WCS2017 注目チャンピオン、プレイヤー紹介(サポート編)

September 23, 2017 by lol-cla管理人, Patch 7.18

チームの屋台骨を支えるサポートチャンピオンとプレイヤーの紹介
WCSロール別特集もついに最終回。
最後はサポート編になります。
サポートは現メタではシールドを貼れるメイジタイプとエンゲージ、ピールが出来るタンクタイプの大きく分けて2種類がピックされています。
それぞれが特徴をもったチャンピオンたちなので、どのようなチーム構成にマッチするのか、どんな相性関係にあるのかについて詳しく見ていこうと思います。

トップレーン編はこちら
ジャングル編はこちら
ミッド編はこちら
ADC編はこちら

それではまずは恒例のパッチおさらいからです。


Patch7.18おさらい



パッチ7.17で変更があったチャンピオンも含んでいます。(パッチ7.17ではあまり競技シーンの試合がなかったため)

バフ レオナ、(ノーチラス)

ナーフ ラカン

アイテムの変更 アーデントセンサー(ナーフ)


一番影響が大きそうなのはやはりラカンのナーフでしょう。
Wの華麗なる登場は、突進の速度がかなり大きくナーフされました。基礎速度こそ上がったものの、移動速度の反映率が大幅に下がったので、靴のアップデート後やアルティメットのみんな俺に夢中を使用時のキャッチ性能はかなり落ちました。
自体もヒットボックスが縮小され、まだまだピックは可能ですが、7.16ではBANorPickといったチャンピオンでしたがもう少し優先順位はさがりそうです。
レオナはジャンナやルル、スレッシュといった競技シーンでメジャーなチャンピオンがかなりきつめのカウンターということもあって、バフ自体は大きかったのですが、ピックできるかは難しいところです。

アーデントセンサーのナーフに関しては7.17の試合を見る限りほとんど影響はなさそうです。
終盤のスケーリングに関しては若干弱くなりましたが、それが逆にいかに早くアーデントセンサーをビルドするかという競争を激化させている印象すらあります。
エンシェントコインをノマドのメダルにアップグレードしてからを目指すビルドも以前は見られたんですが、本パッチでは
から直行のビルドが主流になるでしょう。
さらにADCにレリックシールドを持たせてサポートにお金を集めるという戦術もより多くなりそうですね。
7.17で行われたLCK Promotionではカリスタですらスタートしていました。



チャンピオンピック予報



さて最後のチャンピオンピック予報です。
サポートチャンピオンは候補が非常に多いため、大変そうですね・・・。
まあ頑張っていきたいとおもいます。


ラカン ピック予報:小雨 以前よりは選出率が減りそうです



パッチの項でも触れましたがラカンはかなり大きくナーフを受けました。
持ち前のエンゲージ力が削られてしまったことで、タンク性能の高いアリスター、ユーティリティ性能の高いスレッシュあたりにピック数の一部を譲り渡すことになるでしょう。
コグ=マウと合わせてピックするのも少しリスクが高いので、ラカンを先にピックしてしまうと相手にコグ=マウのプレッシャーを与えられないというのもドラフト面で不利になりそうです。
メタにあがっているザヤやカリスタとの相性は抜群なので、これらと組み合わせるならばまだまだ有用なピックといえるでしょう。


アリスター ピック予報:晴れ 高いピック率を維持しそうです



タンクジャングラーがナーフされたこともあり、バロンなどのオブジェクト周りの視界争い時に優位に立てるタンクサポートの価値は相対的に上昇しました。
カ=ジックスやレンガ―といったダイブ系のジャングラーがピックしやすくなった環境でもあるので、アリスターはメタにもっともマッチしたサポートと言えるでしょう。
ラカンの代わりにBANするチームも増えると思います。
イニシエートが得意な反面、WとQを同時に使用して仕掛けるチャンピオンなので、クールダウンが全体的に長く、オールインに強いサポートに対してはやや苦戦します。
具体的にはブラウムやモルガナはやや厳しい相手と言えるでしょう。


スレッシュ ピック予報:晴れ 引き続きピックされそうです



スレッシュは万能型サポートの代表格ですが、中でもジャングル内での小競り合いなど狭いところでの少数戦に秀でています。
タンクジャングラーがナーフされ、リー・シンのような1v1を積極的に仕掛けていけるジャングラーの登場回数が増えると、そういった小競り合いに介入しやすいスレッシュは7.16よりもさらに価値があがるでしょう。
万能型ゆえに、より特化した性能をもったチャンピオンにはやや分が悪く、特にタム・ケンチとの相性差は良く知られています。
アッシュが増えると個人的には予想しているので、タム・ケンチが増えるとスレッシュも簡単には先出しできない、という状況になるかもしれません。


ブラウム ピック予報:晴れ 安全なピックとして用いられそうです



ブラウムはプレイメイキングなサポートではないですが、非常に安全でカウンターがほぼいないチャンピオンです。
ミッドにマークスマンタイプのチャンピオンが配されることも多いので、固有能力である漢の拳が活きやすく、トップにファイターを入れての1-4スプリットプッシュの形をつくってもアルティメットの氷河の裂溝のディスエンゲージ性能が機能するとメタにマッチしたチャンピオンといえるでしょう。
冒頭に書いたようにプレイメイキングなチャンピオンではないので、プレイメイカータイプのサポートプレイヤーに持たせるにはちょっと勿体ないところはあります。
またアーデントセンサーを買いづらいチャンピオンなのも若干の減点要素です。


ジャンナ ピック予報:薄曇り ややピックを減らすかもしれません



アーデントセンサーの申し子、ジャンナは今シーズン後半のボットレーンのメタを象徴するチャンピオンでタンクサポートの価値が相対的に増した本パッチでもあいかわらずの存在感を発揮するでしょう。
相手のイニシエートに対して強いという本来の性能もあるので、コグ=マウやトゥイッチといった最大限にピールの必要なレイトゲームキャリーのお供としてピックされることは間違いないでしょう。
メイジサポートなので、タンクサポートに対してはレーンでも優位にふるまえますが、視界確保能力はジャンナの高い移動速度をもってしても危険が付きまとうため、ジャングルにはマオカイやレクサイといったマップ把握能力が高いチャンピオンをピック出来るとなおよいでしょう。
かなり集団戦マインドのチャンピオンなのでメタが少数戦やローテーションへと移るとルルのほうが優先される可能性はあります。


モルガナ ピック予報:曇り ある程度ピックされるでしょう



モルガナはEのブラックシールドによってキャリーをCCから守ることができるという特異な性能を持ったメイジサポートです。
上に出ているアリスターやスレッシュなどには特に強く、ブラウムやタム・ケンチといったタンクサポートに対しても射程、スキルセットの面でレーニングでは有利を取れ、ミッドや相手ジャングルへとロームし、Qのダークバインドを使った得意のキャッチで試合を動かすこともできます。
弱点はシールド系サポートの中ではアーデントセンサーとのシナジーが薄い点です。岩界の盟約をもって無理やり発動させるのが主流ですが、やはり本職であるジャンナやルルには劣ります。
のレベルが5になったレベル9がパワースパイクなので、中盤に重きを置いたチーム構成でピックされるでしょう。


ブリッツクランク ピック予報:小雨 少しピック数を減らしそうです



シーズン中盤くらいからザヤとのシナジーの高さなどが注目されピックされるようになったブリッツクランクですが、本大会では少しピック数を減らすと予想しています。
その理由としては、ブラウムやアリスター、タム・ケンチといったやりづらい相手がピックとして横行しそうなこと、天敵であるレオナがバフされて後出しされると何もできないこと、などがあげられます。
さらにブリッツクランクはタンクサポートのカテゴリーであるものの、かなり柔らかく、視界確保の面でもおくれを取りやすいのもピックしづらさを助長しています。
キャッチ性能の高さ、メイジサポートに対するレーンでの圧力は十分にあるので、ジャンナやルルといったチャンピオンに後出しするといったシーンは十分にありえます。


タム・ケンチ ピック予報:晴れ ピック数を伸ばしそうです



今シーズン序盤はローテーションメタだったこともあり、ピック数が多かったタム・ケンチですが、集団戦メタに移り変わったシーズン中盤以降は数を減らしていました。
ここにきて、フィオラを始めとするファイターの復権、シンドラやアッシュなどキャッチを目的としたピックが増えそうということで、タム・ケンチが再びメタにあがってくると予想しています。
アルティメットの船旅は自分たちのローテーション力の強化や相手のミスに漬け込む能力が高いため、ゲーム理解度が高いチームが使えば使うほど効果を発揮する良いチャンピオンと言えるでしょう。
オールイン系のAOE構成に対しては持ち前のピール力が発揮できないので、後に紹介するタリックとの選択ピックという側面もありそうです。
タム・ケンチが大量発生するとカウンターであるブランドがサポートで起用される、というのもまた見られるかもしれません。


タリック ピック予報:曇り ある程度ピックされそうです



タリックは現在隠れOPサポートだと思っています。
スキルセットに癖があるため、使い手が少ないこともあるのでしょうが、ザイラにも対抗できるタンクサポートでオールイン、カウンターエンゲージがともに強力で集団戦メタに適合したサポートといえるでしょう。
タンクでありながらアーデントセンサーを積みやすいのもポイントで、Qのスターライトタッチがバフを受けてからはよりシナジーが強化されました。
使いこなすのが難しい点とかなり集団戦指向のチャンピオンということもあってピックは部分的になると思いますが、7.17で行われたLCK Promotionではbbqのtotoro選手が非常に巧みに彼を操りチームをキャリーしたりと、ポテンシャルは高いピックです。


ルル ピック予報:曇り ある程度ピックされそうです



アーデントセンサーメタの中でジャンナに続く評価のチャンピオンです。
ジャンナとの違いは、レーン戦の強さに象徴されるように自分から捕まえにいったり、チェイスをしたりする性能に長けている点です。
お互いにレイトゲームキャリー、そしてお互いのサポートをジャンナとルルで交換し合った場合、ルルを持っている側がレーン戦では勝ちやすいのですが、現在のメタでボットレーンで勝ちきることがどれくらい重要かというと正直疑問です。
しかし、少数戦においてはルルのほうがジャンナよりも優れているので、レンガ―のようなチャンピオンがピックされたり、ローテーションと少数戦を繰り返すメタになれば、ルルの優先順位はもっとあがってくるでしょう。


他にもトランドル、ケネン、カルマといったフレックスピックは存在するものの、大まかなところは紹介しきれたかなと思います。
サポートはチームに足りない要素を加える最後のピースといった位置づけになるのが多いので、周りのメタに大きく左右されそうです。



サポートの隠し玉的ピック



サポートの隠し玉といえば去年のミス・フォーチュンサポートが印象に残っていますね。
本大会ではあまり支配的なサポートはいないので、これといったピックはないかもしれませんがありそうなピックを2つほど紹介します。


ノーチラス



あえてパッチの項では触れませんでしたがノーチラスがバフされました。
主にマナ消費の面なのでそれほど大きなバフではありませんでしたが、コグ=マウにプレッシャーをかけられるというのがこのパッチでは価値が高いとみています。
アルティメットの爆雷発射は対象指定のノックアップスキルであり、範囲に入ることさえできれば確実に相手のDPSを削ることが出来ます。
レーン戦での弱さ、流行っているジャンナやルルには入っていってもいなされやすいというのが難点ですが、タンクサポートの価値の高まりもあって、ピックされる可能性は十分あるとおもいます。


バード



筆者が優勝チームスキンがほしいだけです。
冗談はさておき、エンゲージ力に長けレーン戦でも強いバードは、中盤のローテーション勝負にも強くメタにマッチしています。
ただし、自分自身が柔らかいので視界確保能力の面はやや難があります。
ファイターをスプリットさせたときのディスエンゲージも可能と万能なメイジサポートですが、問題は使いこなせるプレイヤーがいるかですね。
Cloud9のSmoothie選手は今シーズンバードを5回ピックして全勝と素晴らしいパフォーマンスを見せてくれているので、彼に期待しましょう。




サポートの注目プレイヤー紹介



サポートは地味な印象があるポジションですが、ゲーム理解度、マップ把握能力、スキルのクールダウン管理など、チームの頭脳を担当する非常に重要な役割をもっています。
そのうえでボットレーンでの勝ち負けもほとんどサポートが握っているといっても過言ではないので、まさに縁の下の力持ち、そんなプレイヤーたちを紹介していこうと思います。



Albis選手 (ahq e-sports club / LMS(台湾リーグ) 2nd / グループリーグGroupA)



1人目はahqのAlbis選手。
24歳とベテランの域に入ってきた彼は、チーム創立当初のメンバーであり、ahq e-sports club(ahq)を1からFlashWolves(FW)とLMSの覇権を争い続ける強豪チームまで育て上げた功労者でもあります。
ゲーム内外での献身的な立ち回りで知られており、まさにサポートの鑑ともいうべき人格者です。
ahqは国内では2015年夏シーズンを最後に国内での優勝から遠ざかっていますが、FWの国際大会での活躍を見るかぎり、LMSのレベルは非常に高くなってきているといえるでしょう。
チャンピオンプールとしてはスレッシュとブラウムが中心と比較的安定志向ですが、ブランドも複数回ピックしているなど幅が広いといえるでしょう。
今回は死のリーグことGroupAに配属され、EDGやSKTと対戦することとなりましたが、波乱を巻き起こす力は十分あると思います。



SwordArt選手 (FlashWolves / LMS(台湾リーグ) 1st / グループリーグGroupD)



2人目は同じく台湾リーグLMSからSwordArt選手。
FlashWolves(FW)は国内では近年圧倒的な力を見せ、毎年のようにLMS代表として国際大会に出場している強豪です。
今年のMSIでもベスト4に残るものの、SKTelecomT1には1勝もできずに敗退しました。
ミッドレーナーのMaple選手やジャングラーのKarsa選手が注目されがちですが、サポートのSwordArt選手のエンゲージの判断力がチームの勝利を支えているのは間違いないでしょう。
シーズン3からプロプレイヤーとして活動している彼はまだ若干二十歳。本大会で念願の韓国勢撃破、そして優勝はなるのでしょうか。
SwordArt選手はアリスターの名手として知られています。
視界確保、エンゲージの判断がバツグンによく、一見無謀に見えるような反転からチームを勝利に導くプレイが彼の特徴です。
GroupDではDoublelift、Hans samaと西欧の天才ADC相手にどんなレーニングをするのかも注目ですね。



CoreJJ選手 (Samsung Galaxy / LCK(韓国リーグ) 3rd / グループステージGroupC)



最後に紹介するのはSamsung Galaxy(SSG)のCoreJJ選手。
古参のファンにはNALCSのTeam Dignitasでimaqtpie選手の代わりにADCとしてプロ活動を始めた選手、と言えば伝わりやすいでしょうか。
北米リーグを離れ母国韓国へ戻った彼はSSGにADCとして移籍しました。
SSGはチーム再建期だったこともあり、思ったような成績を残すことは出来ませんでした。2016年SummerSplitからサポートへとロールチェンジ。
当初はWraith選手の控えという扱いでしたが、チームの信頼を勝ち取ってスターターへと昇格、その後チームはLCKSummerでSKTを倒し優勝、WCS2016では惜しくもSKTのリベンジを許したものの3-2のフルセットマッチを演出し、一気に強豪チームへと返り咲きを果たしました。
メイジサポートのイメージがある彼ですが、今期もスレッシュとアリスターのピックは極端に少なく、タンクならばブラウムやタム・ケンチが中心でシーズン後半でもザイラをピックするなど少し一般的なサポートプレイヤーとはプールが違うのが特徴です。
GroupCはかなりの混戦が予想されますが、彼の特殊なプールが吉と出るか凶と出るか、楽しみですね。


以上、長かったWCS観戦ガイドも一旦これで終わりとなります。
もう間もなく開幕するWCSをこの記事を読んで少しでも楽しんでいただければな、と思います。