8.11Newメタの一端に迫る/ファンネリング編

June 10, 2018 by リクルート, Patch 8.11

今ひそかに流行りかけているファンネリングに関しての記事になります。
どうも、文章でお会いするのはお久しぶりですね、リクルートです。

最近のLoLは大荒れですよね。
BotレーンからADCが姿を消したりだとか何かと驚きを隠せない事態が多く発生していると思います。
(この現象についてはこちらの記事で

そんな中で今回の記事ではKRソロキューの上位や競技シーンで密に出てきている、ミッドレーンにサポート系チャンピオンを置く戦法についてわかっている部分を少し解説していきたいと思います(まだわかり切ってない部分も多いのでそこは勘弁してください)



そもそもファンネリングって?


皆さん、タリックイーやヌヌカーサスなんていうコンビが今流行っていると動画などで見たことありませんか?
dopaがタリックイーを嫌ってミッドタリックを強引にピックさせられたのも有名な話ですね。

この戦法を簡単に説明すると、"ミッドレーンにサポートを置いてジャングラーにCSを集める"という戦法になります。

ちなみにどれくらい集められるかというと

↓10分時のスコア(OPL AV vs TTC)


恐ろしいファーム量。。。 ちなみに15分~16分あたりで200CS到達していましたね。レベルにして3レベル差。。。

↓20分時のスコア(CBLOL IDM vs FLA)


チーム一のCSを誇りそしてレベルも相手ジャングラーに3レベル差、ソロレーナーに1レベル差をつける驚異的なファーム量をたたき出していました。


このようにファームが漏斗のようにジャングラーに"収束する"ことからこの戦術のことをファンネリング(funneling)と呼びます。



どこからでてきたの?


そもそもどういう理由でこの戦法をしようと思ったのでしょうか、というところを大きく分けて二つに分けて見ていきたいと思います。

 

1.LoLのゲーム性


LoLというゲーム性がこの戦法を生んだ一つの要因と思われます。関係があるところを箇条書きで上げてみようと思います。

(A)ゴールドや経験値が得られるリソースに限りがある


(B)ゴールドをあまり必要とせず基礎ステータスが高く設定されていたりスキルレベルである程度スケールするチャンピオンが存在する


(C)序盤のレーニング段階では5v5ではなく少数戦が発生する



(A)
今のメタでは特に気を付けなければいけないポイントなのですが、ゴールドや経験値を得る方法としてはkillを除けば、ミニオン、タワー、ジャングルクリープ、ドラゴン、ヘラルド、バロン、このあたりになるでしょう。

列挙してみると多く感じますが競技シーン等でかなりの高いレベルのCS技術、ジャングリング技術をもってしても全員がフルビルド、18LVになるのは40~50分あたりでしょうか。

もちろん試合時間が長ければこれらのリソースは無限に増えていきますが今は長くても30~40分ほどで終わるメタということもあってよりこれらのリソースをとれる回数が制限されていることがわかります。

(B)
今までのLOLでは後半のスケールがとてつもなく高い代わりに安定感がかなり低いマークスマンを支えるため、このように序盤強くファームを必要としないチャンピオンたちをBOTレーンに配置してきました。

これがEUスタイルにおけるボットレーンの構造でこのチャンピオンたちを"サポート"と呼んでいたわけです。

(C)
LoLは序盤レーニングフェイズが存在します。
その時点で起こる戦闘は、レーナー同士の1v1、もしくはジャングラーを含めた2v2でしょう。せいぜいその程度の人数でしか戦闘が発生しないのです。

唯一ドラゴンやヘラルドなどエピックモンスターの周りでは5v5が発生する可能性もありますが、序盤は少人数で隠れてとったり、何かのカウンターとしてとることが多いので基本的に大人数での戦闘にはなりづらいといえるでしょう。


ここまで長々と文言を並べてきましたが何が言いたいかというと、LoLは序盤から中盤にかけて【限られた少ないリソースを全員に振り分けながら少数戦を乗り切ってレイトゲームの集団戦まで向かう】そういったゲーム性を秘めています。
もちろんこの限りではない例も存在しますが多くの試合はこの流れに沿って進行していっていると言っていいでしょう。

そしてここで重要なのはリソースの振り分け方です。

例えばこういう構成同士の戦いがあったとしましょう。

↓(CBLOL IDM vs FLA参照)


仮にヘラルドの取り合いが発生したとします。

その時左側のチームは3人に均等にゴールドを分配しているのでまだファーストアイテムが完成していない。
ところが右側のチームはグレイブスにゴールド、経験値を集めているのでしっかりファーストアイテムが完成し次のファージまで完成しているような形、レベルも相手ジャングルとは2差、ソロレーナーと同じレベルかそれ以上でしょう。そしてブラウムはアイテムや経験値をあまり必要としない"サポートチャンピオン"であるのでCSをとっていなくても他のチャンピオンたちと同じようなパフォーマンスが期待できます。

そう考えたとするとこのまま3人で戦いあったらどうでしょうか。左側のチームはよほどいい形で3人全員にスキルを当てないと勝てない、それどころかそれでも巻き返されてしまう可能性すらあるでしょう。
ここで左側のチームは戦闘を起こすリスクが得られるリターンに比べて尋常でないほど高いのです。そして右側のチームがヘラルドを悠々と取っているところを指をくわえて見ているしかない。

長い例でしたがこの例から見ても(A),(B),(C)全ての条件から、LoLというゲームはリソースはバラバラにするより誰かに集めたほうがいいというゲームになっているといえるでしょう。

ファンネリングはそれを応用してマークスマンではなくジャングラーにリソースを傾けることで少数戦につよい状態を作り、結果として数多くのオブジェクトをコントロールしやすくしようと考えたわけです。


 

2.ジャングルの仕様変更



8,10でジャングルのクリープに変更が入りました。
多くのクリープの獲得経験値を下げた中でスカトルとクルーグのみ経験値が上昇したことによって特に獲得したときに恩恵が大きく狩りやすいスカトルの競争が激化したこと。
これが先ほど言った少数戦の強さが必要な理由にもつながってくるわけですね。

加えて以前は自身のレベルがクリープより高いと得られる経験値に減衰がかかっていたのですが、それが削除されたことによりレベルの上がる速度がより早くなってしまったのです。


他にも細かい理由はあると思いますがこの二つがファンネリングが生まれる大きな理由になったのではないかと推測されます。



何が強いの?運用方法は?



じゃあ実際に何が強いの?どうやって使うの?という疑問が浮かんできます。

この戦法の強みはとにかく「ジャングルの小競り合いで負けないこと」
この一点に尽きます。ほとんどの場合2人でジャングルを回っているので遭遇戦にとことん強い。
さらに二人でレーンをプッシュするので相手のミッドレーナーをタワーに張り付けられる。

そして自分たちはジャングラーにすべての経験値とゴールドをつぎ込んでいるわけですから窮屈なファームを行っている相手に対して圧倒的なファーム差が生まれるわけです。

ブラウムはファームをしていませんが先ほども言ったようにサポートはゴールドを必要としないのである程度高いパフォーマンスが期待できます。
そうなった際通常通りで2v2をした際に有利なのはファンネリングサイドですからおのずと視界やスカトルのコントロールで差が出てくるわけですね。

これによって相手は視界を広げることがだんだん不可能になり、ファンネリングサイドは悠々とスカトルはもちろん相手のジャングルクリープを管理する、ひいてはドラゴンやヘラルドの管理を行っていくわけです。


じゃあどうやって使うかというところですが、基本的には二人でジャングルを回ってミニオンがたまればレーンに戻ってファームするという行為を繰り返すのみになります。そこで絶対に注意しなければならない点をいくつか挙げておきます。

(1)砲台ミニオンのレーンを絶対に逃さないこと


(2)相手のジャングルにワードを指しに行く


(3)スカトル、赤バフ、青バフは真っ先に確保する


(4)ミニオンがタワーに到達しそうならサポートがミニオンをボディーブロックをして到達する時間を遅らせる



このあたりになりますかね。
最終的にチャンピオンによってはスニークでヘラルドやバロンを行っても十分狩り切れるパワーを得られるはずです!相手ジャングルに土足で入り込んでいって、ガンガン視界の差、オブジェクトの差をつけていきましょう。

具体的な回り方が知りたいという方はKR上位プレイヤーがわかりやすい動画を挙げてくださっているので検索してみてください。(taric yiとかで出てくると思います)


対応策は?



ここまでファンネリングの強みをずらーっと並べてきましたが、絶対に勝てる戦法なんていうのは存在はしないわけでいくつか弱みは存在しています。それをいくつか紹介していきたいと思います。

(α)ミッドレーンにプッシュ力、レーン維持能力がともに高いチャンピオンを置く


(β)キルゲームを起こして相手のファーム速度と同じかそれ以上のゴールドと経験値を獲得する


(γ)レイトゲームの5v5の集団戦に持ち込む



(α)
これは相手がジャングルを回っている間にレーンを可能な限り早くプッシュすることでジャングルを回っていられる時間を減らすことで視界のコントロールやカウンタージャングルの時間を減らしてしまおうという作戦です。これによってミニオンをロストさせ限りあるリソースを削っていく作戦ですね。

OPLのAV vs TTCで見られた作戦だったのですがこれによってファームをとがめるところまではいけませんでしたがカウンタージャングルであったり視界のコントロールを一切させないことに成功していました。

これにはゼラスのようなマナ回復手段を持っているチャンピオンを置くのが望ましいでしょう。

(β)
これが一番現実的な対抗策になると思います。とにかくキルメイクできるチャンピオンたち(アリスター、スレッシュ、カミール、などなど)をピックして積極的にキルを狙っていく動きを繰り返す、ミッドにアサシンを置いてみてもいいかもしれませんね。

発想としては、リソースが限られているなら強引に作り出せばいいじゃない()ということです。

あまりにもゴリラですがキャッチスキルやエンゲージスキルを持っているチャンピオンを選択して強引に相手のペースを崩すのが現実的と言わざるを得ないのが現状です。

(γ)
これは全員の成長が頭打ちになれば勝てるんじゃないかという発想です。

サポート系チャンプはゴールドや経験値をあまり必要としない代わりにスケールが非常に悪いという欠点を持っています。ファンネリングサイドにはサポート系チャンピオンが2人いるということを考えると後半のスケールが悪いのは明白です。

ここをついてレイトゲームの集団戦まで耐えきりたい。ただし耐えきれるかどうかはまた別の話で、通常通りに進行していけばレベルとゴールドの暴力で中盤に叩き潰されるでしょうから、ディスエンゲージが強力なチャンプやウェーブクリアの強いチャンピオンを数多く選択してタワーを何とか守り切るという構成にするほかないですね。

ここまで上げてきましたがやはりリスクが高すぎる、ファンネリングサイドが安定感が高いことは間違いないのでBANしてしまったほうが早いかもですね(投げ槍)



まとめ


ここまで本当に粗くですがファンネリングについて解説してきました。
以前までもルルやカルマのようなサポートチャンピオンがミッドに来ることはありましたが、まさか一緒にジャングルを回り始めるメタが誕生するとは夢にも思っていませんでしたね()

かなり低リスクで行えるファンネリングですがファームを集めた後のオブジェクトへのアプローチの仕方が非常に重要な戦法なのでマクロに自信のある方は一度挑戦してみてはいかがでしょうか。

また、競技シーンで出てきたときに、このブログで見たやつだ!みたいな形である程度動きの理解の助けになれば幸いと思っております。

ここまで長々とご精読ありがとうございました! また次の記事でお会いしましょう!