パッチ9.11感想 OPチャンピオンのナーフとザックの巻き戻し

May 30, 2019 by lol-cla管理人, Patch 9.11

MSIで暴れたチャンピオンへのお仕置きとジャンナ、ザックのスキル仕様変更など
こんにちは。
今回もやってまいりましたパッチノート感想文のお時間です。

といっても今回は比較的小型なパッチになっていますね。
プレイヤーの投票で決まったちび魔トリスターナのリリースや、MSIで猛威を振るったジェイス、アカリに対するナーフが主な内容といったところでしょうか。

他にもソロQを荒らしまわっていたジャングラーへメスが入ったりと、競技シーン以外を意識した変更も目につきます。

逆にポジティブな変更としてはジャンナやザックのスキルの仕様変更があります。
どちらもゲームプレイに結構影響があるのでしっかり確認しておきましょう。

そして次パッチはいよいよモルデカイザーへのリワークが入ります。
ちらっと動画を見ましたが、中々かっこよくていいですね。スキルセットも以前よりは分かりやすくなったのでいまのところ好感を持っています。


さて、大きなトピックはないので、今回は個別の変更点だけを見てきましょう。


アカリ


・固有能力 刺客の刻印 気回復量が高レベル時に減少、ダメージ反映率が攻撃力・魔力ともに低下

かなり痛いナーフです。

特に反映率の低下が厳しく、ヘクステック・ガンブレードから得られるステータス面だけでも、28もダメージが減少しました。

1回のファイトで複数回発動させることも多いですし、元々アサシンとしてはダメージ量が高いチャンピオンではないので、一人でキルを取りきることは、いままで以上に難しくなりました。

正直言ってソロQでのアカリのパフォーマンスは、このナーフを受ける前の9.10の時点でトップミッドともに40%台中盤とかなり低かったので、今週からはピックしないほうがいいレベルのチャンピオンパワーになったと言ってよいでしょう。

アカリは、Wの黄昏の帳や計4回のブリンクなど、いくらダメージ面が弱くてもプロが使えば「悪用」出来てしまうスキルセットで、競技的なプレイと一般プレイヤーのプレイとのギャップを埋めることは不可能に感じています。

ライズやアジールはそういった調整を放棄すると公式に発表していますが、アカリもそのカテゴリー入りさせて良いのではないでしょうか。

それかそろそろアカリのリメイクから1周年ですし、記念してもう一度リメイクするってのはどうでしょう。
あ、倒れたときのポーズはガニ股でよろしくお願いします。


アムム


・固有スキル 呪いの手 追加確定ダメージが低下

相当大きなナーフですね。

9.8で固有スキルとQに大きなバフが入り、リフトスカトルの湧き時間に変更が入ったことやルーンエコーの大幅ディスカウントと、このところアムムに対しての愛情が深すぎました。

正直このナーフは重過ぎるように思います。11%くらいにして様子を見てほしかったですね。

メタ的にはタンクジャングルがやれるメタではあるのでまだまだピックできるとは思いますが、ティア1からは落ちていると思います。


エコー


・Eフェイズダイブ 使用後にアニメーション終了を待たず通常攻撃が行えるように

ちょっとした使用感の向上といった感じです。

電撃や征服者、フェイズラッシュといった通常攻撃やダメージの回数がトリガーになっているキーストーンとの相性が良くなるので、ちょっとしたよりはちょっとしたバフになっているかもしれませんね。


ガリオ

 
・Wデュランドの守り 基本ダメージが全ランクで減少、魔力反映率が上昇
・E正義の鉄拳 基本ダメージが低ランク時減少

低レベル時に大きくダメージが減りました。

Wの基礎ダメージはなんとたったの10に。フルチャージ時には60→30と大幅にダメージが下がりました。
Eの基礎ダメージもレベル1時に20も下がったので、WとEのコンボでダメージが50さがったことになります。

CC部分に関してはナーフが入っていないので、ゲーム中盤以降の性能に関しては変わりないといってもいいとおもいますが、ゲーム序盤のガンク合わせなどでダメージが足りない場面は頻発しそうです。

かわりにWの魔力反映率が上がっていますが、APが積めるミッドとしてピックするにしてもEの基礎ダメージが減らされてウェーブクリアに苦労しそうです。

結果としてただ単にサポートとして大きくナーフを受けたといった感じでしょう。ソロQでは元々強くないチャンピオンだと思いますが、本パッチでは正直ピックをためらうレベルだとおもいます。


グラガス


・基礎体力が増加
・レベルアップごとの体力が増加
・基礎攻撃力が増加

Riotはチャンピオンのバックグラウンドやストーリーを重視する会社です。
だからこのグラガスの調整も彼のロアに倣って酒を飲みながら決めたんでしょう。

基礎ステータスが雑にバフされました。
特にヘルス面でのバフが大きく、レベル6段階で9.10と比べて50近くヘルスが高くなりました。攻撃力+3も馬鹿にできないですね。

酒に呑まれながらも僅かな理性が残っていたのか攻撃速度をバフしなかった点については評価します。

それでも、ただでさえルーンエコーのバフの恩恵を直に受けたチャンピオンだというのに、この上にバフを重ねるのかというのが正直な感想ですね。
こんなん絶対OPですやん。

このチャンピオンはちょっと強くなるとすぐプロシーンに出てくる傾向にあるので、9.11で行われる試合のバンピックにも注目したいですね。


ジャンナ


・Wゼファー クールダウンがランクによって短縮するように、基礎ダメージは高ランク時に低下
・Eストームブレス クールダウンが低ランク時には短縮、高ランク時には延長、シールド量が全ランクで上昇
敵チャンピオンにスキルでスローまたはノックバック効果を与えるとEのクールダウンが20%ずつ短縮されるように

面白い調整が来ましたね。

ジャンナはWと通常攻撃によるハラスで攻撃的に振舞うのが得意なエンチャンターでしたが、そのプレイが若干弱くなった代わりに、エンチャンターとしての本分であるEのシールドの回転率が上がるようになりました。

WはもちろんQやRでもクールダウンが短縮されるので、本パッチからは前よりも積極的にEをつかってADCと共にダメージトレードを仕掛けていくプレイが強力になりそうです。

ちなみに自身のスキル限定なので、グレイシャルオーグメントやヘクステックGLP-800、ブラストコーンなどのCCではクールダウンは短縮されません。
(ちなみにアフターショックはブラストコーンで敵チャンピオンを吹き飛ばしたときも発動します。知ってました?)

スキルオーダーはいままでのようにWを3まで取ってからE上げでもいいでしょうし、最初からE上げしていっても強いかもしれません。



ジェイス


・Q ショックブラスト 基礎ダメージが高ランク時で低下、増加攻撃力反映率が低下

ランク5では基礎ダメージが25、反映率が20%低下とかなり大きなナーフになりました。

確かにジェイスはMSIで支配的なピック(というか42game中39gameでバンされました)でしたし、お仕置きされるのは致し方ないかなと思います。

彼の強みは、強力なレーニング性能で相手とのゴールド差を作り、値段が安くダメージ効率のよい脅威アイテムを買うことでそのリードをさらに広げていくというプレイスタイルにありますが、この変更で一番力を発揮できる1アイテム、レベル9前後の時間帯のパワーがかなり削られたことになります。

以前のナーフで基礎ステータスも大分落とされているので、今回のナーフでリスクとリターンのバランスが流石に取りづらくなったかな、という印象です。


カーサス


・R鎮魂歌 基礎ダメージが全ランクで低下
※ホットフィックスで魔力反映率のナーフは取り下げられました

おそらく他のチャンピオンをターゲットとした至極の賞金首狩りのバフの恩恵を「不当に」受けていた、というのが今回のRナーフの理由だと思います。

まあこのナーフ自体には個人的にも賛成ですが、それとは別にカーサスのようなスケーリングメイジがジャングルを回れて、レーンでプレイするときのようなプレッシャーを受けずに育つことができるということを問題視するか、という命題があります。

もしそこに手をつけたいならばQやEの変更が来てしかるべきだと思いますが、このナーフの仕方を見るにRiotは、現状問題がない、と思っているようです。
(パッチノートの「言い訳」には一応ジャングルについて言及しているのですが・・・)

ジャングル回れることを前提にチャンピオンパワーをナーフしていくと、結果レーンからどんどん遠ざかってしまうわけですけど。

いつかジャングル向けのナーフを入れた時に、レーン向けの補填バフが入るのか、正直心配です。


マスター・イー


・レベル1で得ていた8%の増加攻撃速度を獲得しなくなった
※Qへのナーフはホットフィックスで取り下げられました

ジャングラーとしては攻撃速度がファーム速度に直結するのでそれなりに大きなナーフです。

まあただこのチャンピオンは育ってしまえばそんなこと関係ないので、ちょっと序盤に敵ジャングルからプレッシャーを受けやすくなったな、といった程度でしょう。

Qのナーフがもし入っていたらクリア速度がガタ落ちしてかなり辛そうでしたが、幸い取り下げられました。

というか最近毎パッチhotfix入ってないですか?

新チャンピオンやリメイクしたチャンピオンのステータス関係の調整はある程度仕方ないと思いますが、ちょっとパッチの出し方が雑過ぎる気もします。

まあ雑に強い・弱いチャンピオンが放置されるよりはいいですけど。

エイトロックスとノーチラスへのナーフ?
ねえよ、そんなもん。


ラムス


・固有スキル トゲトゲ ダメージが全レベル一定に(ほとんどのレベル帯で低下)
・Rドスンドスン 毎秒ダメージが大幅に低下

ラムスはリフトスカトルの変更の恩恵をもっとも受けたチャンピオンで、ソロQで超高勝率を記録していましたが、今回のパッチで大幅に弱体化しました。

特にRの弱体化は顕著で、自身がある程度育たなかったときの弱さが強調されることになりそうですし、レベル6時のガンクで出せるダメージ量もかなり削られました。

アムムもそうですが、この手のシンプルなチャンピオンが必要以上にパワーを持つと低レートのソロQ環境が壊れるので、ほどほどのナーフは賛成ですし、この変更でラムスの勝率も50%前後に落ち着くんじゃないでしょうか。


ワーウィック


・Q野獣の牙 与ダメージに対する回復割合が高ランク時に増加

ティアマットのナーフの余波を喰らって以来みんなピックする気が起きないってだけで、このチャンピオン自体は決して弱いわけじゃないですし、今回の変更も恩恵を授かれる時間帯はかなりゲーム後半になるものの純バフには代わりないので、狼愛好家諸兄は喜んでいいんじゃないですかね。

リフトスカトルの湧き時間が遅くなったのもレベル6ジャングラーの彼にとっては悪い話ではないですし、もしかしたらソロQのメタに戻ってこられるかもしれません。

相手チームにAPチャンピオンが多ければ新しくなったウィッツエンドを買ってサステインをさらに強化するのも面白そうですね。


ユーミ



・様々なバグ修正や細かな仕様変更

ユーミは難しいもののポテンシャルの高いチャンピオンです。

ただでさえ難しい上にいままでにないプレイスタイルだったこともあり、初日こそ勝率歴代最低とセンセーショナル?なデビューになったユーミですが、その後のhotfixとプレイヤーの習熟によって勝率は少し持ち直してきています。

なので今回のパッチでRiotが安易にヘルスを伸ばすような修正を入れなかったことを個人的には高く評価しています。

アシスト関係の仕様やエアリー召喚が発動しないバグなど、ユーミに有利に働く細かな変更が入っているので、全体としてほんのりとしたバフになっていますし、ADCの皆さんはこの猫が隣に来ても嫌な顔をせずにプレイしてあげてください。


ザック


・Qスライムパンチ スロー割合が低下 クールダウンが高ランク時低減
・Wスライムクラッシュ 魔力100ごとに対象の最大体力に対する割合ダメージが追加
・Rレッツバウンス(リメイク) 
発動するとザックが1秒ずつ間隔をあけて4回跳ねまわり当たった敵にダメージと1秒間のノックアップを与える。同一対象に2回目以降のヒットしたときはダメージが半分になり、ノックアップはしない。
レッツバウンス中は移動することができ、最大50%の移動速度上昇を得る

ザックのウルトがリメイク前に巻き戻しになりました。

ザックはあんな見た目ですがストーリー的には「いいやつ」なので、相手を誘拐するRは個人的にあまり好きじゃなかったんですよね。

今回の再リメイクで昔のRのようにザックが陽気に跳ねまわるスキルに戻ったわけですが、実は微妙な違いもあって、旧R(旧旧Rというべきかもしれませんが)はCCがノックバックだったのに対し、今回はノックアップへと変更になりました。

なので昔と違って当てる方向を間違えて相手のキャリーを安全な位置に飛ばしてしまうといった心配はなくなりましたが、逆にEでちょっと奥を狙って飛んでRで味方のほうに相手のキャリーをはじくといった使い方ができなくなったので、痛し痒しといったところでしょうか。

詠唱スキルに対しての強力なカウンタースキルですが1回ヒットさせてしまうと同一対象にはノックアップが発動しなくなってしまうので、たとえばミス・フォーチュンのバレットタイムを使わせないようにしたいなら、あえて1,2回目のジャンプではを狙わず、3、4回目にあてるようにすることで長時間を発動させられない状況を作ることが出来るのはTipsとして覚えておいて損ないでしょう。

また、いままでのようにE→Rと即発動させてしまうと、Eでノックアップが決まったときにはCC時間が重なってしまって損をするので、E着弾後WやAAを挟んでからRを発動できるとベターです。

Qのスローレートのナーフはそれなりに痛いですが、相手のバックラインに長時間居座れるようになったので、ある程度しかたないナーフかなと思います。

Wのバフはまあ・・・。いまのAPジャングルアイテムはマナが上がっちゃうのがちょっと損で買いづらいんですよね。

ただ、Rも4ヒットさせると合計1.0魔力反映率があるので、1つくらいAPアイテムを積むのも悪くないかもしれません。
ただWのダメージアップは100APにつき最大体力の2%でルーンエコーでは80APしか稼げないので他でAPを稼ぐ必要がある点には注意しましょう。



気になるバグ修正


ドレイブンのR死の車輪のダメージが命中したユニット数に応じて正しく低下するように

ダメージがどの程度高く出ていたか不明ですが、書いてある文面をそのまま読むならナーフですね。
キルを取ることが大切なチャンピオンなだけに、もしかしたら想像以上に影響が大きいかもしれません。

タイタンハイドラの通常攻撃効果がタワーにダメージを与えなくなりました



シャコのRハルシネイトの分身がチャンピオンに対して与えるダメージが60%になっていた不具合を修正しました(本来は75%)

めちゃくちゃ大きなバフですね。次のパッチサイクルではいいスキンも来るみたいですし、ちょっとピック数を増やしそうな感じです。


おわりに


いかがだったでしょうか。
比較的小型なパッチだったので、チャンピオンの変更1つひとつにいつもよりは丁寧にコメントできたかなとおもいます。

しかしエイトロックスとノーチラスは放置なんですね。

ノーチラスに関してはMSIでプロがそんなにピックしなかったから問題ないという認識なんでしょうかね。

プロレベルでいうとノーチラスはプレイパターンが直線的で対処されやすい、というのがそれほどピック数を伸ばさなかった理由だと思いますし、ソロQ的にはパッチ9.10で見るとピック率16.7%、勝率52.7%とはっきりいって問題あるレベルに強いと思うんですけどね。

エイトロックスはプチリメイク後の状態でプロがどう使うのかを観察したいんだとおもいますが、一般プレイヤー(特にトップレーナー)が犠牲になっているということは認識しておいてほしいところですね。
9.9、9.10ともにピック率1位で勝率52%越えは正直健全とは言えなさそうです。

まあ、おそらくこのパッチで競技シーンは開幕を迎えることになると思うので、それを踏まえての調整が入る9.12に注目したいところです。


面白かったらシェア等お願いします。競技シーン関係の記事なんかを書くモチベになります。