約すると今までより早めに買っても効果が大きく、やわらかい相手へのダメージがより増えた変更になっています。
相性のいいチャンピオン:ポーク系チャンピオン、アサシンで対面が固く感じるようになってきたら
買うタイミング:2つ目以降
アクシオムアーク
総コスト 3000g
++563g
攻撃力+55
脅威+18
スキルヘイスト+25
パッシブ ダメージを与えてから3秒以内にそのチャンピオンが倒されると、アルティメットスキルのクールダウンが(10+脅威の30%)%分解消される。
この部分もパッチノートが分かりづらいですが、レシピが変更になったこととパッシブの脅威のスケールが40%から30%にナーフされただけです。
全体でみると若干のナーフですが、そもそも脅威自体がシステム面でバフされている上素材もブルータライザーになったことでより強くなったので、差し引きプラスの変更かなとおもいます。
相性のいいチャンピオン:アルティメットスキル依存度の高いアサシン
買うタイミング:2つ目以降
プロフェインハイドラ ※Hotfixでバフ
総コスト 3300g
レシピ ++813g
攻撃力+60
脅威+18
スキルヘイスト+20
アクティブ 周囲の敵に物理ダメージを与える。対象の体力が50%未満の場合、ダメージが増加する。
パッシブ 通常攻撃が周囲のユニットにダメージを与えるように変化する。
アイテムデザインとしてはラヴァナスハイドラとほぼ同じで、ライフスティールが脅威に変わった点とアクティブが体力が低い相手に対して大ダメージを与えるようになっている点が2つの相違点になっています。
アクティブのダメージがかなり高いので、アサシンジャングラーの初手はもちろん、スプリットプッシュのためにミッドアサシンが購入することも出てきそうです。
相性のいいチャンピオン:スノーボールが得意なアサシンジャングラー
買うタイミング:1つ目
セレイテッドダーク派生のアイテム
さて、次は前パッチでは脅威アイテム素材の主役だったセレイテッドダーク派生のアイテムについてみていきましょう。
こちらは新素材のレクトリクスと合わせて、移動速度があがるものがあったりと派生とは若干趣が異なるアイテムも出てきます。
セレイテッドダーク
総コスト 1000g
レシピ ++300g
攻撃力+25
パッシブ 脅威+10
値段が100g下がり、攻撃力が5減りました。
コスパでいうと悪化しましたが、脅威を持つチャンピオンが最初に買うアイテムの1つなのでナーフしておかないとダメージの伸び方がまずい、ということでしょう。
いままで通りやといったほかの素材アイテムより優先してビルドしたいアイテムです。
ちなみにパッシブの脅威+10はユニークなのでみたいなビルドは大損することになるので注意しましょう。
レクトリクス
総コスト 900g
レシピ +550g
攻撃力+20
移動速度+4%
移動速度が上がるロングソード派生の素材アイテム。
コストパフォーマンスが優秀なので、合成するタイミングはあまり考えずにお金が余ったタイミングでいいでしょう。
さてここからが本番です。新アイテム2つ、そしてそれ以外の既存アイテムの調整についても見ていきましょう。
ヒュプリス ※Hotfixでバフ
総コスト 3000g
レシピ ++900g
攻撃力+60
脅威+18
スキルヘイスト+15
パッシブ 敵チャンピオンをキルすると自分の像を買う特する。すでに像がある場合はアップグレードする。
パッシブ 自分がダメージを与えて3秒以内にチャンピオンがキルされると、90秒間攻撃力が15+像のランクごとに2増加する
かつてSword of the Occultというメジャイソウルスティーラーの攻撃力版のアイテムが存在したのですが、それのマイルドリメイク版といった感じの、キルを取るたびに効果があがっていく脅威アイテム。
(ちなみに体力版もあってリヴァイアサンというアイテム名でした。これは心の鋼の名匠アイテムの名前に引き継がれています)
スタックごとのスケールはそれほどではないものの、購入後しかスタックが溜まっていかないので、できれば初手、遅くとも2手目までには購入したいところです。
しかし、ほかの初手候補と比べると若干高額なのが気になり、なんともむず痒い絶妙な調整になっています。
強化時間は1分と集団戦を戦いきるには十分な時間なので、キャッチなどから1キル取って一気にスノーボールを狙うようなチャンピオンで採用したいですね。
なお、現在このアイテムをオーンにアップグレードしてもらうと、パッシブの発動時間が60秒になってしまうバグがあるようです。
さすがにバグだとおもうので次パッチには治ると思いますがご注意を。
相性のいいチャンピオン:キャッチスキルや単体バーストにすぐれたチャンピオン
買うタイミング:1つ目か2つ目
オポチュニティー
総コスト 2700g
レシピ ++800g
攻撃+55
脅威+18
移動速度+5%
パッシブ 8秒間非戦闘状態が続くと脅威が増加し、戦闘が開始後もチャンピオンにダメージを与えてから3秒間持続する。
パッシブ チャンピオンにダメージを与えてから3秒以内にその対象がデスすると、移動速度が大きく増加する。
奇襲やポークに使いやすい1つ目のパッシブとカイトやチェイスに使いやすい2つ目のパッシブということで、脅威ADCからアサシンまで幅広く採用できそうな新アイテム。
弱点としてはスキルヘイストが得られない点と全く同じ値段の妖夢の霊剣と比べて物理攻撃力が5低いので、3秒経過後はのほうがダメージが高くなる点です。
パッシブ発動時に得られる脅威がレベルスケールなこともあって、2番目以降に積んだほうが効率が若干よくなります。
ちなみにこのアイテムもパッチノートでは素材名が誤字していました。
相性のいいチャンピオン:ポークの出来るチャンピオン、アサシン
買うタイミング:2つ目以降
妖夢の霊剣
総コスト 2700g
レシピ ++800g
攻撃力+60
脅威+18
アクティブ 移動速度が上昇し、ゴースト化する
パッシブ 非戦闘時に移動速度が増加する
このアイテムもパッチノートに誤記があり(未訂正)、合成費が正しくは800gになっています。
変更点としては400g値下げされたかわりに、スキルヘイストが削除され、アクティブの移動速度上昇量が低下、パッシブの脅威ボーナスもなくなりました。(これはオポチュニティーに移動した感じですね)
素材も値段も同じでオポチュニティーの兄弟アイテムといった感じです。
前項でも触れたように汎用性が高いのはこちらのほうなので、迷ったらこっちを買っておけばいいでしょう。
相性のいいチャンピオン:アサシン、脅威ADC全般
買うタイミング:1つ目
コレクター ※Hotfixでナーフ
総コスト 3100g
レシピ +++625g
攻撃力+60
脅威+16
クリティカル率+20%
(パッシブは変更なしですが一応載せておきます)
パッシブ 体力5%未満に体力を低下されるダメージを与えると、その敵チャンピオンにトドメを刺す。キルを取ると追加で25g獲得する。
パッチ14.1実装直後は攻撃力が5増え、脅威が2減るだけでしたが、さすがに強すぎたのかHotfixで100g値上げされました。
それでも脅威のバフ分を考えるとまだまだ強いアイテムで、攻撃速度がそれほど必要のないADCから近接アサシンまで幅広く2つ目のアイテム候補として採用されそうです。
相性のいいチャンピオン:攻撃速度がいらないADC、アサシンなど
買うタイミング:基本的には2つ目以降(ドレイブンなどでは1つ目で買ってもよさそう)
アンブラルグレイブ
総コスト 2600g
レシピ ++500g
攻撃力+50
脅威+15
スキルヘイスト+15
パッシブ 敵のワードに発見されると周りの罠やワードを可視化し無効化する。通常攻撃がワードに近接は3、遠隔だと2ダメージを与えるようになる。
300g値上がりしたのに対し、得たのが脅威2とワードへの追加ダメージのみとかなりナーフされました。
スタッツがあがっていないこともそうですが、ジャングラーやサポートなどお金がないロールが買うアイテムなので、値上がり自体がかなりきついですね。
とはいえワードを消せる効果は唯一無二ですし、買っていたチャンピオン(特にサポート)は継続してこのアイテムを採用し続けることになりそうです。
相性のいいチャンピオン:脅威を積めるサポートチャンピオン、アサシンジャングラー
買うタイミング:1つ目
毒蛇の牙 ※Hotfixで誤記が訂正
総コスト 2500g
レシピ ++525g
以下変更なしのため省略。
このアイテムの項もパッチノートに誤記があり、そもそもこのアイテムに存在しなかったスキルヘイストがあったことにされていました。
どういうこっちゃ・・・。
結論だけいうと100gだけ値下げされました。脅威がバフされたこと考えるとこのアイテムも価値は上昇しているので相手にシールドが多いときは買ってみてもいいくらいの強さはあるでしょう。
相性のいいチャンピオン:相手にシールド持ちが多い場合
買うタイミング:3つ目以降
ナイトエッジ ※パッチノート未記載
総コスト 2800g
レシピ ++700g
攻撃力+50
体力+250
脅威+15
(パッシブは変更ありませんが念のため載せておきます)
パッシブ スペルシールドを獲得する。
パッチノート完全未記載ですが、ナイトエッジにも変更が入っています。
総コストが100g下がり、ヘルスが75減、対して脅威が+15されたのでより攻撃的なアイテムになったとおもいます。
パッチノートの序文にあった通り、脅威系のアイテムの防御性能を取り除く一環なんでしょうね。
相性のいいチャンピオン:アサシン全般
買うタイミング:3つ目以降
脅威アイテム以外のアイテムの変更
すでにファイターアイテムの記事で消化したアイテムですが、脅威を積むチャンピオンと無関係ではないものを2つピックアップして併記しておきます。
ガーディアンエンジェル
総コスト 3200g
レシピ ++950g
物理防御+45
攻撃力+55
パッシブ 体力が0になった時、4秒間固有時停止状態になり復活する。復活するときは体力を50%、マナを100%回復する。
値段が高くなった代わりに、攻撃力が10、物理防御が5、復活時にマナが全回復するようになりました。
ただこのアイテムはステータスやマナ回復を求めて買うことは稀で、値段が高くなり素材からストップウォッチが無くなったというデメリットのほうがはるかに大きいでしょう。
さらに史上最弱の素材アイテムスチールシジルを買わされることになる、と今回のアイテムリワークのなかで最も弱体化したアイテムになってしまいました。
相性のいいチャンピオン:ADC、アサシン
買うタイミング:最後
赤月の刃
総コスト 2800g
レシピ +++800g
攻撃力+70
スキルヘイスト+15
パッシブ 1.5秒以内に異なる2つの通常攻撃またはスキルでチャンピオンにダメージを与えると最大体力の割合ダメージを与え、シールドを獲得する。
脅威が取り除かれ、攻撃力とスキルヘイストしかもらえない珍しい武器になりました。
脅威がないことがどれくらい影響を及ぼすのか、一般的な脅威武器の攻撃力+55、脅威18というアイテムとこのアイテムとでダメージ比較をしてみました。
出来るだけに有利になるよう、ADレートの高い(115%)パンテオンのQで計算してみたところ、相手の物理防御が170を超えるとのほうがダメージ面で上回る、という結果になりました。
もちろんパッシブは優秀なので、細かいシールドを活かしながら戦える、もしくはADレートの高い魔法ダメージスキルを持っているチャンピオンならこのアイテムがマッチしそうです。
相性のいいチャンピオン:リヴェンなど
買うタイミング:2つ目以降(合うチャンピオンなら1つ目から)
おわりに
お疲れさまでした。
今回は脅威のシステム自体が変わったので、ややこしい話が多くてすみません。
面倒な理論は飛ばして実践的な話をすると一般的な脅威を欲しがるチャンピオンでは妖夢の霊剣かプロフェインハイドラが初手で選ばれがちで、一部悪用出来るチャンピオンではボルテイクサイクロソードなどが良く選ばれているようです。
本文中でもお話しましたが、まだまだ調整が続きそうなアイテムたちが多いので、変更が落ち着いたタイミングでもう一度アイテムセットを精査する必要があるかもしれませんね。
次回はサポートアイテムの紹介です。
ようやく終わりが見えてきました。
それではまた。
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