WCS2017 注目チャンピオン、プレイヤー紹介(トップレーン編)

September 15, 2017 by lol-cla管理人, Patch 7.18

Worlds2017のみどころを紹介します。
9月23日から、いよいよLoLの今年の世界一を決める戦い、world championship 2017が開幕します。
日本からはSummer Splitで優勝を果たしたRampageが出場しています。

Rampageはプレイ・インステージと呼ばれる予選ラウンドからの参加で、登場するのはDay3、9月25日からになります。
詳しい日程はこちら

同リーグになったのはLMS(台湾リーグ)の3位であるHongKongAttitudeとTCL(トルコリーグ)の優勝チームである1907 Fenerbahçe e-Sporとなっています。
どちらも強敵ですが、ここで2位以上に入ると次のステージへと進むことが出来るので、彼らの健闘を祈りたいと思います。

さて、今年のWCSは現在ライブパッチとして使われているPatch7.18で試合が行われることが決まっています。
オーンはリリース間もないチャンピオンということで使用禁止、その他の制限はありません。
(まあ仮にオーンが使えたとしてもピックするチームがあったかは定かではないですね・・・)

そこで本記事では、パッチがあたったことを受けていままでピック候補上位だったチャンピオンが引き続きピックされるのか、あるいは消えていくのか、新しいチャンピオンは出てくるのか、といった観点で書いてみました。
文末には各レーンの個人的に注目しているプレイヤーも数名紹介していきますので、そちらも併せて見ていただければと思います。

ジャングル編はこちら
ミッドレーン編はこちら
ADC編はこちら
サポート編はこちら


パッチ7.18のおさらい



Patch7.18でのトップレーンの変更点は以下の通りです。

バフ フィオラ、(ノーチラス)

ナーフ ジャーバンIV、ナー、(グラガス)

アイテムの変更 なし

最も影響が大きいのはフィオラのバフでしょう。
多くのタンクチャンピオンに対してスノーボール可能なファイターで、今シーズン中期はメタゲームを支配していました。
結果トップレーンはレネクトンなどのファイターが中心であまりタンクがピックされてこなかったという経緯があります。

ところがシーズン後半に入ると、ブランブルベストの追加やフィオラのナーフによって、マオカイやチョガスといったタンクが復権していったわけです。

しかしここにきてフィオラが大きくバフされ、一気にトップレーンのメタは混沌としてきました。
各チームのコーチアナリストは、この孤高のデュエリストに対してBAN枠を割くのか、自分たちで取るのか、はたまた取らせてカウンターを狙うのか、頭を悩ませていることでしょう。

ナーのナーフに関しては彼の項でも触れますが、メタ全体への影響という点ではフィオラのバフよりは影響が少ないでしょう。
グラガスに関してはジャングラーの回に詳しく触れますが、一応トップでもピックされるので名前を出しておきました。
ノーチラスも同様です。彼はサポートの回で少しコメントをしようとおもっています。


メタチャンピオンたちのピック予報



それでは個別のチャンピオンとピックされるかどうかの予想、一言コメントに移っていこうと思います。
いままでと比べてピックが増えそうかどうかをなんとなく天気に例えて表してみました。
それではまずはマオカイから。

マオカイ



WCSピック予報: 曇り やや数を減らすかもしれませんが確実にピックされるでしょう。

マオカイは、堅実なイニシエーターであり、レーニングも安定していて、ジャングルとしてもピックできる柔軟性を兼ね揃えています。
フィオラやカミールにはやや弱く、BAN/PICKの際には多少の工夫を擁します。ただそれでもマオカイ自身の価値は下がっていないと考えています。
タンキージャングラーの価値が目減りすることを考えるとプロテクトADCのような構成ではトップにタンクを配置せざるを得ないですし、トップにタンクを置くとなれば一番優先されるのはこのマオカイをおいて他にはないでしょう。



チョ=ガス



WCSピック予報: 晴れ いままで通りピックされるでしょう

かなりつらい相手だったナーがナーフされたのはチョ=ガスにとってはうれしい出来事でした。
バフされたフィオラはナー同様きつめの相手ですがパワースパイクは後半よりで、そのころにはチョ=ガスの捕食の威力が上がる関係で他の1チャンプ、具体的にはロームが得意なミッドレーナー、タリヤやカサディンなどと組み合わせることで、フィオラのスプリットプッシュに対応することが容易になっていきます。
ただし、タンクジャングラーが少し弱くなった影響で、リー・シンのような序盤からダイブ出来るジャングラーのピックが増えると、ファイターのスノーボールを止められない懸念はあります。
マオカイと比較するとややハイリスクハイリターンなピックといえるでしょう。
相変わらずシェンの対応には苦労しそうなので、彼をどう扱うかがBAN/PICKでは重要になってくるでしょう。


シェン



WCSピック予報: 快晴 いままで以上にピックされるでしょう

ジャングラーの項でも触れますが、グラガスというイニシエートにもピールにも回れる万能チャンピオンが手痛いナーフを受け数を減らしそうなこともあって、イニシエートの補助とピールをこなせるこのイケメン忍者の需要はうなぎのぼりでしょう。
さらにフィオラに対しても対応が出来るチャンピオンというのが非常に大きいです。
先出しをするとレネクトンのような序盤強いチャンピオンを当てられて、ずっとトップレーンへのプレッシャーを受け続けるという展開にされがちなので、今まで通り2nd BAN phaseでBANされることが多くなる、と予想しています。


ナー



WCSピック予報: 雨 かなり数を減らすでしょう

基礎ヘルスを30もナーフされてしまった影響で、いままできつかったレネクトンはもちろん、チョ=ガスやマオカイに対してもプレッシャーを与えきれなくなってしまうと思います。
フィオラのようなファイターに対しても決して有利とはいえず、ナーは故郷の森の中でWCSを観戦することになりそうです。


ランブル



WCSピック予報: にわか雨 やや数を減らしそうです

ややつらい相手だったナーは森に帰りましたが、そのかわりにフィオラ、カミール、ジャックスといった悪いやつらが台頭してきそうな関係でランブルにとっても厳しいWorldsになりそうです。
ただし、彼は対面に困ったらジャングルに回るという手段も残されていて、シンダーハルクのナーフもあってタンクジャングラーの優先度はやや下がりそうですから、たとえばランブルを見せてフィオラを相手に取らせてから、ジャックスをぶつける、といったドラフトを考えるチームが出てくるかもしれません。
またミッドルシアンはナーフを受けてもまだ考えられるピックであり、ダメージバランスを整えるために、ランブルを取らざるをえない、といった状況もうまれてくるやもしれませんね。


ジャーバンIV



WCSピック予報: 晴れ いままで通りピックされるでしょう

Wのゴールデンイージスの弱体化はジャングルとしての運用においては大きな痛い変更となりそうですが、トップレーナーとしてピックする場合にはそれほど大きな影響はなさそうです。
グラガスが大幅にナーフされ、ランブルも数を減らしそうなメタにおいて、エンゲージ性能、特にコグマウに対して確実にプレッシャーをかけられるジャーバンIVはWCSでもメタの王子様であり続けるとみています。
ただしフィオラやカミールといったチャンピオンにはゲーム後半になるにつれ全く歯が立たなくなるので、ゲームプランかB/Pでの対策が必須となります。


フィオラ



WCSピック予報: 曇り ある程度ピックされるでしょう

ここまで散々メタに絶大な影響があると私が吹聴してきたフィオラですが、彼女自身のピック数はそれほど増えないでしょう。
安易にタンクやブルーザーを先出しするとフィオラがカウンターとして刺さりうる、というプレッシャーを生み出すことにはなりそうです。
フィオラが不在だった時期にピックされているジャックスは同タイプのチャンピオンで、フィオラに比べアウトプレイのポテンシャルこそ低いものの、デュエリストである彼女にデュエルで勝てる性能をしています。


ジャックス



WCSピック予報: 晴れ ピック数が増えそうです

スプリットプッシャー食物連鎖の頂点に立つ彼は、フィオラやカミールといったチャンピオンの抑止力として非常に強力です。
ただしダメージソースが通常攻撃、かつ攻撃速度でダメージをたたき出すタイプなので、ブランブルベストとの相性は最悪です。
ジャックスは武器を選ばず、時には街灯を、時にはスマイトを持ってジャングルへと向かうこともできるので、ちょっとリスキーですが、ジャックスで相手のチョ=ガスやマオカイを釣ってからカミールをトップとして当てる、といったドラフト組み立ても考えられます。


カミール



WCSピック予報: にわか雨 多少はピックされるでしょう

フィオラがバフされたことによって、ただでさえジャックスという面倒な相手がいたのに勝てない相手が一人増えてしまったという印象があるカミール。
ただし、上記2人と比べ、アウトプレイポテンシャルが最も高く、得意プレイヤーに対してはリスペクトを込めてBANされる、といったことは起こりうるでしょう。
メタの中心ではなく、少し外れた位置から敵の首を狙う。Worldsでの彼女は暗殺者らしい立ち位置になりそうです。


レネクトン



WCSピック予報: 晴れ ピック数を伸ばしそうです

7.17までのレイトゲームキャリーのメタだと彼の強さが活かしきれず、集団戦でキャリーまで手が届かないといったシーンが見られたレネクトンですが、ジャックスを始めとするスプリットプッシャーに対して強く、グラガスがナーフされたことでコグマウがBANされる機会も増えそうということでピックされる機会は増えるでしょう。
ビルドも柔軟性が高く、タンキーにも1v1型にも調整できる柔軟性があり、先出ししやすいというのも大きな利点です。
各チームが中盤で試合を決めるようなゲームプランを構築できれば、怒れるワニの記念スキンがまた作られることもあるでしょう。


ケネン



WCSピック予報: 曇り いまよりはピック数が増えそうです

今シーズン中盤ではトップADケネンが大流行しました。タンクやファイターに対して安定してレーニングで勝利でき、中盤のテレポート合戦でも貢献できる優秀なスプリットプッシャーとしての地位を確立していましたが、ナーフによって姿を消しました。
以降、カリスタのお供としてサポート運用されていた時期もありましたが、またトップレーンで徐々にピックされつつあります。
しかも今度はAPビルドで。
APケネンは今大会で今まで以上にピックされるでしょう。もちろんファイターにたいしてはあまり強くないのですが、エンゲージ性能があり、ランブルのかわりの魔法ダメージ要素として、需要が高まりそうです。


トランドル



WCSピック予報: 曇り そこそこピックされそうです

トランドルをピックする大きな利点は、相手のタンクを無力化できるという点につきます。
エンゲージャーがナーフされる傾向にあるため、集団戦ではお互いのフロントラインを溶かし合うといった展開が起こりやすく、そういった場面で彼のアルティメット、暴虐なる搾取が強烈に効果を発揮します。
近接タイプのチャンピオン全般に強いので、もちろんファイタータイプであるフィオラなどとも渡り合えるポテンシャルはありそうですが、全体的にタンクの優先度がさがりそうなので、ピック数は落ち着きそうです。
ただ、サポートしても運用可能なので、アリスターに対するカウンターとしてピックする、といったことも考えられるため、リスクを嫌うチームにとっては早めのローテーションで手が伸びそうなチャンピオンでもあります。


ここまでが最近メタに上がっているチャンピオンのピック予報でした。
他にもジェイスやガングプランク、クレッドあたりはピック水準のチャンピオンだと思いますが、使い手を選ぶ印象なので省略させてもらいました。


出るかもしれない隠し玉チャンピオン



ここからは個人的に隠し玉でありそうなチャンピオンを2体ほど紹介します。
去年のWorldsではザイラサポートに対して、ミス・フォーチュンをサポートピックするという新しいメタが生まれ、プロの発想の豊かさと用意周到さに大いに関心があつまりました。
今回もそんなピックがトップレーンであるとすれば、ということで私なりに2体ほど候補を上げてみました。

大穴狙いなので的中するかに関してはあまり期待はしないでください。


ルル



ジャングルエズリアルやミッドルシアンといった2マークスマン構成時にAPダメージ分としてピックされる可能性があるかなと思っています。
タンクに対してはさすがにダメージが足りませんが、ファイタータイプのチャンピオンに対してはレーンである程度有利がとれ、仕掛けに対してもポリモーフを中心にCCが豊富で対応がしやすい点が特徴です。
もちろんサポート運用が基本だと思いますが、たとえば相手のラカンに対してアリスターをピックし、さらに追加でを取るといった感じのドラフトは面白いんじゃないでしょうか。
LCKで出たジャングルルルも十分あり得ると思いますが、トップ運用ももしかしたら見られるかもしれません。


リベン



ジャックスをBANしてフィオラピックという行動に対しての最大反撃。
スノーボール性能が非常に高く、一度転がり始めると止めるのが非常に難しいチャンピオンです。ただし、集団戦での不安定さ、シージの遅さが問題で積極的にピックアップを仕掛けていくような構成に組んで30分くらいで試合を決めるような構成にする必要があります。
アッシュ、タリヤやシンドラといったチャンピオンと合わせて使ってみてほしいですね。


注目のトップレーナーを紹介



続いて注目プレイヤー紹介。
チャンピオン紹介が長くなりすぎましたが、プレイヤーに関してはさらっと行きます。

・プレイヤー名(チーム名/チームの地域・順位/グループ)
と表記しています。


Khan(Longzhu Gaming / LCK(韓国リーグ)1st / グループステージGroupB)



1人目はLCKを優勝したLongzhu Gaming(LZ)のトップレーナー、Khan選手。
キャリア開始後、主に中国リーグでプレイしていた彼は、今年5月になり母国の一部リーグであるLCKにデビュー、ファンに対し鮮烈な印象を残しました。
なんといっても彼の代表的ピックはジェイス。今シーズンは11試合でピックして成績はなんと10勝1敗。
さらに本記事でも注目と書かせていただいたジャックスを使っても5勝負けなしとキャリータイプのトップレーナーです。
タンクはほとんどピックせず、シーズン中期のケネン全盛期にはモルデカイザーをピックするなど、個性的なピックも光ります。
本大会でも彼のジェイスが見られるのか、あるいは全試合BANされてしまうのか、注目です。



Flame(Immortals / NA LCS(北米リーグ) 2nd / グループステージGroupB)



2人目はSummerSplitで一気に代表へと駆け上がった北米のImmortalsのFlame選手。
ピック傾向としてはバランスがよく、レネクトン、ジャーバンIV、ランブル、シェン、チョ=ガスと流行のチャンピオンをほとんどピックしているのが特徴。
それほど目立った成績でもない(もちろん優秀ですが)彼をなぜ選んだかというと、めちゃくちゃイケメンだからです。LoLのプレイヤーのなかでは一番かっこいいんじゃないかと個人的には思っています。(参考画像はこちら←彼のツイッターです)
去年までLongzhu Gamingに所属しており、一人目に紹介したKhan選手は彼のいわば後釜。因縁の対決から目が離せませんね。


PvPStejos(Gambit Esports/ LCL(CISリーグ) 1st / プレイインステージGroupA)



最後に紹介するのはロシア代表Gambit EsportsのPvPStejos選手。
昨年、Albis Nox Lunaというチームで同じくCIS代表としてWorlds2016に参戦。大番狂わせを起こし、いわゆるワイルドカード枠撤廃にも一役買ったプレイヤーです。
Albis Nox Lunaは今年に入りM19と名前を変え、PvPStejosも同チームの選手として春シーズンを戦いました。
が、夏シーズンに入る前にチームをミッドレーナーのKiraと共に脱退。さらにジャングルからトップへと転向し同地区のGambit Esportsへと入団、夏のLCL決勝では古巣M19を破りCIS地区代表の座を勝ち取るという激動の1年を過ごしました。
チャンピオンプールとしてはタンク系が多く、マオカイやチョ=ガス、ジャングラーとしてもピックされるグラガスと元ジャングルらしいピックが見える一方で、ケイルやルシアンなどのピックも成功させており、転向したばかりとは思えない幅の広さを感じさせています。
特に決勝でみせたカミールのパフォーマンスは素晴らしく、WCS本戦でも彼の活躍に期待したいです。


いかがだったでしょうか。トップレーンはピック幅が広く、思ったよりも大変な作業になってしまいました。
ちょっとでも皆さんのWorlds観戦が楽しいものになってくれたらなと思って書いています。
次回はjg編です、開幕までに頑張って全ロール書き上げたいと思います。