パッチ9.8感想 MSIに向けた調整

April 18, 2019 by lol-cla管理人, Patch 9.8

タンク系のさらなるバフ、ケイル・ゼドのナーフなど
こんにちは。
パッチノート感想文のお時間です。

といっても今回はゲーム全体に影響を及ぼすような大きな調整はなさそうです。

大きなバフが入ったチャンピオンは何体かいるものの、前パッチで暴れたチャンピオンへのお仕置きはゼド、ケイルくらいですし、それもマイルドなものなので多少勝率は下がってもまだまだピック水準でしょう。(

というのもこのパッチ9.8はLeague of Legendsの2大世界大会の1つともいっていい、Mid Season Invitational、通称MSIで使われる予定のパッチなので、そこまで大きくメタを動かしたくなかった、というのが本音でしょう。

ただ、前パッチであるパッチ9.7はメジャーな競技シーンでは使われておらず、リサンドラ、サイラスのナーフがメタにどう影響を及ぼすかは正直言って不透明です。

今回エンゲージの出来るタンク系のチャンピオンがかなりバフを受けましたが、一方でそれらに強いフィオラなんかもバフを受けているので、タンクをミッドにおいて、トップにファイターを置くようなソロQの一般的な構成とトップミッドを交換したようなメタになるかもしれませんね。

競技シーンのメタに関しては、ここで詳しく話始めると何の記事だか分からなくなってしまうので、ここからはいつも通りチャンピオン個別に調整内容の確認をしていきましょう。




続・バフされたタンクたち


前回のパッチでもタンクに対する調整が入っていましたが、今回もタンクをバフする方向での調整が入っています。

ただ結構派手なバフを連発しているので、ソロQが壊れないかはちょっと心配ですね。
特に海の底に沈んでいた彼がね・・・。


エンチャント・シンダーハルク


モンスターに与えるダメージが「本当に」増加しました。


チャンピオンに行く前にこれの紹介を。

よくある変更されたとおもったらされてなかったってやつです。
通りでタンクジャングルの勝率上がらないわけだよ。

まあ今度こそ本当に中盤以降のファーム速度は上がったはずです。


アムム


固有能力 呪いの手 呪いがかかっている相手に与える軽減前の魔法ダメージが確定ダメージに変換される比率が10%から13%に増加しました

Q 絡みつく包帯のクールダウンが低ランク時に低減、対象のスタンが切れたときもアムムが一定距離移動できるように


めちゃくちゃ大きなバフです。

固有能力は通常攻撃を入れないと相手に呪いが付与されないので、Qで飛びついたあとにきっちり通常攻撃を入れてからEだだっこを発動させるようにしましょう。
(バフ前からあるテクニックですが、より重要になりました)

Qがスタン解除されても移動してくれるようになったのは、固有能力のバフ以上に大きく、いままでアムムはシルバーサッシュやクレンズを持っている相手に対して、距離を詰める手段がありませんでした。

この変更でフラッシュがない時間帯でも(が当たりさえすれば)安定したエンゲージ性能を持つことになるので、使い勝手はかなり向上したはずです。


ナー


Rナー!のクールダウンが全ランクで大幅に低減

タンクではないですが(どちらかというとアンチタンク系のチャンピオン)、集団戦で活躍するトップレーナーなのでここで紹介します。

分かりやすくいうとレベル11以降は変身するたびにほぼ毎回アルティメットが使えるようになりました。

正直ナー本人の性能はまだ物足りなく、今回のバフでもソロQの勝率に大きな影響は及ぼさなさそうですが、(このチャンピオンはミニ状態の性能が勝率に直結しやすいので)
競技シーン的にはナーは比較的安全なピックでの安定性が向上すればピック率が上昇するかもしれません。


ノーチラス


固有能力 鉄の錨 スネア時間が低レベル時で増加
Q錨投げ 全ランクでダメージ増加、魔力反映率増加


過ぎたるは猶及ばざるが如しという言葉があります。

おっと、アメリカにはそういう言葉がないのかもしれませんね。

ノーチラスはパッチ9.6でも大きなバフを受けていました。
固有能力の発動時間を全レベル一律6秒になったやつですね。

更に今回、スネア時間が延長される変更が入りました。

レベル6になると6秒に1回、通常攻撃をするだけで1秒のスネアを相手に付与できるようになりました。

さらにQ錨投げはランク1でも20ダメージ+0.15APのバフが入りました。これいる?

サポートはもちろん、ミッドレーンやジャングルでのチャンスが巡ってくるでしょう。
高いAPレートに目が行きがちですが、ベースダメージも雑に20~40上がっているので普通にタンクビルドしても活躍が十分に見込めます。


オーン


防御系の強化アイテムのスタッツが上昇
フローズンフィスト 物理防御力アップ
フォージファイア・ケープ 体力と物理防御力アップ
インファーナルマスク 体力と魔法防御がアップ


最近のRiotはケイルといいこいつといい、ただタワー下でボケーッとつっ立ってれば勝手に強くなるチャンピオンを推奨しているのでしょうか。

さて、強化前と強化後のスタッツ比較とアップグレード時の金銭効率を表にしてました。
アップグレード前後で変化しないスタッツは割愛しています。



あまりにも数値がバグってるので、3回位検算しました。 #時間をかえせRiot

というわけで上記2つを揃えているとオーンはレベル13になった途端に3000g分以上のスタッツを手に入れることになります。
ゴールドだけでいえばコアアイテムを1つタダでもらえるのと同じです。

オーン自身だけでなく、強化を貰える他のチャンピオンにも影響があります。

正直アビサルマスク、サイファイアケープを複数人が購入することは稀ですが、アイスボーンガントレットはエズリアルやサイラスあたりが買うこともあるので、オーンと組み合わせピックした時は間接的なバフになりますね。

ソナ・タリック構成のときのタリックも初手にアビサルマスクを買うので、オーン、ソナ、タリックというチームコンプがMSIで見られるかもしれませんね。

ちなみにソナ・タリックに関してはこちらで詳しく書いたので、ぜひ読んでみてください。

パッチ9.6 異形のDuobot ソナタリック、タリヤパンテオン解説

ゲーム時間が長引いたときにこのチャンピオンがいるチームが著しく有利になるので、統計データが上がってくるのが楽しみですね。

いや全然楽しみじゃないけどね。


レネクトン


基礎体力増加、レベルアップごとの攻撃速度増加量上昇、レベルアップごとの物理防御増加量上昇
Qミートカットがチャンピオンにヒットしたときの回復量増加、1回のQで回復できる上限が増加

ナーと同じような理由でここに載せておきます。

基礎ステータスのバフ量は微々たるものなので、そこまでゲームには影響しないでしょう。
パッチノートにある通り、キリの悪い数値を整えるついでに微バフされたといった感じです。

このチャンピオンは9.7の時点でも十分に強いのでなんで弄ったかはよくわかりませんね。

今のメタだとトップレーンで使うより、サステインとガンク合わせ能力の高さ、中盤の強さを生かしてミッドレーンで運用したほうが強いかもしれません。

ダメージが低いミッドレーナー相手ならかなり活躍できそうです。
イレリアみたいな使い方ですね)

もちろんトップで使っても安定した成績が残せると思います。



セジュアニ


W氷河の怒りのセジュアニの最大体力に応じたダメージが1段目、2段目ともに増加


ファーム、ガンクどちらにも重宝するスキルのバフですし、セジュアニのようなタンクにとっては自然と積んでいく体力でダメージがスケーリングするというのはめちゃくちゃ大きなバフです。

前パッチでシンダーハルクがバグってたんだからこのバフはもう少し様子を見てからでもよかったのではと思いますが、Riot的にはMSIでセジュアニが見たいということなんでしょうかね。


シンジド


基礎体力自動回復量が増加
W強力粘着剤のスロー効果が増加
Eすくい投げの消費マナが全ランクで減少


大好物だったダークシールを取り上げられて、別に強くもなかったのにとばっちりナーフを受けていたシンジドに補填がきました。

Wのスローが60%になったのはかなり大きく、ガンク合わせや回避に活躍しそうです。

ただまだチャンピオンパワーという面では物足りないのでこれ以上彼のティアを上げるためには、メタの変化かRiotからの愛情、そのどちらか、もしくは両方が必要そうです。


トランドル


Q噛み付きのダメージがランク2以降で上昇
R暴虐なる搾取のクールダウンが全ランクで低減


よくlol-claはトランドルに厳しいとか言われますけど、私はこのチャンピオンのこと好きで、彼がサモナーズリフトを引退して野球選手に転職する前はサポートで良くピックしていたんですよ。

Eをどうにかしないと、こいつの勝率は変わらないってことにRiotは気づいているはずですが、ビビッて手を出せないでいます。(気づいてるはずです)

理由は簡単で最近リリース/リメイクされたチャンピオンは「方向指定にすることでその分強力な効果をもったスキル」を持っていることが多いからです。

トランドルのEは地形変化+スローという相手の移動を極端に阻害できる能力なので、「強力な方向指定スキル」に対して「歩いて避ける」というカウンタープレイを封じることができるわけですね。

去年猛威を振るったゾーイ・トランドルの組み合わせはその典型です。

まあ今回のバフはそこそこ大きいですし?タンク同士の殴り合いという面ではそれなりに強そうですね。

どうやって殴り合うかが問題ですが。

WとRの間のキーを押すと、24秒に1回、15%のスローがかけられるとの噂があるので、有志の方々はそれで頑張ってみてください。



タンク以外に調整の入ったチャンピオン


ここからはタンク(とタンクじゃないけど一緒に並べて紹介したかったチャンピオン)以外の調整について見ていきましょう。
また長くなってしまいそうなので、ここからはちょっと短めにいこうとおもいます。


カミール


・基本攻撃速度が上昇


基礎攻撃速度はかなりレーニング、ジャングリングのしやすさに影響します。

アイテムやルーンで底上げするときも攻撃速度は割合で増加するので、基礎値のバフは数値は微々たるものに見えるかもしれませんがかなり大きいです。

トップでタンクが流行り出したら当然メタ上位にあがってこられるでしょうし、流行っているジャーバンIVのカウンターなので、一部のカミールが得意なプロプレイヤーはジャングラーとしての再登用も考えるかもしれません。


カシオペア


・Eの消費マナがランク2以上で減少


ランク5まで行くと20も消費マナが減りました。連発するスキルなので、かなりマナ持ちが良くなったと言えそうです。

競技シーン的にはライズが猛威を振るっていますが、そのカウンターであるカシオペアをバフしたのでつかってくださいね?ということでしょう。


フィオラ


・Wリポストのスロー・スタン時間が延長、ダメージが全ランクで上昇

・Eブレードワークの消費マナが全ランク同じに(ランク2以降で5~20減少)


特にWのバフは大きいですね。
単にダメージが伸びたのも大きいですが、相手のCCを無効化しつつ2秒もスタンをさせられるというのは使っている側にとっては楽しい要素になりそうです。

というか何を基準にバフするチャンピオンを選んでいるんですかね。

プロも春シーズンそこそこピックしていましたし、タンクがバフされればおのずと勝率も上がってくると思うんですが。

ちょっとタイプは違うものの同じレイトゲームに強いトップレーナーであるケイルは今回ナーフを受けたわけですし、こんなバフを貰わなくても環境の変化だけでも十分ピックされる水準にいたはずです。

あっ



なるほどね~


ジン


・E「女神の抱擁」のトラップの持続時間が延長、トラップをチャージするのにかかる時間が高ランク時で短縮

・R「終焉‐フィナーレ‐」の減少体力に応じたダメージ増加率が上昇


Rのバフは結構大きくて、トドメをさせる機会は増えそうです。

ただ、ジンは固有能力のせいでタワーシージが遅いのがタワープレートというシーズン9の新要素と絶望的に相性が悪いんですよね。

チャンピオンのメタ的にはCCがあって序盤からそこそこダメージが出せるADCというのは悪くないんですが、いくらレーンが強くてもタワー削りが遅くてタワープレートを割れず、強みを生かせないというのが問題です。

タワープレートの枚数も「5」枚とキリが悪いですし、彼の不機嫌は今シーズン中続くかもしれません。



ケイル


・基礎攻撃力が低下、基礎物理防御が低下、基礎攻撃速度が低下

・固有能力聖なる上昇による能力変化がケイルのチャンピオンレベルとRのスキルレベルを参照するようになりました。


前回の感想文でもう1度か2度、マイルドな調整がくればちょうどいいバランスになるだろう、と書きましたが、まさにちょうどよさそうな変更が入りました。

育ったときのパワーはそれほど落ちていませんが、育つまで耐える能力はかなり削られました。

スキルエリクサーによるガチャ要素もなくなって、本パッチ一番読んでいて気持ちのいい項目でした。



ケイン


・E影抜きが「影の暗殺者」時に全ランククールダウンが8秒固定に
(13~5秒の短縮)


「影の暗殺者」はスノーボール性能は高いものの立ち回りが難しい、ハイリスクハイリターンな進化先でしたが、今回のやけくそバフでさらにリターンが大きくなりました。

何だか知らないですがレベル14までの間、Eのクールダウンが半分以下になったので、しばらくは新たなプレイパターンの確立に時間がかかるかもしれませんが、最終的には勝率はあがってくるはずです。


マスター・イー


・Rハイランダー中にユニットをすり抜けられるようになりました


使い勝手の向上といった感じです。
ジャングル内でチェイスするときにモンスターに絡まれて動きづらい、といったことが起こらなくなります。

クリティカルビルドにいったときに、ファントムダンサーを買うとユニットすり抜け効果がダブってしまうので、若干効率が悪くなってしまいます。

もちろん使用中だけですし、シールドの恩恵も得られるので全くの無駄にはなりませんが、ちょっとだけ損という話ですね。


ゼド


・日本語ボイスが変わりました

・Q風魔手裏剣のダメージが全ランクで低下

・W影分身のクールダウンが低ランク時に延長

パッチ9.4のバフ部分からQの基礎ダメージとWのクールダウンの部分を巻き戻した形です。

まだピック水準以上だとは思いますが、こちらもケイル同様勝率はマイルドなものになりそうです。




アイテムとルーンの調整


最後にアイテムとルーンの調整です。シェアの高いアイテム、ルーンへのナーフが入っています。


ビルジウォーター・カットラス、ルインドキングブレード


・コストがそれぞれ100gずつ増加


競技シーンをご覧になる方はこのアイテムがボットレーンで圧倒的シェアを誇っていることをご存知でしょう。

この値上げでインフィニティエッジとの差が100gになりましたが、結局2アイテム目までいかないと強くないと1アイテムで十分強いの差は詰まっていないように思えます。

つまりこの変更は単純にADCを少し弱くしただけに見えます。


ブランブルベスト、ソーンメイル


・重傷の効果時間が延長

他の重傷アイテムと同様に3秒になりました。
依然として状況に応じて買うアイテム、という立ち位置は変わらないとおもいますが、純バフには違いありません。

解説者的には重傷アイテムの数値が全部揃ってくれて間違える可能性がなくなったので、うれしい限りです。


ストームレイザー


・エネルギー充填状態の効果の増幅量が増加
・ストームレイザー自体の充填状態効果のスローの時間が延長


『現時点で「ストームレイザー」を購入するチャンピオンはカイ=サのみであり、』(パッチノートより引用)

そうですね。なのでこのバフもカイ=サへのバフにしかならないと思います。

ただ、1.5秒のスローはなかなか魅力的なので、4つ目のアイテムとして購入するプレイヤーは少しは増えるかもしれません。

問題はソロQなどでADCが4アイテムまでいく機会がどの程度あるのか、という点ですが。


最期の慈悲


・体力が40%未満の相手に対する追加ダメージが上昇

・キルまたはアシスト獲得時にアダプティブボーナスを獲得しなくなりました


キルをとってそこで戦いが終わる状況ならバフ、戦いが続くような状況ならナーフという調整になっています。

ジャングラーや凱旋や冷静沈着目当てでサブパスを栄華にするアサシンなどはいままで通りこれを持ってもいいかもしれませんが、

ADCなどでは切り崩しや背水の陣に切り替えるプレイヤーも出てくるかもしれません。

正直この列の残りの2つのルーンは戦闘やキルが発生しても効果が発動するかどうかが不安定なのに対し、最期の慈悲はキルに絡む状況ならほぼ確実に発動させられるという安定性があるので、ナーフされてもいままで通り使われる、という結果になるかもしれません。




終わりに


いかがだったでしょうか。

今回は小規模パッチだ、楽勝だな!とおもって取り掛かったものの、意外と時間がかかってしまいました。

パッチ自体はそれほど競技シーン的にはメタが動かないかもしれない内容でも、バフされたチャンピオンたちは、大分「盛られた」調整になっているので、ソロQではぶっこわれチャンピオンに遭遇することになるかもしれませんね。

一方でゼドやケイルの調整には非常に納得いっているので、今後もこんな感じで慎重な調整をしてくれればなあ、と思っています。

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