パッチ9.6 異形のDuobot ソナタリック、タリヤパンテオン解説
各地のプレーオフでピックされた特殊なピックを分析する
こんにちは。
世界各地でMSIの出場するチームが決まりつつあります。
日本ではDetonatioNFocusMeが圧倒的な力を見せて代表権を勝ち取りました。
プレーオフの時期になると良く出てくるのが、チーズ、いわゆる初見殺しのピックです。
DFMもソロQでこそ高勝率を収めていたものの、競技シーンではピックされてこなかったプレスアタック・ミスフォーチュンを採用して勝利しましたね。
そこで今回は、LECやNALCSなど西欧諸国で頻繁にピックされているソナ・タリックの組み合わせと、LCK決勝で登場したタリヤ・パンテオンの組み合わせについて解説していこうとおもいます。
この2つには共通点が多く、botレーンでの採用であること、サポートポジションは近接型チャンピオンであること、キャリーポジションはスペルシーフエッジをつかったCSを取らないスタイルであることなどが挙げられます。
そこで本記事ではなぜこういったBotDuoが選択されているのか、メタ的背景を踏まえつつ、それぞれのピックについて見ていこうとおもいます。
シーズンの総決算ということでここで1月から4月までのメタの流れについておさらいしていこうとおもいます。
まず1月、シーズン開幕直後はゲーム展開が早く、スノーボール出来るチャンピオンが活躍していました。
なぜ、そういった早いメタになったかというのはこちらの記事で詳しく解説しています。
LCKメタ・ドラフト分析 KingZone DragonXの生存戦略
簡単にまとめると、シーズン9でタワープレートが導入された結果、ゲーム序盤にサモナーズリフト内に流通するゴールド量が増えた結果、1コアや2コアで活躍出来るチャンピオンが重用されるようになったわけです。
そこから時は流れ、旧正月を挟んでパッチ9.3以降徐々にメタが変化していきます。
ゲームスピードがゆっくりになり、レイトゲームで活躍するチャンピオンが採用され始めたのです。
実はそれに関する解説記事もあります。
メタリポート9.5 スケーリングの時代がやってきた
読み物としてそれなりに面白いので是非読んでいただきたいですが、もうすでに読んでいただいた方や
忙しい方のためにざっくりまとめると以下のような感じです。
春シーズン序盤は、中盤にパワースパイクが来るチャンピオンを並べてオブジェクト周りでの集団戦に勝ち、そのままスノーボールして試合を畳む、というメタだったのですが、スノーボールしやすいチャンピオン、エンゲージ出来るチャンピオン、そのどちらもがナーフされてしまった結果、スケーリング性能があるチャンピオンが採用されるようになりました。
というわけでパッチ9.5ではトリスターナやヴェインといったレイトゲームキャリーたちがピックされるようになったわけですが、春季のプレーオフで使われたパッチ9.6ではそういったピックは若干下火になっています。
理由はいろいろあります。
ゾーイのナーフによって、ミッドレーンで安全に試合を引き延ばすことが難しくなったことや、ヘカリムという新たなエンゲージャーの台頭などなど。
でも中でも最も大きいのが、「スケーリングするチャンピオンをボットレーンに置く必要がない」、という発想の登場です。
これは「スケーリングチャンピオンが不要」という意味ではなく、「スケーリングチャンピオンをトップ、ミッド、またはジャングルに置いても問題ない」、という意味です。
代表的なピックとしては、トップの彗星ライズ、ジャングルの征服者キンドレッド、ミッドのコーキなどが挙げられます。
ライズは2つ目のアイテムにヴォイドスタッフを買うビルドが開発され、かなり早い段階からダメージを期待できるようになりました。
自軍にエンゲージ性能が足りなければ、Doinb式ともいわれるライチャス・グローリーをビルドして強引にユーティリティチャンピオンとして起用できるなど、レーンだけでないフレキシビリティが評価されています。
コーキはリサンドラのカウンターとしてピックされ、いまではミッドの中心的ピックにまでのぼりつめました。
トリニティフォース、ソーサラーシューズの2つが揃えばかなりのダメージが期待できますし、中盤はバーストダメージやポーク、後半はDPSと時間帯とビルドの進み具合でスムーズに役割をスイッチしていけるところもメタにマッチしています。
トップサイド(トップ、ミッド+ジャングルのこと)でゲームメイクをしていくというメタの流れも影響しています。
そのあたりはこの記事で詳しく解説しているのでよろしければどうぞ。(他サイトですが筆者は自分です)
「LJL 2019 Spring Split」中間展望:ルール&パッチ変更後のチームごとの戦況と課題を分析
当該記事でも書きましたが、ジャングラーのパワー低下もあって、今の競技シーンでは安全なレーン1つと強いレーン2つという構成のチームが結果を残しやすいのです。
その安全なレーンが今シーズン序盤ではトップレーンでした。
アーゴット、エイトロックスという安全確実な2大巨頭がいましたからね。
彼らがナーフされて以降はジェイスを筆頭にトップレーンはファイターたちの力の見せ合いになりました。
ファイター同士のマッチアップというのは一度負けた側が逆転することが非常に難しく、そのため自軍のトップレーナーを勝たせるためにジャングラーもトップサイドでの活動時間を増やす必要が出てきたのです。
これらを統合した結論はこうです。
わざわざ手のかかるスケーリングADCをボットレーンで飼うよりはジャングラーが介入したいトップ・ミッド、あるいはジャングル自身に置いたほうが相手の動きに対処しやすいのではないか?
こうしてレイトゲームキャリーはパッチ9.6ではピック数をやや減らし、かわりにアッシュやヴァルスといったCCを持ったADCがピックされたり、今回紹介するソナやタリヤなどのメイジチャンピオンが採用されるようになったわけです。
それぞれのDuoについて解説する前に、いわゆるフロストマンシー戦術とサポートの関係性について軽く説明しておこうと思います。
フロストマンシー戦術というのはフロストファングとねこばばの英語名、 Kleptomancyを繋げた造語で、フロストファングの自動効果とねこばばによるゴールドだけでお金を稼ぎ、あえてラストヒットを取らない戦術のことを指します。
韓国では断食メタと呼ばれたりもしていたので、そちらのほうがなじみ深い方もいるかもしれませんね。
元はトップレーンでカルマが行う特殊な戦術でとしてソロQで開発されたものでしたが、シーズン9で追加されたファームによる賞金制度を悪用している点やLoLというゲームの根幹である、自分のCSを取り、相手のCSを妨害してゴールド差を作るという概念を真っ向から否定している戦術だったため、プロシーンで採用されるや否やすぐに修正を受けて姿を消しました。
(ちなみにLCKでは1週間ほど断食できるパッチでの試合が行われました。本当につまらなかったことをよく覚えています)
ただし修正後もボットレーンでは採用できるように調整されていたので、今回時を経て再びフロストマンシーがよみがえった形です。
ボットレーンでフロストマンシー戦術を使うときに重要なのが、サポートがレリックシールドを持てるチャンピオンであるという点です。
レリックシールドは、キャリーポジションに入った断食中のチャンピオンにゴールドを供給することができますし、スタックがない時に自分でCSを取ったとしてもペナルティはないので、一番無駄がないわけですね。
断食中のチャンピオンがスタックを溜めきるまでの間にサポートポジションのチャンピオンはCSを独占できるので、普段サポートが買えないような高級なコアアイテムを1つ買うことができる点も見逃せません。
このように上手くキャリーポジションとサポートポジションでCSを共有することで、キャリーに入るお金自体は減少するものの、ボットデュオの合計で見た獲得ゴールド数は普通のスタイルよりも多くなります。
なので、メイジ+近接型サポートという形がボットレーンにフロストマンシーを持ち込んだときの最適な組み合わせ、というわけです。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここからは個別の組み合わせについて見ていきましょう。
まずはソナ・タリックです。
このデュオの特徴はなんといっても、集団戦が凶悪という点です。
ソナのアルティメットクレッシェンドとタリックのEダズルはそれぞれが連鎖させやすい性能をもっていますし、タリックのアルティメットコズミックレディアンスの集団戦性能は改めて説明するまでもないでしょう。
一度CCをチェインさせてしまえば、長時間相手を拘束でき、そこから安全にへとつなげることができるわけです。
特にゲーム中盤の集団戦で圧倒的な力を発揮するので、中盤に強いファイター系と組み合わせることでゲームを破壊することが出来ます。
いまメタに上がっている中だと、イレリアやヘカリムあたりと組み合わせるのが非常に強力ですね。
代表的なピック例としてはNALCS FinalのTeam Liquid vs Team Solo MidのGame2です。
Midのラックスもサポート能力を有するので、3枚のサポートで2枚のファイターを援護して戦うという構成ですね。
この試合でも見られましたが、ソナ・タリックのもう1つの長所がその高いサステイン能力です。
他人をヒールできるスキルとシールドを与えるスキルの両方をQWEの通常スキルで持っているのは、実はソナとタリック、あとラカンだけでなのです。
この2人が合わさることでレーン戦では高いサステイン性能で相手のハラスを無効化し、CSを取らなくていいソナが一方的にハラスして相手の体力を削りながらねこばばでゴールドを稼ぐ、という状況を作り出せるのです。
このヒール能力は集団戦フェイズでも強力で、ソナ・タリックと一緒に合わせたいファイターチャンピオンが苦手なポークを無効化でき、長時間にらみ合いが行えるので、結果相手の陣形ミスを突くチャンスが増えるのです。
とにかくゲーム時間20~30分くらいまでの集団戦にフォーカスを合わせたピックで、自分たちからもエンゲージが出来、エンゲージサポートに回ることができるソナ・タリックは、エンゲージ不足の現メタでも、短い時間でゲームを畳むことができる強力なコンボピックになっています。
仮にゲームを狙いの早い時間帯に決めきれなくても、サポートチャンピオンとして機能するので、他のレーンにスケーリングするチャンピオンが置けていればロングゲームにも耐えうるというのもピックする上のでの「気軽さ」につながっています。
ソナ・タリックはレベル6までのガンク耐性に難があります。
ソナはEのパワーコードという不安定なCCしか持ちませんし、タリックのEもガンクをかわすのには最適なCCではありません。
そしてメインでCSを取る役割のタリックもファームが早いチャンピオンではありません。
なのでソナ・タリック側としてはレーンを引き気味にしてコントロールすることになるわけですが、それに対するカウンターとしては2つの行動が考えられます。
① 安全なウェーブクリアでタワーにミニオンを押し付ける
② サポートをロームさせて別のレーンで人数差を作る。
まあ簡単にいってしまえば相手がまともにレーニングをする気がないならこちらもまともにレーニングを行わないということですね。
この対策が一番きれいに決まった試合がLEC Final Origin vs G2 esportsのgame2です。
このゲームはG2がザヤ・ラカンのファンネリングという思い切った作戦に出たことで話題になっていますが、むしろモルガナ、パイクというボットレーンの組み合わせこそソナ・タリック対策の重要な要素になっています。
というのもソナ・タリック対策にフック系チャンピオンを使うというのはすでに対戦相手のOrigenが採用していた戦略で、実際その試合ではヴァルス、ブリッツクランクという構成でFnaticのソナ・タリックを撃破しています。
同じフック系でかつロームの得意なパイクに、安全かつ素早いプッシュができ、キャッチ能力も有するモルガナを組み合わせるというのは、ソナ・タリックに対する完璧な回答といっていいでしょう。
なぜザヤ・ラカンでのファンネリングを行ったかについて書き始めると、それだけで記事1本になってしまうので簡単に要素だけをまとめておくと、
・相手がソナ・タリックにしてこなかった時に通常のボットデュオとして機能する
・ザヤのWに9.6でバフが入り、ラカンと2人でジャングルを回ると速度がかなり出るし、W華麗なる登場のノックアップでスカトルも素早く確保できる。
ラカンはガーディアンを持つので、高い体力を保ってジャングリングすることも可能
・ザヤはレベル6になればRによる高い自衛能力を持つことができる。、
ァンネリングすることでいち早くレベル6を目指せるので、パイクとラカンで一緒にロームしたとき、一人でミッドに放置されるザヤの安全性を早い段階で確保できる
・ザヤはクールダウンと攻撃力が欲しいチャンピオンなのでマークスマンの中でもエンチャントウォーリアーとの相性がいい
・ジャングルクリープの経験値が全体的に低く、モンスターレベルが上がっても経験値が上がらないタイミングがあるなど、それほどジャングルモンスターを狩り続けることにメリットがない
などなどG2のかなり練られたピックだったのでOrigenとしては完全にしてやられた、といったところでしょう。
G2 esportsの対策は見事でしたが、正直言ってかなり練習が必要な構成です。
一方でソナ・タリックをやる側は非常に簡単なので準備はさほど必要ありません。
なのでソナ・タリックはMSIでも強力な戦術のひとつとして存在し続けるでしょう。
基本的にブルーサイドがソナ・タリックをやる優先権を持つので、レッドサイドとしては対策が用意出来ていないなら1stバンフェイズで、タリックかソナにバン枠を割く必要がありそうです。
ソロQでのソナ・タリックは、どうでしょうね。
突っ込めるDPSタイプのチャンピオンがいないとうまく機能しないので、味方の相性に左右され過ぎる気はします。
これに限った話ではないですが、プロがやるチーズ戦術というのは、味方も相手も高いレベルにあるから成立する技であることがほとんどなので、
我々浅瀬の住人はそれを眺めても、真似するのはお勧めできないですね。
世界最高峰と言われるLCKの決勝で突如登場した、このタリヤ・パンテオンのデュオボット。
実はその1か月前、韓国2部であるChallengerKoreaでピックされていたんですね。
その時のピックがこちら。
CK 2019Spring week6 BBQ Olivers vs Brion Blade
この試合が行われた時はパッチが9.4だったので、サモナーズリフトにスケーリングの波が押し寄せる前でした。
タリヤ・パンテオンよりクレッドジャングルの方が気になりますか?
彼の名はMalice。スウェーデン出身。
韓国LoL界初の外国人選手で、クレッドジャングルは彼の十八番ピックなのです。(6ピック4勝2敗)
ちなみにこの1か月後、プレーオフという大舞台でタム・ケンチジャングルをピックした男でもあります。
閑話休題。
タリヤ・パンテオンはフロストマンシー戦術を活用するのはソナ・タリックと同じですが、プレイの性質はやや異なります。
レーン戦でプッシュをして、それからロームやタワーダイブといったプレッシャーをかけていくので、フロストマンシーの割にはちゃんとレーン戦をするほうのピックともいえます。
タリヤ、パンテオンはそれぞれがグローバルアルティメットを持っていますし、それぞれプッシュのためのスキルを十分にもっているため、敵チームはボットサイドのジャングルでのアクションを取りづらくなります。
ドラフト面での優位もあります。
タリヤは通常ミッドレーンで運用されるため、リサンドラやサイラスといったタリヤを苦手とするユーティリティミッドレーナーを敵チームがピックすることを抑止することができます。
こうして相手にゲーム中盤の集団戦で活躍するチャンピオンを渡さずに、自分たちで一方的に独占することで、中盤戦を支配してしまおうというのが狙いのピックになっています。
パンテオンはQのハラス性能が強力なのもありますが、相方のタリヤに対して強いブラウムのカウンターとして機能するのも良い点ですね。
ブラウムはトップティアのサポートですし、タリヤのウィーバーウォールをEで止めることができるので、相手チームにとってピックしやすいですが、
パンテオンは固有能力で通常攻撃を無効化することができるので、自分からWで仕掛けてダメージトレードを仕掛けにいったとしても、ブラウムの固有能力のスタックを複数回カットすることが出来ます。
またボットレーンのCSをパンテオンに集中することで妖夢の霊剣やドラクサー・ダスクブレードといった脅威アイテムを積むことができ、パンテオンの「賞味期限」を延ばすこともできます。
マップカバー能力が高いスキルを持つチャンピオン全般に言えることですが、寄りが早い、人数差を作りやすい反面、単純な集団戦のパワーというものはそこまで高くない傾向にあります。
(ガリオは例外です。あいつはバケモノです)
ゲーム序・中盤は狙うべきオブジェクトがタワーであったり、ドラゴンであったり、時には赤・青バフだったりと複数あり、様々な場所で戦闘が起きやすいのでグローバルアルティメットが非常に機能する時間帯です。
一方でゲーム後半になっていくと狙うべきオブジェクトはバロンナッシャーやその周りの視界、ミッドレーンのウェーブコントロールなど選択肢が狭まっていきます。
その結果、スプリットプッシュからの合流という意味ではグローバルアルティメットが活きる場面もあるこそすれ、人数差をつけるという意味での活用は中々難しくなっていきます。
それに加えて、パンテオンは終盤失速する代表的なチャンピオンですし、タリヤもマークスマンと比べるとスケーリング性能では見劣りしてしまいますし、本来サポートから受けられるはずのピールも、この半裸男には期待できないでしょう。
というわけで普通にやっていると終盤の集団戦で一般的な構成に対してはかなわなくなってしまうため、タリヤ・パンテオンを上手く機能させるためには
① 極端にエンゲージに寄せて25分前後で試合を終わらせる
② ジャングルかトップにスケーリングするチャンピオンを置く
このどちらかを採用する必要があるでしょう。
CKで出た時は①のパターンがうまくハマりました。
LCK決勝のピックはこちらです。
LCK Spring Final Griffin vs SK Telecom T1 Game3
ピック順
ロール順
GriffinはGame1と同じくタリヤ・パンテオン構成を選択していました。
そのGame1では中盤まで構成の強さでリードをしていたGRFでしたが、エンゲージ力不足もあってゲームを決めきれず、逆転負けを喫していました。
迎えたGame3、全く同じドラフトを行ってきたGRFに対して、SKTもほぼ同じドラフトで返した2ndバンフェイズ、SKTがヘカリムをバンしたのが好守でした。
これによってGRFは強引に集団戦を起こすチャンピオンを取れず、Game1と同じような結末を迎えてしまったのです。
タリヤ・パンテオンはジャングルの支配権を取りやすい構成でもあるので、②の方針に切り替えてキンドレッドやカーサスなどのスケーリングのいいジャングラーを取っていたら、また違った試合展開になっていたかもしれませんね。
タリヤ・パンテオンも決勝で2敗と大舞台でいい結果は残せなかったものの、フロストマンシー戦術の新しい使い方を見せてくれ、ポテンシャルも感じるコンボピックだったとおもいます。
上で挙げたチャンピオン以外にもケイルなどと組み合わせても面白いと思うので、これもMSIでどこかのチームが試してみてほしいな、とおもっています。
いかがだったでしょうか。
いつものくせで長くなり過ぎました。もうタイプする指が痛いですね。
ボットレーンにいかにリソースを割かずに影響力を大きくさせるか、という苦心の中で生まれたであろうこの2種類のチーズですが、MSIではまだまだ他にも出てくる可能性はあるとおもいます。
個人的にはイレリア・セジュアニボットとか見てみたいですね。
もちろんヴェインやジンクスといったスケーリングチャンピオンをボットに置くのもまだまだ有効なピックだと思いますし、ドレイブンや冒頭で触れたMFなどレーン戦から強くいくマークスマンというのも面白いです。
正直言って、今はどんなピックでも、どこかにスケーリング要素を含んでいれば成立してしまうメタなので、5月にベトナム・台湾で行われるMSIで各リージョンの代表がどんな隠し玉を用意してくるのか、いまから楽しみでなりません。
面白かったらシェア等よろしくお願いします。次の記事のやる気になります。
世界各地でMSIの出場するチームが決まりつつあります。
日本ではDetonatioNFocusMeが圧倒的な力を見せて代表権を勝ち取りました。
プレーオフの時期になると良く出てくるのが、チーズ、いわゆる初見殺しのピックです。
DFMもソロQでこそ高勝率を収めていたものの、競技シーンではピックされてこなかったプレスアタック・ミスフォーチュンを採用して勝利しましたね。
そこで今回は、LECやNALCSなど西欧諸国で頻繁にピックされているソナ・タリックの組み合わせと、LCK決勝で登場したタリヤ・パンテオンの組み合わせについて解説していこうとおもいます。
この2つには共通点が多く、botレーンでの採用であること、サポートポジションは近接型チャンピオンであること、キャリーポジションはスペルシーフエッジをつかったCSを取らないスタイルであることなどが挙げられます。
そこで本記事ではなぜこういったBotDuoが選択されているのか、メタ的背景を踏まえつつ、それぞれのピックについて見ていこうとおもいます。
2019Spring seasonのメタの変遷
シーズンの総決算ということでここで1月から4月までのメタの流れについておさらいしていこうとおもいます。
まず1月、シーズン開幕直後はゲーム展開が早く、スノーボール出来るチャンピオンが活躍していました。
なぜ、そういった早いメタになったかというのはこちらの記事で詳しく解説しています。
LCKメタ・ドラフト分析 KingZone DragonXの生存戦略
簡単にまとめると、シーズン9でタワープレートが導入された結果、ゲーム序盤にサモナーズリフト内に流通するゴールド量が増えた結果、1コアや2コアで活躍出来るチャンピオンが重用されるようになったわけです。
そこから時は流れ、旧正月を挟んでパッチ9.3以降徐々にメタが変化していきます。
ゲームスピードがゆっくりになり、レイトゲームで活躍するチャンピオンが採用され始めたのです。
実はそれに関する解説記事もあります。
メタリポート9.5 スケーリングの時代がやってきた
読み物としてそれなりに面白いので是非読んでいただきたいですが、もうすでに読んでいただいた方や
忙しい方のためにざっくりまとめると以下のような感じです。
春シーズン序盤は、中盤にパワースパイクが来るチャンピオンを並べてオブジェクト周りでの集団戦に勝ち、そのままスノーボールして試合を畳む、というメタだったのですが、スノーボールしやすいチャンピオン、エンゲージ出来るチャンピオン、そのどちらもがナーフされてしまった結果、スケーリング性能があるチャンピオンが採用されるようになりました。
というわけでパッチ9.5ではトリスターナやヴェインといったレイトゲームキャリーたちがピックされるようになったわけですが、春季のプレーオフで使われたパッチ9.6ではそういったピックは若干下火になっています。
理由はいろいろあります。
ゾーイのナーフによって、ミッドレーンで安全に試合を引き延ばすことが難しくなったことや、ヘカリムという新たなエンゲージャーの台頭などなど。
でも中でも最も大きいのが、「スケーリングするチャンピオンをボットレーンに置く必要がない」、という発想の登場です。
これは「スケーリングチャンピオンが不要」という意味ではなく、「スケーリングチャンピオンをトップ、ミッド、またはジャングルに置いても問題ない」、という意味です。
代表的なピックとしては、トップの彗星ライズ、ジャングルの征服者キンドレッド、ミッドのコーキなどが挙げられます。
ライズは2つ目のアイテムにヴォイドスタッフを買うビルドが開発され、かなり早い段階からダメージを期待できるようになりました。
自軍にエンゲージ性能が足りなければ、Doinb式ともいわれるライチャス・グローリーをビルドして強引にユーティリティチャンピオンとして起用できるなど、レーンだけでないフレキシビリティが評価されています。
コーキはリサンドラのカウンターとしてピックされ、いまではミッドの中心的ピックにまでのぼりつめました。
トリニティフォース、ソーサラーシューズの2つが揃えばかなりのダメージが期待できますし、中盤はバーストダメージやポーク、後半はDPSと時間帯とビルドの進み具合でスムーズに役割をスイッチしていけるところもメタにマッチしています。
トップサイド(トップ、ミッド+ジャングルのこと)でゲームメイクをしていくというメタの流れも影響しています。
そのあたりはこの記事で詳しく解説しているのでよろしければどうぞ。(他サイトですが筆者は自分です)
「LJL 2019 Spring Split」中間展望:ルール&パッチ変更後のチームごとの戦況と課題を分析
当該記事でも書きましたが、ジャングラーのパワー低下もあって、今の競技シーンでは安全なレーン1つと強いレーン2つという構成のチームが結果を残しやすいのです。
その安全なレーンが今シーズン序盤ではトップレーンでした。
アーゴット、エイトロックスという安全確実な2大巨頭がいましたからね。
彼らがナーフされて以降はジェイスを筆頭にトップレーンはファイターたちの力の見せ合いになりました。
ファイター同士のマッチアップというのは一度負けた側が逆転することが非常に難しく、そのため自軍のトップレーナーを勝たせるためにジャングラーもトップサイドでの活動時間を増やす必要が出てきたのです。
これらを統合した結論はこうです。
わざわざ手のかかるスケーリングADCをボットレーンで飼うよりはジャングラーが介入したいトップ・ミッド、あるいはジャングル自身に置いたほうが相手の動きに対処しやすいのではないか?
こうしてレイトゲームキャリーはパッチ9.6ではピック数をやや減らし、かわりにアッシュやヴァルスといったCCを持ったADCがピックされたり、今回紹介するソナやタリヤなどのメイジチャンピオンが採用されるようになったわけです。
フロストマンシーとタンクサポート
それぞれのDuoについて解説する前に、いわゆるフロストマンシー戦術とサポートの関係性について軽く説明しておこうと思います。
フロストマンシー戦術というのはフロストファングとねこばばの英語名、 Kleptomancyを繋げた造語で、フロストファングの自動効果とねこばばによるゴールドだけでお金を稼ぎ、あえてラストヒットを取らない戦術のことを指します。
韓国では断食メタと呼ばれたりもしていたので、そちらのほうがなじみ深い方もいるかもしれませんね。
元はトップレーンでカルマが行う特殊な戦術でとしてソロQで開発されたものでしたが、シーズン9で追加されたファームによる賞金制度を悪用している点やLoLというゲームの根幹である、自分のCSを取り、相手のCSを妨害してゴールド差を作るという概念を真っ向から否定している戦術だったため、プロシーンで採用されるや否やすぐに修正を受けて姿を消しました。
(ちなみにLCKでは1週間ほど断食できるパッチでの試合が行われました。本当につまらなかったことをよく覚えています)
ただし修正後もボットレーンでは採用できるように調整されていたので、今回時を経て再びフロストマンシーがよみがえった形です。
ボットレーンでフロストマンシー戦術を使うときに重要なのが、サポートがレリックシールドを持てるチャンピオンであるという点です。
レリックシールドは、キャリーポジションに入った断食中のチャンピオンにゴールドを供給することができますし、スタックがない時に自分でCSを取ったとしてもペナルティはないので、一番無駄がないわけですね。
断食中のチャンピオンがスタックを溜めきるまでの間にサポートポジションのチャンピオンはCSを独占できるので、普段サポートが買えないような高級なコアアイテムを1つ買うことができる点も見逃せません。
このように上手くキャリーポジションとサポートポジションでCSを共有することで、キャリーに入るお金自体は減少するものの、ボットデュオの合計で見た獲得ゴールド数は普通のスタイルよりも多くなります。
なので、メイジ+近接型サポートという形がボットレーンにフロストマンシーを持ち込んだときの最適な組み合わせ、というわけです。
ソナ・タリックは集団戦・中盤戦に強いコンボピック
さて、前置きが長くなってしまいましたが、ここからは個別の組み合わせについて見ていきましょう。
まずはソナ・タリックです。
ソナ・タリックの長所
このデュオの特徴はなんといっても、集団戦が凶悪という点です。
ソナのアルティメットクレッシェンドとタリックのEダズルはそれぞれが連鎖させやすい性能をもっていますし、タリックのアルティメットコズミックレディアンスの集団戦性能は改めて説明するまでもないでしょう。
一度CCをチェインさせてしまえば、長時間相手を拘束でき、そこから安全にへとつなげることができるわけです。
特にゲーム中盤の集団戦で圧倒的な力を発揮するので、中盤に強いファイター系と組み合わせることでゲームを破壊することが出来ます。
いまメタに上がっている中だと、イレリアやヘカリムあたりと組み合わせるのが非常に強力ですね。
代表的なピック例としてはNALCS FinalのTeam Liquid vs Team Solo MidのGame2です。
Midのラックスもサポート能力を有するので、3枚のサポートで2枚のファイターを援護して戦うという構成ですね。
この試合でも見られましたが、ソナ・タリックのもう1つの長所がその高いサステイン能力です。
他人をヒールできるスキルとシールドを与えるスキルの両方をQWEの通常スキルで持っているのは、実はソナとタリック、あとラカンだけでなのです。
この2人が合わさることでレーン戦では高いサステイン性能で相手のハラスを無効化し、CSを取らなくていいソナが一方的にハラスして相手の体力を削りながらねこばばでゴールドを稼ぐ、という状況を作り出せるのです。
このヒール能力は集団戦フェイズでも強力で、ソナ・タリックと一緒に合わせたいファイターチャンピオンが苦手なポークを無効化でき、長時間にらみ合いが行えるので、結果相手の陣形ミスを突くチャンスが増えるのです。
とにかくゲーム時間20~30分くらいまでの集団戦にフォーカスを合わせたピックで、自分たちからもエンゲージが出来、エンゲージサポートに回ることができるソナ・タリックは、エンゲージ不足の現メタでも、短い時間でゲームを畳むことができる強力なコンボピックになっています。
仮にゲームを狙いの早い時間帯に決めきれなくても、サポートチャンピオンとして機能するので、他のレーンにスケーリングするチャンピオンが置けていればロングゲームにも耐えうるというのもピックする上のでの「気軽さ」につながっています。
ソナ・タリックの対策は?
ソナ・タリックはレベル6までのガンク耐性に難があります。
ソナはEのパワーコードという不安定なCCしか持ちませんし、タリックのEもガンクをかわすのには最適なCCではありません。
そしてメインでCSを取る役割のタリックもファームが早いチャンピオンではありません。
なのでソナ・タリック側としてはレーンを引き気味にしてコントロールすることになるわけですが、それに対するカウンターとしては2つの行動が考えられます。
① 安全なウェーブクリアでタワーにミニオンを押し付ける
② サポートをロームさせて別のレーンで人数差を作る。
まあ簡単にいってしまえば相手がまともにレーニングをする気がないならこちらもまともにレーニングを行わないということですね。
この対策が一番きれいに決まった試合がLEC Final Origin vs G2 esportsのgame2です。
このゲームはG2がザヤ・ラカンのファンネリングという思い切った作戦に出たことで話題になっていますが、むしろモルガナ、パイクというボットレーンの組み合わせこそソナ・タリック対策の重要な要素になっています。
というのもソナ・タリック対策にフック系チャンピオンを使うというのはすでに対戦相手のOrigenが採用していた戦略で、実際その試合ではヴァルス、ブリッツクランクという構成でFnaticのソナ・タリックを撃破しています。
同じフック系でかつロームの得意なパイクに、安全かつ素早いプッシュができ、キャッチ能力も有するモルガナを組み合わせるというのは、ソナ・タリックに対する完璧な回答といっていいでしょう。
なぜザヤ・ラカンでのファンネリングを行ったかについて書き始めると、それだけで記事1本になってしまうので簡単に要素だけをまとめておくと、
・相手がソナ・タリックにしてこなかった時に通常のボットデュオとして機能する
・ザヤのWに9.6でバフが入り、ラカンと2人でジャングルを回ると速度がかなり出るし、W華麗なる登場のノックアップでスカトルも素早く確保できる。
ラカンはガーディアンを持つので、高い体力を保ってジャングリングすることも可能
・ザヤはレベル6になればRによる高い自衛能力を持つことができる。、
ァンネリングすることでいち早くレベル6を目指せるので、パイクとラカンで一緒にロームしたとき、一人でミッドに放置されるザヤの安全性を早い段階で確保できる
・ザヤはクールダウンと攻撃力が欲しいチャンピオンなのでマークスマンの中でもエンチャントウォーリアーとの相性がいい
・ジャングルクリープの経験値が全体的に低く、モンスターレベルが上がっても経験値が上がらないタイミングがあるなど、それほどジャングルモンスターを狩り続けることにメリットがない
などなどG2のかなり練られたピックだったのでOrigenとしては完全にしてやられた、といったところでしょう。
まとめ
G2 esportsの対策は見事でしたが、正直言ってかなり練習が必要な構成です。
一方でソナ・タリックをやる側は非常に簡単なので準備はさほど必要ありません。
なのでソナ・タリックはMSIでも強力な戦術のひとつとして存在し続けるでしょう。
基本的にブルーサイドがソナ・タリックをやる優先権を持つので、レッドサイドとしては対策が用意出来ていないなら1stバンフェイズで、タリックかソナにバン枠を割く必要がありそうです。
ソロQでのソナ・タリックは、どうでしょうね。
突っ込めるDPSタイプのチャンピオンがいないとうまく機能しないので、味方の相性に左右され過ぎる気はします。
これに限った話ではないですが、プロがやるチーズ戦術というのは、味方も相手も高いレベルにあるから成立する技であることがほとんどなので、
我々浅瀬の住人はそれを眺めても、真似するのはお勧めできないですね。
タリヤ・パンテオンは寄りの速さで戦う
世界最高峰と言われるLCKの決勝で突如登場した、このタリヤ・パンテオンのデュオボット。
実はその1か月前、韓国2部であるChallengerKoreaでピックされていたんですね。
その時のピックがこちら。
CK 2019Spring week6 BBQ Olivers vs Brion Blade
この試合が行われた時はパッチが9.4だったので、サモナーズリフトにスケーリングの波が押し寄せる前でした。
タリヤ・パンテオンよりクレッドジャングルの方が気になりますか?
彼の名はMalice。スウェーデン出身。
韓国LoL界初の外国人選手で、クレッドジャングルは彼の十八番ピックなのです。(6ピック4勝2敗)
ちなみにこの1か月後、プレーオフという大舞台でタム・ケンチジャングルをピックした男でもあります。
閑話休題。
タリヤ・パンテオンはフロストマンシー戦術を活用するのはソナ・タリックと同じですが、プレイの性質はやや異なります。
レーン戦でプッシュをして、それからロームやタワーダイブといったプレッシャーをかけていくので、フロストマンシーの割にはちゃんとレーン戦をするほうのピックともいえます。
タリヤ、パンテオンはそれぞれがグローバルアルティメットを持っていますし、それぞれプッシュのためのスキルを十分にもっているため、敵チームはボットサイドのジャングルでのアクションを取りづらくなります。
ドラフト面での優位もあります。
タリヤは通常ミッドレーンで運用されるため、リサンドラやサイラスといったタリヤを苦手とするユーティリティミッドレーナーを敵チームがピックすることを抑止することができます。
こうして相手にゲーム中盤の集団戦で活躍するチャンピオンを渡さずに、自分たちで一方的に独占することで、中盤戦を支配してしまおうというのが狙いのピックになっています。
パンテオンはQのハラス性能が強力なのもありますが、相方のタリヤに対して強いブラウムのカウンターとして機能するのも良い点ですね。
ブラウムはトップティアのサポートですし、タリヤのウィーバーウォールをEで止めることができるので、相手チームにとってピックしやすいですが、
パンテオンは固有能力で通常攻撃を無効化することができるので、自分からWで仕掛けてダメージトレードを仕掛けにいったとしても、ブラウムの固有能力のスタックを複数回カットすることが出来ます。
またボットレーンのCSをパンテオンに集中することで妖夢の霊剣やドラクサー・ダスクブレードといった脅威アイテムを積むことができ、パンテオンの「賞味期限」を延ばすこともできます。
問題点は終盤の弱さ
マップカバー能力が高いスキルを持つチャンピオン全般に言えることですが、寄りが早い、人数差を作りやすい反面、単純な集団戦のパワーというものはそこまで高くない傾向にあります。
(ガリオは例外です。あいつはバケモノです)
ゲーム序・中盤は狙うべきオブジェクトがタワーであったり、ドラゴンであったり、時には赤・青バフだったりと複数あり、様々な場所で戦闘が起きやすいのでグローバルアルティメットが非常に機能する時間帯です。
一方でゲーム後半になっていくと狙うべきオブジェクトはバロンナッシャーやその周りの視界、ミッドレーンのウェーブコントロールなど選択肢が狭まっていきます。
その結果、スプリットプッシュからの合流という意味ではグローバルアルティメットが活きる場面もあるこそすれ、人数差をつけるという意味での活用は中々難しくなっていきます。
それに加えて、パンテオンは終盤失速する代表的なチャンピオンですし、タリヤもマークスマンと比べるとスケーリング性能では見劣りしてしまいますし、本来サポートから受けられるはずのピールも、この半裸男には期待できないでしょう。
というわけで普通にやっていると終盤の集団戦で一般的な構成に対してはかなわなくなってしまうため、タリヤ・パンテオンを上手く機能させるためには
① 極端にエンゲージに寄せて25分前後で試合を終わらせる
② ジャングルかトップにスケーリングするチャンピオンを置く
このどちらかを採用する必要があるでしょう。
CKで出た時は①のパターンがうまくハマりました。
LCK決勝のピックはこちらです。
LCK Spring Final Griffin vs SK Telecom T1 Game3
ピック順
ロール順
GriffinはGame1と同じくタリヤ・パンテオン構成を選択していました。
そのGame1では中盤まで構成の強さでリードをしていたGRFでしたが、エンゲージ力不足もあってゲームを決めきれず、逆転負けを喫していました。
迎えたGame3、全く同じドラフトを行ってきたGRFに対して、SKTもほぼ同じドラフトで返した2ndバンフェイズ、SKTがヘカリムをバンしたのが好守でした。
これによってGRFは強引に集団戦を起こすチャンピオンを取れず、Game1と同じような結末を迎えてしまったのです。
タリヤ・パンテオンはジャングルの支配権を取りやすい構成でもあるので、②の方針に切り替えてキンドレッドやカーサスなどのスケーリングのいいジャングラーを取っていたら、また違った試合展開になっていたかもしれませんね。
まとめ
タリヤ・パンテオンも決勝で2敗と大舞台でいい結果は残せなかったものの、フロストマンシー戦術の新しい使い方を見せてくれ、ポテンシャルも感じるコンボピックだったとおもいます。
上で挙げたチャンピオン以外にもケイルなどと組み合わせても面白いと思うので、これもMSIでどこかのチームが試してみてほしいな、とおもっています。
おわりに
いかがだったでしょうか。
いつものくせで長くなり過ぎました。もうタイプする指が痛いですね。
ボットレーンにいかにリソースを割かずに影響力を大きくさせるか、という苦心の中で生まれたであろうこの2種類のチーズですが、MSIではまだまだ他にも出てくる可能性はあるとおもいます。
個人的にはイレリア・セジュアニボットとか見てみたいですね。
もちろんヴェインやジンクスといったスケーリングチャンピオンをボットに置くのもまだまだ有効なピックだと思いますし、ドレイブンや冒頭で触れたMFなどレーン戦から強くいくマークスマンというのも面白いです。
正直言って、今はどんなピックでも、どこかにスケーリング要素を含んでいれば成立してしまうメタなので、5月にベトナム・台湾で行われるMSIで各リージョンの代表がどんな隠し玉を用意してくるのか、いまから楽しみでなりません。
面白かったらシェア等よろしくお願いします。次の記事のやる気になります。
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