パッチ9.14感想 遅れてきたミッドシーズンアップデート

July 19, 2019 by lol-cla管理人, Patch 9.14

新しいチャンピオン特性追加や大規模な調整
こんにちは。
パッチノート感想文のお時間です。

イヤー今回のパッチは変更が少ないですね!ピックアップすることといえばルシアンの大型バフくらいでしょうか。



いやー、このスキンかっこよすぎる!

元ネタは多分マイアミバイスっていう古いドラマですね。高級スポーツカーとちょい悪の刑事2人組が出てくる感じです。
スプラッシュアート背景のモデルになってるっぽいフェラーリ・テスタロッサも同ドラマ内に出てきますから、ほぼ確定でしょう。

というわけで次のパッチでお会いしましょう。
さようなら!



と、まあ茶番はこれくらいにして現実に帰るとしましょうか。

今回は例年で言うミッドシーズンアップデートばりの大型パッチになっています。
新しいチャンピオン特性としてシールドや回復、移動系スキルに対する対策ギミックをフィーチャーしたり、
ここまで調整に苦慮してきたエイトロックスやタム・ケンチに大幅な変更が入っています。

League of Legendsは節目節目に大きな変更が入り、それによってメタを動かしていくという運営方針なので、今回のドラスティックなパッチも個人的には悪いようには捕えていません。

メタが膠着してしまうよりは動いたほうが、やっているほうも見ているほうも楽しいですからね。

ただ、それは遠くから見た時の話です。

個別の調整に関しては正直いって、かなり雑で、ゲームバランスは崩壊していても不思議ではないと思います。

こういった大きなパッチを、なぜプレシーズン、あるいはミッドシーズンの競技シーンの休み時期に持ってこなかったのか、という点に関してはかなり疑問が残ります。

あとたった2日で6チャンプに及ぶマイクロパッチ修正を加えるのもやめてほしいですね。
お陰で大分書き直す羽目になりました。

今回は変更項目が膨大なので、それぞれの変更項目に対してのコメント量に格差が生まれると思います。
個人的に気になったことを重点的に書いていくので、その点はご了承ください。




新しいチャンピオン特性について


パッチ9.14の目玉的な変更ですね。

アンチシールド、アンチ回復、ダメージ一定軽減、真の視界と4つのテーマに沿ってチャンピオンのスキルに新たな能力が追加されたり、スキルセットの変更が行われました。

アンチシールドチャンピオン



ブリッツクランクのRイナズマフィールドがダメージとサイレンスを与える前に相手のシールドを消滅させるように

レネクトンのWメッタ斬りが強化版のとき、ダメージとスタンを与える前に対象のシールドを消滅させるように



エイトロックスやイレリアで失敗したシールド破壊能力が、再び帰ってきました。

この2体を選んだRiotの意図はわかります。
どちらも序盤が強く、後半はやや失速するチャンピオンなので、後半にもシールドを破壊するという役割が持てるようになったといった感じでしょう。

たしかにいまプロシーンなどで採用されるソロレーンカルマなどがチームに提供するシールド量はかなり大きく、かつカウンタープレイが存在しませんでした。

なので、こういった特性を入れてみる試み自体は理解できます。
ただ、なぜ純然たるバフにしたのかはよく分かりません。このあと出てくるレオナやアーリはかわりのナーフを受けているのにも関わらず、です。

特にレネクトンはすでに十分強いですし、この能力を持ったことで、対面のファイターがステラックの篭手を持つことを一方的に封じることができるというのは、少しやりすぎな気がします。

ブリッツクランクに関しても、AOEでシールドを全破壊する効果というのは、試験的とはいえかなり馬鹿げています。

ちなみにどちらもCCの前にシールドを破壊するので、モルガナのブラックシールドなどでスタンやサイレンスを防ぐことはできません。すごいね!

まあ最後に書こうかと思ったんですけど、このパッチは全体的に馬鹿げているんで真面目に付き合わずプレシーズンの気持ちで遊ぶ方が胃に優しいと思います。


アンチ回復チャンピオン


カタリナのRデスロータスの回復阻害効果が上昇

クレッドのトラバサミロープで敵を引き寄せた場合、5秒間60%の回復阻害を与えるように


カタリナのほうはわりとどうでもいいのですが、クレッドのバフは大きいです。

条件は厳しいとは5秒間60%の回復低減はかなりぶっ壊れです。
代表的な重傷系のアイテムであるエクスキュージョナーコーリングやソーンメイルは3秒間50%ということ考えれば破格なことが伝わるでしょうか。

競技シーン的にはトップブラッドミアのカウンターとしても機能しますし、実はカルマもRWによる回復が強力なチャンピオンなので、ティアが急上昇しそうですね。

ところで最近Riotさんはサンファイアケープやランデュインオーメンをバフしてタンクを復権させようとしてませんでしたっけ?

タンク系のチャンピオンというのは、レーンを維持するためのサステイン手段を持っています。

ポッピーやサイオンといったチャンピオンはシールドを生み出すことでダメージトレードを有利に行えるという設計ですし、
マオカイやドクター・ムンドといったチャンピオンたちは体力を回復することでレーンを維持することができるようデザインされています。

さて、今回の調整で、序盤から強いファイターにタンクにとっての生命線である回復やシールドを封じる能力が付与されたわけですが、これは・・・?

なるほど!手も足も出ない状態にするよりも、一縷の希望を与えてからその手足をもぎ取るほうが、絶望が引き立って楽しいですもんね!

Riotの調整班の中に様々なチャンピオンが紛れ込んでいることは既報の通りですが、今回あらたにスレッシュもいることが発覚しました。


ダメージ一定軽減チャンピオン


フィズの固有能力であらゆるダメージを3軽減するように

レオナのWエクリプスが発動時に一定値のダメージを軽減するように(最大低減率は50%) 増加する物理防御、魔法防御は低下
Rソーラーフレア 使用後の通常攻撃強化がなくなった 


今度はあらゆるダメージを一定値軽減するというものですね。
これはいわゆるDoT系、継続ダメージ系と多段ヒット系のスキルに対して非常に効果が大きいです。

フィズの場合、ミッドレーナーが初手で買ってくるコラプトポーションによる継続ダメージが、すべて固定値分低減されるので、防御力を無視しても、15ダメージ→6ダメージと絶大な低減効果が得られます。

このチャンピオンはレベル6までをいかに乗り切るかという部分が大きいチャンピオンなので、かなり大きなバフになっているとおもいます。

レオナの場合、ブランドのようなDoT系のダメージはもちろん、カイ=サのQルシアンのRのように複数ヒットするスキルに対する耐性がすさまじいことになります。

たとえばカイ=サのQはパッシブ、レート抜きでお互いスキルレベル1のときを計算すると6hit時112.5→70.75になります。
ちなみに進化後レベル5vsレオナのWレベル5のときは10hitで407→234.5です。

太陽の化身の前に、イカシアの雨も止んでしまったといったところでしょうか。

アッシュのQにも効果があると思いますが、このスキルは若干判定が特殊で未検証なのでカッコ内で紹介しておきます)

こちらは常時発動ではないのでスキル回しにある程度意識を割く必要がありますが、上記のチャンピオンたちに対するカウンターとして機能するでしょう。



真の視界チャンピオン


カルマのWルブランのEモルガナのRでそれぞれ一定時間つながって追加効果が発動した場合、追加効果の持続時間の間対象の真の視界を得るように


地味ですが、結構大きなバフです。
フレーバー的にも相手と一定時間つながって発動する効果なら、相手の位置は分かって当然ですしいい変更だとはおもいます。

ただ後で出てきますがトップレーンのレンジ系チャンピオンがナーフを受けている中で、カルマだけが純バフを受けているというのは気になります。

レンジ系のチャンピオンとのマッチアップはサイドブッシュを活かして相手のAAを切りながら戦うのが基本ですが、本パッチからはWが決まってしまうとブッシュ内に隠れてもAAの餌食になってしまうわけです。

ますますカルマのお財布はパンパンに膨らむでしょう。

だからカウンターとしてクレッドやレネクトンを使ってくれってことなんでしょうけどね。
競技シーン的にはミッドやサポートにいくらでも逃がすことができるので、うーんといった感じです。

ルブランもアカリに対して出しやすくなったので、見た目より大きいバフでしょう。
まさか、このパッチでアカリがバフされるわけないですからね!


アンチ機動力チャンピオン


アーリのEチャームが敵のダッシュを止めるように、ダメージ増加効果の時間が短縮

カシオペアのWミアズマの最小射程が廃止、最大射程が低下、クールダウンが延長
Eが毒状態のミニオン、小型モンスターにダメージを与えた時の回復量が大幅に減少するように
回復量から固定値がなくなり、魔力反映率が大幅に上昇
マナコストはランクによって変化しなくなった(低ランク時増加、高ランク時低下)
ステータス面が大幅に変更された

ポッピーのWステッドファストが敵のダッシュや移動スキルを中断した場合、対象を釘付けにして2秒間25%のスローを与えるように
移動速度上昇時間が低下、移動速度上昇率が増加


アーリはブリンクを阻止できるようになったことより、ダメージ増加時間が2秒も減らされていることの方が影響が大きそうで、結果としては微ナーフになりそうです。

カシオペアは大幅にステータスが改変されました。
基礎ヘルス、レベルアップ時のヘルス上昇量、レベルアップ時のマナ上昇量が増えたかわりに、基礎マナと基礎物理防御が減少しています。

基礎物理防御20はかなり低く全チャンプ最低クラスなので、貧弱な身体をWミアズマで守りながら戦うといった感じのチャンピオンになりました。

そのミアズマはクールダウン、最長射程こそナーフされたもののネックだった最低射程が無くなったので、自衛用スキルとしての使い勝手はかなり向上しました。

これも最近Riotが続けているメカニクスを取り払う調整の一環といった感じで、ミアズマの射程をうまく調整する必要が無くなって、簡単なチャンピオンになったな、という印象です。
困ったらW押しとけばいいわけですからね。

そのかわり序盤のサステインは結構な量削られてかわりに魔力でスケールするようになったので、1アイテム出来てからのチャンピオンという色が以前より濃くなったかなと思います。

あと序盤にある程度魔力がないとEの回復量が絶望的になったので、コラプトポーションより、ダークシールやドランリングを初手に買うのがメタになっていくかもしれません。

ポッピーのWは一回ダッシュを止めてもフラッシュで逃げられてしまうという欠陥がありました。

まあ通常スキルとフラッシュが交換できればそれでも十分だったわけですが、今回の変更でスキルを中断された相手はフラッシュを使う権利すら失いました。

1つのスキルが持つユーティリティ性能としては破格ですし、エンゲージが少ないメタでRという非常に強力なディスエンゲージ性能をもっていることもあって、トップはもちろん、ジャングルやサポートなど様々なロールでピックされそうです。




競技シーンの厄介者たち


ここからは競技シーンで暴れ過ぎて、調整され続けているチャンピオンたちを見ていこうと思います。

エイトロックス


・レベルアップごとの体力自動回復上昇量が増加
・Rワールドエンダー キル・アシストで復活効果を得なくなった
自身の回復効果増幅率が低ランク時上昇、クールダウンが全ランクで短縮


いまのエイトロックスにおいて、「復活する」というのがゲームプレイ的に重要かといわれると必ずしもYesではないと思います。

高いサステインと頻繁に繰り出せてダメージも高いCCスキルであるQダーキンブレードが生み出すユーティリティ能力が肝であって、復活できるというのは思い切ったポジショニングを取りやすい、その助けになっていた程度です。

なのでエイトロックスから復活を取り去るというバランス調整は、ゲームプレイに根幹を崩さずにプレイヤーにリスクを与えるという観点から言えば正解だと思います。

さて、浄水器を通したコメントはここまでにしておきましょうか。

前回のイラオイ、今回のエイトロックスとチャンピオンのロア、フレーバー的な要素を無視した調整というのは、長い目でみたときに大きな問題をもたらすと思います。

チャンピオンというのは所詮Riotの用意した器でしかなく、彼らには何の個性もない、ルーンテラの法則よりもロサンゼルスの都合が優先されて、もてあそばれるだけの存在なんだと、どこか冷めた目で見てしまっている自分がいます。

ぶっちゃけゲームなんですからその通りなんです。が、Riotは長年かけてストーリーや音楽、アートワーク、動画作品を通してルーンテラという魅力的な世界を構築してきたはずです。

アッシュとセジュアニは対立していて、ヤスオとタリヤは一緒に旅をしていて、イラオイとガングプランクの間には甘酸っぱい思い出があるのはずなのです。(最後のは個人的には納得いってませんが)

それを0.01%未満のトッププロプレイヤーたちに対応できないからという都合で、自己否定のような調整に終始していく姿は正直見たくありません。

私はLeague of Legendsに面白いゲームであると同時に、好きになれるゲームであり続けてほしいのです。

まあ熱っぽい意見はここまでにしといて、この調整で勝率は下がるでしょうね。
ただプロはまだ使うかもしれません。
正直プロシーンだとRは復活効果よりも移動速度上昇の部分が重くみられている感はあるので。


アカリ


・基礎体力が上昇、レベルアップ時自動体力回復量、体力上昇量が増加、魔法防御が増加
・Q